イギリスのニュースだったのか。日本のニュースじゃなかったか。
【ロンドン小松浩】英下院は14日、現行の核ミサイル・トライデント搭載
潜水艦が将来退役期限を迎えるのに伴い、
核ミサイル搭載可能な潜水艦を新たに
建造するとしたブレア首相の提案を
賛成409票、反対161票で承認した。
与党・労働党から100人近い造反者が出たが、最大野党・保守党が
賛成した。
国の安全保障の根幹にかかわる決断を、ブレア政権は野党の協力で
かろうじて乗り切った。英国は少なくとも今世紀半ばまで、核抑止力を
維持する道を選択したことになる。
労働党政権下でのこれほどの大量造反者は03年3月、イラク戦争の 是非を問う投票で138人が反対して以来。
ブレア政権末期の統率力弱体化を表すとともに、核抑止のあり方を巡り
労働党内の論議が分裂している現実を浮き彫りにした。
トライデントは英国唯一の核戦力。搭載潜水艦4隻が2020年代から 順次退役期限を迎えるため、ブレア首相は昨年12月、これを更新して
新型潜水艦を建造する意向を表明し、下院投票にかけると公約した。
その一方で核弾頭を185発から160発以下に削減、潜水艦も3隻に
減らすなどの「軍縮努力」も示して理解を求めた。
新型潜水艦の耐用年数は20~30年とされるため、2050年前後まで
英国は核戦力保有が可能となる。
しかし、労働党内にはテロの脅威に対する核抑止への疑問や、 政府見積もりで200億ポンド(約4兆6000億円)とされる経費への
批判が左派を中心に根強くあり、閣外相級を含む4人が更新に抗議して
政府ポストを辞任した。
ブレア首相は「脅威が不確実な世界に おいて核抑止は不可欠」と主張、
新型潜水艦建造に17年かかるとして、更新決定を急ぐ理由を説明。
保守党のキャメロン党首も「核抑止力維持は国益にかなう」と首相に同調
したが、自由民主党のキャンベル党首は、核拡散防止条約(NPT)6条で
米露英仏中の核保有国が核軍縮義務を負っていることを踏まえ、次回
NPT再検討会議(10年)での英国の政治的立場を弱めることになる、
と更新反対論を展開した。
議会周辺には反核団体のメンバーなど反対派数百人が集まり、更新 決定に抗議の声を上げた。
3月15日12時4分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070315-00000042-mai-int |