変異型クロイツフェルトヤコブ病は輸血によって効率よく感染する。
12月9日のLacnet誌に、輸血によって変異型クロイツフェルトヤコブ病
(vCJD)を発現した患者の臨床転帰が報告されています。
▽変異型クロイツフェルトヤコブ病は輸血を介して効率よく感染する
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16761
この症例は、後にvCJDを発現したドナーから輸血を受けた後に5年以上
生存した23人のグループにおける3例目のvCJDとなっています。
既に3例がvCJDを発病していることからも、vCJDは輸血を介して効率よく
感染していくことが示唆されました。
さて、
vCJDと同様に、アルツハイマー病においても高度に組織化したタンパク質
凝集体が認められます。
vCJDはプリオンの凝集によって引き起こされ、アルツハイマー病はAβペプ
チドの凝集によって引き起こされると考えられています。
プリオンも感染するならAβも感染性を有する危険はないのか?
実はこの質問の回答は「YES」のようで、最近発表された研究において、プリ
オンアミロイドと同様にAβアミロイドも感染性を有することが示唆されてい
ます。
▽アルツハイマー病も感染する?
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16817
この結果から、プリオン病に限らず、アミロイド病全般に関してヒトからヒト
への感染の可能性を基礎、臨床、疫学調査などで調べていく必要があると
示唆されました。(終)
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■ 12月9日のLancet誌の注目記事
◇変異型クロイツフェルトヤコブ病は輸血を介して効率よく感染する
輸血で変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)は伝染しうるという懸念が
高まっています。最近の医学誌に、英国で3例目となる輸血関連vCJDの
詳細が報告されました。
この症例は、vCJD感染血液を受け取ったその他の患者もvCJDを発現する
危険を有していることを浮き彫りにするとともに、輸血がvCJDの効
果的な感染ルートであることを示唆しています。
この3例目の症例はキナクリン(quinacrine)による実験的な治療を受けまし
たが、症状が悪化してvCJDの典型的な臨床経過をたどって死亡しました。
剖検の結果、vCJDの診断が確認され、へんとう腺にプリオン感染が認めら
れました。
今回の症例は、後にvCJDを発現したドナーから輸血を受けた後に5年以上
生存した輸血レシピエント23人で構成されるグループにおける3例目の
vCJDとなっています。
これら3例以外の輸血レシピエントのvCJDのリスクは高いと想定され、
専門家による追跡調査が提供されるべきと考えられました。
へんとう腺の生検により、症状発現前の初期に他の高リスク者のvCJD
診断が可能になると想定されました。
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16761
輸血って恐いと思いました。