タイとラオスをつなぐ橋
メコン川のタイ・ムクダハンとラオス・サワンナケートの間に架かる第2メコン国際橋(第2友好橋)が完成し、20日午前、現地で開通式が行われた。同橋の開通によってインドシナ半島を横断する東西経済回廊が全線でつながり、将来の物流の動脈として期待がかかる。
開通式にはタイのスラユット暫定首相とラオスのブアソーン首相、ベトナムのグエン・タン・ズン首相ら約1,200人が出席。午前10時半ごろ、タイのシリントン王女とラオスのブンニャン副大統領が橋の中央部で、記念碑を除幕するボタンを押し開通を祝った。日本からも浅野勝人外務副大臣をはじめ、バンコクとハノイの商工会議所関係者ら約150人が参加した。
■円借款で建設
第2友好橋はメインブリッジ1,600メートル、アプローチ部分を含めると2,700メートルで、橋上2カ所の支柱はタイとラオスの習慣であるワイ(合掌)をかたどったデザインだ。
総工費は約81億円で、国際協力銀行(JBIC)による100%の円借款だ。2003年12月に三井住友建設などのジョイントベンチャー(JV)が工事を開始、今月上旬に完成した。タイは左側通行、ラオスは右側通行のため、タイ側に通行帯をX状に交差させて入れ替える「トラフィック・チェンジオーバー」を設けている。
■通行は来月以降に
タイとラオスの間の通関手続きに関する調整や、ラオス側での出入国事務のための機材搬入が済んでいないため、一般車両が通行できるようになるのは来年1月以降となる。また、夜間は通行止めになる。
同橋の建設工事では、昨年7月に建設機械の崩落によって日本人3人を含む9人が死亡、1人が行方不明になる事故もあった。
■産業道路機能、これから
東西経済回廊は、ベトナム中部最大の港湾都市ダナンから、古都フエ、ラオバオ、ラオス・サワンナケート、タイ・ムクダハン、コンケン、ピサヌロークなどを経由し、ミャンマー・モーラミャインまでを結ぶ全長1,450キロの産業道路だ。
第2友好橋経由で東西回廊を利用すれば、バンコクからハノイまでは1,500キロ、輸送日数も通関を含めて3日となり、ラオス・ビエンチャンの第一友好橋経由のルートより1日短くなる。しかし現状では、輸送日数は約2週間かかるものの船便の方がコストが大幅に安く、東西回廊を直ちに物流ルートとして使おうという企業はほとんどみられないようだ。
第2友好橋は当面、ムクダハンに買い物に来るラオス住民らの利用や、ラオスコーヒーの産地ボロベン高原、ベトナムのフエに向かう観光客の利用などが進むとみられる。橋の開通を契機に東西回廊沿線都市の開発や企業投資が進めば、産業道路として機能する道筋も見えてくる。
なお、タイは東西回廊のラオス、ミャンマーとの国境地域をそれぞれ「国境経済圏」と位置付け、縫製などの労働集約型産業の誘致などによって発展を図る考えだ。
最終更新:12月21日8時1分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061221-00000004-nna-int
支柱がワイ(合掌)をかたどったデザインだというが、どんな形の橋なのかな。
タイとラオスは、少しは日本に感謝してくれるのだろうか?今のところ、
利用してくれそうなのは、観光客だけらしい。