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チャイナは、宇宙大国になろうと邁進中

以前紹介したニュースと同じものもあります。ご了承ください。

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【覇権国家中国】ミサイルで衛星破壊実験に成功

産経新聞 2007年1月20日

■中国 ミサイルで衛星破壊実験に成功

【ワシントン=山本秀也】米政府は18日、中国が宇宙空間上にある人工衛星を地上から発射した弾道ミサイルで破壊する実験に成功したことを事実上確認した。中国の軍事動向を監視する米国の偵察衛星をはじめ、日本、台湾の偵察衛星に対しても、中国が破壊能力を獲得したことを意味する。スノー米大統領報道官は同日、「事態を懸念している」と述べ、中国政府に対し米側の立場を伝えたことを明らかにした。

 実験情報を最初に伝えた米航空専門誌アビエーション・ウイーク(電子版)によると、実験は米東部時間の今月11日午後5時28分(日本時間12日午前7時28分)、中国の宇宙基地がある四川省西昌付近の上空で行われた。地上約850キロの宇宙空間にある中国の気象衛星「風雲1号C」に対し、衛星破壊弾頭を搭載した中距離弾道ミサイルを発射し、標的の衛星を撃破した。

 同誌は米航空宇宙局、中央情報局(CIA)などが実験データの解析を急いでいると報じた。CNNテレビによると、中国は今回の成功まで3回の破壊実験に失敗していたという。

 今回の実験について、米国家安全保障会議(NSC)のジョンドロー報道官は、「中国がこうした兵器を開発、実験したことは、民生用宇宙航空分野での両国の協力精神に反する」と非難。NASAが進める対中協力への影響を示唆する一方、オーストラリア、カナダも中国への懸念を伝えたことを明らかにした。

 中国はこれまでにも、地上に設置した兵器システムを使って米国の偵察衛星に高密度のレーザー光線を照射し、監視活動の妨害を試みていた。今回を含めて、いずれの衛星妨害活動や実験についても中国側は確認を避けている。

■中国 ミサイルで衛星破壊実験に成功 独自技術を誇示
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 ■米に衝撃、宇宙の脅威に
 【ワシントン=山本秀也】有人宇宙飛行など独自の宇宙開発を進めてきた中国が、人工衛星の破壊能力を獲得したことは、海外での軍事展開の「眼」として偵察衛星に依存する米国に衝撃を与えた。米側では中国を警戒しつつも、衛星破壊兵器の開発には「財政的な制約で数年かかる」(メープルズ米国防情報局長)とみてきただけに、高い経済成長で軍備拡大を支える中国の挑戦に直面したかたちだ。米側が衛星機能の強化など対抗手段を強めることは確実で、米中が宇宙空間でも軍事的な確執を強める時代を迎えた。

 米国の偵察システムでは、中国からの弾道ミサイル発射も軌道上にある人工衛星の状況も常に監視対象となっている。むろん、中国も承知していることで、高度850キロにある衛星のミサイル撃破は、衛星破壊能力の獲得を宣言するための軍事デモンストレーションにほかならなかった。

 米国防大学のバーナード・コール教授は18日、台湾の安全保障に関するワシントンでの講演後、「中国は数年前からこうした兵器の開発を進めてきた。むしろ、実験をしなければその方が驚きだ」と、ひとまず冷静な受け止め方を示した。

 通常兵器の整備を後回しにして、毛沢東時代から核兵器、弾道ミサイル、人工衛星の技術開発を進めてきた中国は、軍のハイテク化が本格化した1980年代のトウ小平時代から宇宙開発も加速させていた。中国自身、「最大で60センチ程度」といわれる解像度の偵察衛星「尖兵」シリーズなどを持つが、中国の軍事施設を監視する米国の偵察衛星は目障りな存在でありながら、これまで破壊や妨害などの対抗手段が北京にはなかった。

 軍事専門家の間では、米国の偵察衛星に対する中国の対抗手段として、(1)地上からのレーザー照射(2)同じ軌道上から小型衛星を放出して相手の衛星を破壊(3)弾道ミサイルや高性能の電磁砲による弾頭打ち上げ-が、これまで指摘されてきた。

 昨年9月に伝えられた米衛星へのレーザー照射に続く今回の実験について、米国の中国専門家ゴードン・チャン氏は、産経新聞に、「衛星破壊能力を誇示することで、(宇宙空間利用など)中国が世界の既存秩序に挑戦する意思を示した。胡錦濤氏の指示とみられるが、緊張を高めるもの極めて愚かな行いだ」と分析した。

 米元軍備管理軍縮局顧問のトーマス・スニッチ氏は、「米国ほか日本など同盟国の衛星が中国の攻撃を受ければ、戦争行為に等しい」と指摘。偵察能力を持つ衛星が少ない日本に対しては、「万一のバックアップとして、可能な限りすべての商業衛星と契約して衛星画像が常に入手できる状態を保つべきだ」と提言している

■中国 ミサイルで衛星破壊実験に成功 日本、憂慮と不快感


 塩崎恭久官房長官は19日の記者会見で「宇宙の平和利用、安全保障上の観点から懸念を持っている」と語った。麻生太郎外相も同日の会見で「事前通報もなく、いかがなものか」と不快感を表明した。政府は外交ルートを通じ、中国側に実験の内容や目的などの説明を求め、懸念を伝えた。中国側は「日本の言うことには留意している。平和利用は一貫している」と応じたが、実験内容などは明らかにしていない。
 日本政府は、人工衛星にミサイルを命中させる技術はそれほど高度な技術だとはみていないが、中国が軍事的な能力の誇示を狙ったものだとして憂慮している。

■中国 ミサイルで衛星破壊実験に成功 日米のMD開発にくさび

■拓殖大国際開発学部・茅原郁生教授

 中国が行った衛星破壊実験は、同国の宇宙戦略が大きな一歩を踏み出したことを意味する。日本にとっては、正常な情報収集が妨害されるという脅威に直面し、安全保障上の由々しき問題だ。

 日本は今、米国と一緒にミサイル防衛システムを開発している。宇宙に偵察衛星を十重二十重に並べて、敵からのミサイル攻撃をいち早く察知し、そのミサイルの軌道を正しく予測する能力が必要とされる。しかし、事前に偵察衛星が打ち落とされるようなことがあれば、ミサイル防衛システムそのものが成り立たない。

 宇宙利用については、国連で採択された宇宙条約がある。その第4条では、宇宙空間の平和利用を規定し、軍事的な実験を禁止している。中国は今回の実験によって手に入れた技術をいつでも軍事転用できるため、宇宙条約に違反する可能性がある。核を持つ責任ある大国にふさわしい行為といえない。

 地球からみて静止状態にある気象衛星を撃ち落とす攻撃能力は、ミサイル技術的にはそれほど先端的なものといえない。今回の実験成功は、宇宙における米国圧倒的優位の軍事バランスを崩すものではない。しかし、「宇宙を制するものは将来戦を制する」とする中国は、今後も「宇宙大国」に向けて、次々と新しい実験を行い、米国に挑戦し続けるだろう。(談)


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