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(読者の声5)
国内の核論議が沈静化しつつあるが、6カ国協議での妥協、米朝2国間協議
と日朝協議での北の高圧的な態度はなぜ出来るのか、その背景を考察
すれば「日本の核武装が政治兵器」になることを確認できる。
ここにおいて、日米同盟を軸に歴史の転換点にさしかかったことを自覚し、
国の指導者は国民の生命と財産を守るために、適切かつ緊急な戦略をたて
強力に進めることを期待するものであります
1.核を持たない日本が原爆を広島・長崎に落とされた。
しかし、3発目の核は第2次世界大戦以降から今日まで、際どいときにも
核保有国の頭上には落とされなかった現実がある。
2.CIA・国家情報会議「2020年予測レポート」では、「今後、世界で最も
大規模な戦争が起こりやすい地域は東アジアである」と分析している。
3.「常軌を逸した国である北朝鮮の核保有宣言に対し、国際社会の模範で
あるだけでなく、アメリカにとってイギリスに次ぐもっとも信頼できる同盟国
の日本が核兵器を保有して、北朝鮮や中国への抑止とするべきだ」述べた
(米国の有力政治評論家のチャールズ・クラウトハマー氏)。
国務省や国防総省で仕事をしているアメリカ人は、内心、「核の傘」や
「ミサイル防衛」では日本の安全を保証できないことを知っている。
(伊藤貫(国際政治アナリスト)著)
アメリカの「核不拡散政策」は「拡散対応政策」に転じはじめており、核保有
したインドとの関係堅密化はその証左である。
4.多極化時代において核を保有する覇権主義国は非核の同盟国を守れない。
例えば、日中間で軍事的緊張が高まり、中国が日本に核兵器による恫喝を
仕掛けたとしても、アメリカは日本を守れないし、守らないのが米国民にとって
正しい選択である。
その瞬間に日米同盟は瓦解し、
従って非核の日本は、中国に屈せざるを得ない。(伊藤貫著)
5.米中は対日政策に関する米中間の「3つの密約」を結んだ。
!)東アジア地域において、日本にだけは核兵器を持たせない。
!)日本の自主防衛政策を阻止するため、米軍は日本の軍事基地を占拠し
続ける。
!)日本政府には、朝鮮半島と台湾をめぐる問題で発言権を持たせない。
(1972年2月、共和党のニクソン大統領とキッシンジャー安全保障担当
補佐官が北京で周恩来と会談)、国務省の高官に確認したところ、この
密約は今も効力を持っていると説明を受けた。(伊藤貫著)
「米国が西側諸国のために核の傘の保証という自殺行為をする、という
のは馬鹿馬鹿しい」と記している。(1977年、キッシンジャー氏の論文)
!)は明らかに後退し、米国経済が成り行かなく
なった時点には撤退となり、
日本は「丸裸」になることになる。
6.「!)小平の遺言」の「!)の16文字」の中で、「今は大人しくして、爪を隠せ。
やがて自力をつけたときに立ち上がるために」と謳っている。(中西輝政著)
7.1995年、李鵬首相はオーストラリアの首相との会談で「日本は国家では
ない。今のままでは20年後(2015年)には潰れて消えてなくなる」と
非常に刺激的な発言をした。
8.1995年、北京でチャールズ・フリーマン元国防次官補は熊光楷
副参謀総長に会ったとき、「すでに中国は米軍が破壊することが出来ない
移動式の核ミサイルを所有している」と告げられ、「米国政府は東アジアに
おける中国の軍事介入紛争に介入するな」と厳しい警告を受けている。
(伊藤貫著)
9.東シナ海の経済資源や尖閣列島の領有権をめぐって日本と中国の
海空軍が衝突する事態が起きても、「米国政府は軍事介入したがらない」
という軍事状況ができてしまったのである。(伊藤貫著)
10.MDシステムは、国防総省内でもその命中精度が問題となり、政府部内
でもその歳出に反対する空気が多い。
MDシステムは総額1兆円の初期投資が必要になり、毎年、改良を加えな
ければならない、無用の長物と囁かれている。
であるならば、政府の内部文書の「核兵器の国産可能性について」と題した
文書による、「小型核弾頭試作には最低でも3~5年、2000億~3000億
円」の方が経済的にも安上がりで賢明な選択ではないのか。
更に関連技術(海上・海中へ配備の巡航ミサイル、弾道弾、無人特功機)も
確立できるのであるから国益に最も適った方法となる。
かつて、池田首相、佐藤首相は日米会談の席で、「中国が核武装したら、
日本も必ず核武装する」と発言したことが明らかになっている。
11.中国軍は東シナ海だけでなく、沖縄周辺や西太平洋での活動を活発化
させている。グアム島を西太平洋での拠点とする米軍を牽制(けんせい)
するためとみられ、「台湾有事では米空母、潜水艦を阻止する狙いがある」
といわれる(西側専門家)
12.2008年に中国スパイ組織と癒着した関係にある民主党政治家が
米国大統領になれば、米中朝露4ヶ国の核ミサイルに包囲された状態にある
日本の安全保障は、ますます苦しい状況に追い込まれていくだろう。
(伊藤貫著)
13.2010年の上海万博以降の台湾有事の際は、日米ガイドラインに基づい
て、日本も協力体制を取る。その時、自前の核抑止力を持たない日本に対し
て、中国は核の恫喝を露骨な形でとる可能性がある。
14.北朝鮮の核開発は、クリントン政権時代の「軽水炉原発への援助を
受け取る代わりに核関連施設への査察を受け入れる」という合意を反古に
され、影に隠れて核開発を進めた結果、昨年のミサイル連射、核実験に
繋がっていたのである。
今回の6カ国協議の妥結が北朝鮮への強力な制裁処置となったことは
疑わしく、更に核の小型化とミサイルへの搭載へと進み、日本の大いなる
脅威となることは明らかだ。
15.北朝鮮がICBMを持つことが確定すれば、日本に対して核攻撃もしくは
核による恫喝をかけても、米国政府は北朝鮮と武力衝突を避けるだろう。
この時「核の傘」は機能しないものとなる。
ノドンミサイルは日本攻撃専用と見ら
れ約200基程度が配備されている。
山岳地帯の地下施設で発射準備され移動式発射台から発射されると
考えられ、発射後6-7分で日本に着弾する。(伊藤貫著)。
韓国軍当局は射程距離1000~1500キロの長距離巡航ミサイルをすでに
実戦配備または開発しているという。
このミサイルは、北朝鮮全域、東京、北京などの周辺国主要地域が射程に入る。
南北関係の現状から推察されることは、「統一政策に秘めた核戦略をもった
隣国」となり、朝鮮半島の脅威は倍加する。
16.日本に核ミサイルを向け、その潜在的恫喝によって日本に有形無形の
影響力を行使したほうがはるかに合理的である。
現実に日本の政・官・財・マスコミ等が中国に媚びる言動の多くはそうした
理由からと考える事ができる。
その実例として、中国による国家主権の侵害(瀋陽総領事館の脱以北者
連行事件、反日デモでの日本公館の破壊事件、原潜の領海侵犯、
尖閣諸島の領有権主張)、北朝鮮の拉致に関する国家主権の侵害、
中朝韓による内政干渉(靖国問題、従軍慰安婦問題、教科書問題)、更に
米国内での反日活動(従軍慰安婦問題、南京大虐殺問題)のように、
世界から日本を孤立させるための
活動が目立ってきた。
17.核保有国と開発国などは次の通りである。
旧連合国:米・露・英・仏・中。その他の国:イスラエル、南ア?、インド、
パキスタン、北朝鮮。核開発国:イラン。保有疑惑国:リビア、スイス、
スウェーデン、ブラジル、アルゼンチン。
核兵器の共有国:ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコは米国の
核爆弾を共有している。
この米国の核の共有は、北朝鮮と中国ににらみを利かすことに理論的には
可能だ。
戦争の形:例えば、仮に中国、ロシア、北朝鮮が数万発の核弾頭を持ってい
ても、日本が200発程度の核弾頭を持っていれば、これら3国は日本を
核攻撃できない。日本を攻撃しても海自の潜水艦に配備された核ミサイルが
生き残り、それによって自国の数十の大都市を破壊されてしまう。
この報復核攻撃を被ることによる戦争コストが高すぎるから、「核攻撃はワリに
合わない」ことになる。
(伊藤貫著)
伊藤貫氏がアメリカの政治家、学者、官僚、軍人、CIAアナリスト、議会
スタッフ、ジャ-ナリスト等々と議論をし、かなりの効果(説得力)があると
される「日本の自主的核抑止力必要論(日本の核抑止保有を米に納得させる
5つのロジック)」をぜひ参照願いたい。
なお「日本核武装の論点」(中西輝政編著、PHP研究所)からも多く引用さ
せて頂いた。
(愛知匿名)
(宮崎正弘のコメント) すこし長めでしたが、重要な論理的展開に思えます。
しかし“核の選択”は、すべての公務員が給料の一割カット、国民からの
義捐金も山のように集まり、朝野をあげての姿勢がない限り、とても
無理でしょう。
IAEAが予算の三割から四割を日本の核武装監視に使い、いや原発でさえ
、あれほど反対がある国ですから、海上核武装という選択肢しか残されて
おらず、時間的余裕もないとすれば、ドイツ型の「パーシング2導入」という
シナリオが、当面の日本の危機回避作戦ではないかと思います。
♪
(読者の声6) 「台湾宏観テレビ」が、2月25日に東京で行われた
「二二八事件60周年・日台共闘!台湾防衛デモ」を報道しております。
下記で見ることができます。
紀念二二八日僑団発動遊行
http://www.pts.org.tw/macroview/news/main.php?fZone=22
(台湾の声)
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