中央アジアのみえない箇所で、中国の外交侵攻が本格化 | 日本のお姉さん

中央アジアのみえない箇所で、中国の外交侵攻が本格化

 旧宗主国=ロシアを袖にして、タジキスタンも中国へ急接近
   隣国キルギスではマナス空港から駐留米軍を叩き出す策動が蠢いている


 ラシモノフ・タジキスタン大統領が北京を訪問したのは1月15日である。
 胡錦濤が会見にのぞみ、両国は「友好善隣条約」を締結、両国の国家元首が署名した。
 中国はタジキスタンの水力発電、通信網の建設、交通インフラなどの建設に多額の援助を約束した。

 中国からタジキスタンへの投資はすでに七億二千万ドルに達している。
 ドシャンベとチャナック間を結ぶ幹線道路建設は中国ゼネコンの得意芸、さらにザラフション河の水力発電所建設、南部アフガニスタン国境近くにはガラスとセメント工場など、プロジェクトが大型である。

 交換条件として、中国が獲得したのは、従来の固定条件「台湾切り捨て」などという生やさしき内容の条約だけではなかった。

今後、タジキスタンは、

おたがいの主権、安全、領土をおか

す、あらゆる第三国との条約、協定を

結ばない」と謳ったのである。


すなわち北京はタジキスタンに対して、援助と引き替えるかのように「NATOや米軍のタジキスタン駐在を許容せず」、ともかく北京主導の「上海シックス」のみに専念せよ、と要求したのと同義語なのである。

 旧宗主国ロシアや民族的絆の深いペルシアよりも、現実のカネが重要。タジキスタンは、中国の走狗となる道を選択した(タジク語はペルシア語に近い)。

 同様に隣国キルギスにも中国は急接近している。キルギスは米軍のアフガニスタンへの出撃基地としてマナス空軍基地を貸与しているが、賃借料金を四倍にするとふっかけ、さらに近日中の撤退要求を暗に示唆している。
マナスの30キロとなりの空港はロシア軍が借り受け、五百が駐留している。中国軍はキルギスとの国境付近でテロリスト対策の軍事顧問団というエンジニアが多く居住し始めている。
中央アジアのみえない箇所で、中国の外交侵攻が本格化している。


 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 1月25日(木曜日) 
通巻第1690号  
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たぶん、タジキスタンもキルギスも、長い間ロシアに支配されていたから、

支配されぐせがついているんだ。

タジキスタンは、中国の走狗となる道を選択したと書いてあるが、自分たちが

どんな約束をしたか、その重要性に気が付いているのか?

援助が欲しければ、どんな事でも約束してしまうんだね。