英仏は、パレスチナ側に対し、国際社会の3条件受け入れを求めて行く姿勢 | 日本のお姉さん

英仏は、パレスチナ側に対し、国際社会の3条件受け入れを求めて行く姿勢

 【カイロ=村上大介】イスラエルのオルメルト首相は18日、定例閣議の後、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと穏健派ファタハによる初の挙国一致内閣に対して、ファタハや独立系の閣僚も含めて完全なボイコットを継続すると表明した。首相は、アッバス自治政府議長との対話は続けるとしながらも、議長と協議するテーマを限定する意向を明らかにした。

 首相は、パレスチナの新連立内閣の政策綱領が米国や欧州連合、国連など4者が求める「イスラエル承認」や「暴力非難」などの3条件を満たしていないとして、「国際社会には受け入れられない」と強調。唯一例外としたアッバス議長との対話も「パレスチナ人の生活状況などに限定される」と述べ、議長を窓口に米国が仲介を開始した和平プロセス再開問題に慎重な姿勢を示した。

 しかし、パレスチナとの窓口となっている米国のエルサレム領事館は18日、声明を発表。対パレスチナ経済支援凍結を継続するとしながらも、「ハマス以外の閣僚との接触は状況に応じて行う」と言明。欧州各国も挙国一致内閣を歓迎する方向にあり、ノルウェーは直ちに自治政府との政治、経済関係再開を発表。英仏なども非ハマスの閣僚との接触を再開する方針とみられ、国際社会とイスラエルの姿勢の食い違いが表面化しつつある。ただ、経済支援の全面的再開に向けては、パレスチナ側に対し、国際社会の3条件受け入れを求めて行く姿勢だ。

 一方、自治政府のハニヤ首相は18日、初閣議を招集した。イスラエルがヨルダン川西岸とガザ地区の間の閣僚の通行を拒否しており、閣議はテレビ会議方式で行われた。