チャイナの繁栄 | 日本のお姉さん

チャイナの繁栄

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成19年(2007年) 

2月19日(月曜日) 通巻 第1713号  宮崎正弘氏の無料メルマガに

チャイナの繁栄具合がうまく書かれている。

(一部抜粋)

「いつ取材に行っても新鮮なおどろきが連続する中国。
 一月下旬から二月にかけて、華南の地を廻った。

香港からいきなりマカオへ渡り、孫文の故郷でもある中山から、華僑の故郷・

江門、開平、それから仏山経由で広州へ入り、恵州から深セン、最後に

香港へ舞い戻って帰国。八泊・九都市。
 華南の各地は爆発的な経済発展、あらゆる場所が普請中である。
 ふと脈絡もなく、江戸と、いまの広東のダイナミズムには、なにか共通性が

あるだろうか、と考えた。


 広東の繁栄、建築ブームの醍醐味、超満員のレストラン、庶民の生活の

向上など。その経済という物理的側面の凄まじいダイナミズムに遭遇しながら

(略)

~~~~~~~~


の旅行中、宮崎正弘氏は江戸に関する本を読んだそうだ。


~~~~~~~


(略)



珠海デルタ地帯を突っ走るバスの中。一方では左右の景色はにょきにょきと

林立する摩天楼やら、迅速な開発が進んだ工業団地、マンション群、瞠目

するべきショッピング・アーケードのまばゆさ。
(嗚呼、それにしても“脱中華文明”の中国の都会には、なんと美がないこと

か!)
 そうした繁栄のぶっきらぼうな景色を眺めながら本書を読み進めると、

対照的な静けさをもつ、この『江戸のダイナミズム』が醸し出す美しい日本の

力強さは、時空を超越し、思考の空間がいとも簡単にタイム・スリップする

のだ。(略)

◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/


その一方で、こんなニュースも。

     ↓


【上海=前田徹】中国の主要都市の地盤沈下が昨年までに70都市余りで

総面積6万4000平方キロメートルに及んだことが最新の観測データで

明らかにされた。都市開発が早くから進み、40年以上前から沈下が続く

上海ではこれまでに2.6メートル超沈んだところもある。最近、都市化が

著しい天津や西安などでも2メートル超の沈下が観測されている。

過度な高層ビル建築と地下水のくみ上げが原因で、急速な経済発展の

代償といえる。

 上海市地質調査研究院などによると、上海市全土の2006年平均地盤沈下

は7.5ミリだった。2000年に比べると4.8ミリ減だ。最悪のときに15ミリを

記録したことを考慮するとかなり改善されている。

 上海は租界時代の1921年ごろから沈下が始まったとされ、高層ビルの

建築ラッシュが始まった90年代から地下水のくみ上げが激増し、それに伴う

地盤沈下が深刻化した。沈下被害はすでに1000平方キロメートルに及び、

最悪の地点で2.6メートル超も沈んだ。

上海市当局は都心部での沈下は1ミリで1000万元(1億5000万円)相当の

損害があるとみており、2年前に高層ビル建築制限に加え地下水のくみ上げ

を厳しく取り締まっている。

 新華社通信などによると、地盤沈下は蘇州や無錫、常州など上海周辺の

経済発展地域に広がり、この3地域だけで沈下地域は5700平方キロメートル。

2.8メートル沈んだ地点もあった。

 沈下が観測された70都市余りのうち天津、西安、太原は特にひどく、

2メートル以上の沈下が確認されている。天津では市中心部の6割で沈下が

続いている。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/39606/


日本も以前、地下水の吸い上げすぎで地盤沈下が起こったという

ニュースがあったが、チャイナでも同じことが起こっている。

しかし、知人の友人であるチャイ人の留学生が、東京はもっと都会かと思った

と言ったというが、広州の発展はすさまじく、日本なんか目ではないようだ。

香港も日本よりも都会の雰囲気がしているが、シン深も、香港と同じ雰囲気に

なっているのだろう。チャイナは、そういう目的を持ってシン深を作ったのだが、

目的を持ってどんどん実現していくところは、本に書いてある「金が貯まる人」

と同じだなと思う。具体的な目標を立てて、確実に実現していくというのは、

チャイナは得意なようだ。宇宙開発も、具体的な目標を立てたら、そのとおりに

なっている。(たまに失敗しているが、、、。)

日本も長期的な目標を立てて、50年後の子孫のために日本という国を立て

直す計画を立てて、その夢を実現していかねばならない。

今日もらった無料メルマガには、

インドにならって教育を立て直せ!という内容の記事があった。

日本に劣っている部分があるなら、外国をマネして弱い部分を直さないといけ

ないだろう。お金を貯められない人は、具体的な目標が無い人なのだそうだ。

日本も、具体的な目標を立ててほしい。


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IITの衝撃 ――――――――――――――――――― 2007/02/19


――― ここまできたインドの実力

1月28日(日)、何気なく見ていた午後10時よりのNHKの番組NHKスペ
シャル『インドの衝撃』の第1弾として放送された「わき上がる頭脳パワー」
に大きなショックを受けた。この番組で、もっとも大きな時間を割いて紹介さ
れたのが「IIT」である。

IITとは「Indian Institute of Technology」の略で、インド工科大学と訳
されている。
同番組を紹介するNHKオンラインによると、
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070128.html

┌──────────
IT産業を中心に急発展し続けるインド、その武器は大量輩出される優秀な人
材です。「ゼロ」の概念を発見するなど、数学に強い国民性に加え、独立後の
インドは科学技術によって国家の振興を図ろうと、超エリート教育のシステム
を作り上げました。

その象徴となっているのがIIT(インド工科大学)。「IITに落ちたらMI
T(マサチューセッツ工科大学)へ行く」と言われるほどの難関校で、論理的思
考を徹底的に鍛える独自の教育からITエリートが量産されています。

IITの卒業生の中には、世界的なIT企業を起業し、航空機の設計から物流
システム、様々なソフトウェアの開発など、ビジネスの世界を席巻する者も現
れています。

インドの優秀な人材がどのようにして生まれるのか?シリーズ初回は、急成長
するインドのIT企業を支える「頭脳集団」と、その頭脳を生み出す教育現場
を克明に取材します。優れた人材を量産する秘密を探るとともに、インドの頭
脳が世界にもたらす衝撃を取材します。
└──────────
ーーーとある。

筆者が受けたショックとは、戦後最初の首相になったパンディト・ジャワハル
ラール・ネール氏が発案して実現したといわれる、その桁外れの「頭脳集団生
産システム」の存在もだが、日本式の詰め込み教育とはかけ離れた、「自分の
力で考える」「思索する過程(プロセス)を大切にする」という、徹底した教育
方針にある。

インドの選りすぐられた秀才たちの中から、さらに選びに選ばれた頭脳だけが
進めるところだということは、もしIITに合格できなかった学生たちも、極
めて高い能力を持っていることになる。

しかもIITの学生たちは、安い学費に加え、奨学金制度の恩恵を受け、全寮
制という外界とは全く隔離された環境で、ひたすら頭脳を磨くことに専念する
ことになる。

彼らには「選ばれた者」というプライドと自負心があり、その才能に一層磨き
を掛けている。英語圏というメリットを生かして、彼らを世界中のトップ企業
から高給で求人にくるが、最近では自国にあってその才能を国のために生かそ
うという学生が増えてきているという。

こうした頭脳を産む仕組みは小学校時代からあり、ご存じの2桁までの九九に
とどまらず、たとえば共通した数字を持つ掛け算を、少ない桁から多い桁まで
並べて回答に一定の法則があることを知らせ、それを基にして複雑な計算をこ
なして、楽しくまた簡単に覚える教育や、家庭で楽しむ算数ゲームまで、幼い
時分から「自分の頭で考える」という習慣を身に付けさせている。

インドの教育を目にすると、自分で考えるという方法から乖離して、やみくも
に記憶させるだけの日本の教育が生んだ数学離れの現状は、「本当にこのまま
でいいのか」という危機感にとり憑かれるばかりだ。

勿論この国には、抜きがたい階層社会が存在して、恵まれない貧困層があり、
無学な人たちも多く、教育を受けたくても出来ない階層が存在し、また大学進
学率も3%前後と非常に低いことも事実である。

そのために、幸いにも大学に進める人たちは人一倍勉学に専念するし、また貧
困から抜け出すために、いわゆる「ハングリー精神」で必死に勉学にいそしむ
若者も多い。特にこの国の得意分野であるソフトウェア分野は、最下位の階層
にも高い収入を約束する糸口となる役割も演じているのだ。

たとえば、この番組で紹介されたのは、貧しくて学費が払えない若者を対象に
安い学費で勉学を教える一種の進学塾のような施設があり、IITへの進学率
が非常に高いところの勉学風景がテレビで紹介されていた。特に感銘を受けた
のは、彼らの勉学に特に高価な研究設備は不要で、主として「紙と鉛筆」精々
パソコンぐらいという利点である。

ここで言いたいことは3つある。1つは(前にも触れたが)チャイナ一辺倒で、
いわゆる(チャイナを除いた)BRICs(ブラジル・ロシア・インド)、特にイ
ンドの紹介を怠ってきた経済オピニオン紙である日経新聞の確信犯的怠慢であ
り、インド進出を怠ってきた関連企業の不勉強さであり、加えて最大の過失は

―――親日国インドとの親密な関係構築を無視してきた、戦後歴代日本政府の
愚策にある。

ご存じのように、敗戦時、インドのパル判事は、勝者が敗者を裁く東京裁判の
欺瞞性を突いて、唯一日本(戦争犯罪人被告)の無罪を主張してきた方だし、戦
後の初代ネール首相は、日本の力によって、イギリス植民地という長く暗い軛
[くびき]を脱せられたことに感謝して、日本に大きな信頼と感謝を寄せた政治
家であった。

一方、戦後の日本は、アメリカに追随して自らの意志で外交を行うことを怠り
中・韓に阿[おもね]るばかりで、台湾を見放したばかりか、自主的にアジアに
目を向けることなく過ごしてきた経緯がある。

さて、翌1月29日の『インドの衝撃(2)』は、消費の爆発的な伸びを紹介し
ていたが、日本から進出した日立が、早くから進出していた韓国企業の後塵を
拝して苦戦を強いられている様子を克明に紹介していた。
今や、こうした日本の怠慢が大きなしっぺ返しとなって返ってきた感がある。

現在、インドのソフトウェア技術のズバ抜けた優秀さは誰でも知っている。英
語圏という長所と、時差の違いを生かして、インドにいるままでアメリカのI
T企業とタイアップし、安い労働力と優れた知識と技術で活躍していることは
周知の事実である。

例えば米・印の時差を活用して、インドにいたまま、アメリカの寝ている間に
作業を済ますというスピード性と、安くて良質な仕事ぶりで、ソフト業界を席
巻しているのだが、果たして日本企業は、そうした能力を活用してきたであろ
うか。ーーー悲しいかな否と言うしかない。

いま1つの問題点は、日本における良い大学進学者の家庭の裕福度という現象
である。たとえば東大進学家庭の収入は高いという事実であるが、本当にやる
気のある者であったらならば、充実した奨学金制度の採用が不可欠であろう。

加えていま1つ日本混迷の原因だが、「追いつき追い越せ」という日本特有の
キャッチアップ・スピリットが、その目標を失って失速していることであり、
特にその意識は国家官僚に著しい。このままでは国是とする「先端技術立国」
の未来は限りなく暗いと言わねばならない。

こうした問題に、日本はいかに取り組んでいくべきだろうか。

――― JIIの勧め まずデッドコピーから始めよ!

かつて日本は、遣隋使から遣唐使、近代に至って明治維新には遣欧使を派遣、
先進技術・知識の吸収に努めてきた。本来の資質に新しい知識を加え、それを
自家薬籠中のものにすることですばらしい文明を築いてきた。文字通り「追い
つけ 追い越せ」を国是とばかりに実行してきた国柄であった。

日本人の特性として、まず先進国の技術の「デッドコピー」から始まり、しか
も不要なものや有害と思える要素は取り去って「換骨奪胎」し、わずかの間に
キャッチアップして「自家薬籠中」の物としてしまい、瞬く間に師の国を凌駕
してきた。

そうした意味において、今こそインドを発展途上国だという間違った認識を捨
て去り、「教育大国」として謙虚に学ぶ姿勢で、辞を低くして(文科省・経産
省、それに若手の教育者による)遣印使を派遣して、徹底的にこのシステムを
学ばせ、日本に導入することである。

日本の官僚に、キャッチアップのための格好の目標を与えたらしめたものであ
る。目標を喪失して自信を失い、そのエネルギーを「省益」のみに傾注してき
た彼ら官僚に、新しい大きな目標を与える効果は大きいものがあるだろう。
もっともそこには、インドを発展途上国と捉えるのではなく、「教育先進国」
として認識し尊敬する視点が不可決ではあるが。

当然、丸々IITの模倣(デッドコピー)でいい。学習方法・学習内容からその
環境学習姿勢や低所得者層からも進学できる一貫した真のエリート養成システ
ムを導入する。小学校ではインド式20までの九九を導入し、日本人の嫌いな
数学・物理を楽しく学ぶノウハウを会得することである。JII( Japanese

Institute of Technology )とそこを目指すための系列学校群の創成である。

日本政府は「新教育改革」の一端として、日本の各中枢都市に(JIIを目標
とした)小学校と、中・高一貫校を設立、厳しい選抜を行いながらJIIを目
指す環境を作り上げるべきである。ここにおいて、取り立てて英語教育を行う
のではなく、幾つか、或いは全ての授業を英語で行うことで、生きた英語の習
得がなされることになる。

せっかくJIIを目指しながら、不幸にしてその難関を突破できなかった者は
やむなく東大でも進もうか、という現象が起きることになるだろう。

現行の学校制度に飽きたらぬ少壮教育者の研修と採用も、インドの当該関係者
・機関に一任すればよい。

また、こうした難関に挑んで見事入学した生徒や学生には、保護者の収入に応
じた多段階的奨学資金制度を完備すればよい。これで日本の再生が約束される
としたら安い投資ではないか。

また、具体策の一案として、日本のODAによって、IITの日本キャンバス
校の設置もあるだろう。あるいはインドにODA供与を行った上で、ノウハウ
の獲得にあたることも考えられるだろう。

目標さえ見つかれば日本は強い。「ゆとり教育論」に翻弄された、本来の目標
を見失って堕落した今の学校教育も、インド式教育の実際の成果を目にするこ
とで、日ならずして改善されることは容易に予想できる。

さて最後になるが、それとは別に、日本の企業から、積極的にIITに求人を
行い、日本のインドへの経済進出のための責任者に採用することである。

幸いインドは、チャイナと違って親日的な国家である。今こそ「内弁慶国家」
から脱却するチャンスにすべきであろう。BRICsの中で、最重点的に日本
が目指すのは、インドをおいて他にないことを認識すべきだろう。

問題は、果たしてこうした危機感を抱く人たちが、政界・教育界・経済界にい
るかということに尽きるのだが、さて、この番組を見た多くの人はどうのよう
に受け止めただろうか。こうした番組を制作するNHKはそれなりに高く評価
するが、惜しむらくは何故もう少し早く制作・放送してくれなかったか。

昨年のチャイナ投資は対前年比30%減だということだが、それが、チャイナ
の代替投資先として、ヴェトナムやインドに移っているとしたら、遅まきなが
ら良い傾向と捉えるべきかもしれない。


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