衛星攻撃兵器 実験目的「回答得られず」 | 日本のお姉さん

衛星攻撃兵器 実験目的「回答得られず」

衛星攻撃兵器 米、中国に不信感 実験目的「回答得られず」

2月4日8時0分配信産経新聞


 【ワシントン=山本秀也】中国の衛星攻撃兵器(ASAT)実験について、米上院内で1~2日に開かれた超党派の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」で、米政府高官らの懸念が相次ぎ示された。とりわけ、ASATの運用にかかわる戦略ミサイル部隊(第2砲兵)の実質的な米中交流に中国側が応じていないことに対して、強い対中不信が表明された。

 国務省のノリス中国部長は、実験後の米中間でのやり取りを説明。米側が(1)実験目的の照会(2)宇宙軍拡への懸念表明(3)兵器運用上の問題点-を外交ルートで伝えたのに対し、「中国側が回答したのは実験から10日後だった」と失望感を示した。

 しかも、中国側の回答は「宇宙空間で1回の実験を行った」とする1月23日の一般向け説明とほぼ同じ内容だった。「平和目的」「どの国にも脅威とならない」などの説明が加えられていたものの、実験目的では「回答を得られなかった」とノリス部長は指摘した。

 また、ローレス国防副次官(アジア・太平洋担当)は、「この実験が各国の有人宇宙探査活動や人工衛星を危険にさらした」と非難。昨年9月にグリフィン米航空宇宙局(NASA)長官の訪中にこぎつけた米中の宇宙探査協力の合意精神に反すると指摘した。

 2日付の米紙ワシントン・タイムズによると、NASAは今回の兵器実験を受けて、中国側との協力を差し止める方針を固めた。

 一方、米側が特に問題視しているのは、昨年4月の米中首脳会談で合意していた靖志遠・第2砲兵司令官の訪米に中国側が応じていないことだ。この問題には、ノリス部長、ローレス副次官らが繰り返し言及した。

 靖司令官は昨年末には南米アルゼンチンを訪れたばかり。訪米に関する首脳合意が棚上げされていることは、中央軍事委員会主席を兼ねる
胡錦濤国家主席の軍部掌握度を米側が疑う理由ともなっている。