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  中国の株式市場、五年半ぶりの「V」字型回復は本物か?
   “カジノ”から“新カジノ”市場へ至るか、インサイダー取引の巣窟が

再現か


 昨年秋からである。中国株の異常現象の発生は。

 当初、株式を買う人は「株式とはいったい何か」を問われても誰もまともに

答えられなかった。ともかく株券を手に入れよう、と、初日には50万人が

深せん証券取引所を囲んだ。

 カジノ市場という命名がふさわしいほどだった。
 証券会社のカウンターで、「この銘柄の一株あたりの資産倍率は?」と訪

ねても証券マンが答えられなかった。
 やがて国有企業の株公開が、出鱈目な情報に基づくインサイダー取引が

実態とわかるや、多くの投資家は手をひいた。
 みごとに引き潮の如く株価は暴落した。
 証券会社もあいついで倒産した。投資家の悲劇もあちこちで聞かれた。

昨年秋までのことである。

 株が低迷して五年間、投資家らは、不動産と商品(金、プラチナ、建材など)

への投資、というより投機に向かった。
 石油価格が暴騰したのは、この中国の商品市況の動きと相関関係にある。

 中国人も、もともと博打好だから、あっというまに

ニッケル、マンガン、鉄鉱石までが80%、90%と上昇し、ついにはミネソタの

山奥の鉄鉱石現場まで中国人によって買い占められ、つぎに石油関連企業

などに投機のカネが向かった。

 昨年から、中国経済の成長神話に立脚しての株式公開がブームとなって、

中国建設銀行が十月に上場、ことし六月に中国銀行、さらに九月には中国

工商銀行が、いずれも香港で上場を果たし、合計五兆円を掻き集めた。
 とくに中国工商銀行は世界経済史において、空前の216億ドルをあつめた。
空前の中国株ブームがこうして人為的につくられてきた。

 その余塵が上海と深せんの株式市場へ流入した。
これが第一のV字型回復の原因だ。
 第二は中国国内の不動産への投機ブームに先行きが見えてきて、明るい

はずの展望に陰がさしたこと。
それにより投機資金は、いったん株式へリゾートを求めたのだ。
第三は比較低利の中国の金利、第四に人民元切り上げの予兆である。

 昨日(12月14日)、日本では赤穂浪士討ち入りの日だが、上海の平均株

価がつけた2249・11ポイントは、2001年以来である。
底値は05年六月の998・23だった。
 「昔の市場はまさしく“カジノ”だった。いまの上海、深せん株式市場は、

“明らかな規則がついたカジノ“だ」(ヘラルドトリビューン、12月15日へ寄せ

た或る専門家の分析)。

 ともかくカネ余りの中国には流動性があり、まだまだ株式

へ雪崩れ込むだろう。
 危険である。

  新華社でさえ、これを危機的状況と判断し、「市場にまん延している楽観

ムードを戒める異例の記事を6日に配信した。特に「上場企業全体の業績や

収益力が根本的に改善したわけではない」と指摘、投資家に冷静な行動を

呼びかけた」(日経新聞、12月15日)。
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(読者の声2) “郵政民営化”に反対して自民党を離党した無所属議員の

復党問題が決着したが、自民党の基本方針の新理念では「わが党は、

すべての人々の人格の尊厳と基本的人権を尊重する、真の自由主義・民主

主義の政党である」と謳っている。
それならば、党内に「郵政民営化の反対」の意見があっても良いのではな

だろうか。
ここで、郵政民営化についての経過と国益について考察してみた。

1.郵貯、簡保の経営実態は“最悪”
 郵便貯金業務と簡易保険業務は国民の金融資産の1/4を占める巨大

資産であるが、 バランスシート(平成17年3月末)をみるとビックリする。
 <郵貯>資産合計:265兆円(内、国債:113兆円)、資本合計:5.2兆

       円、自己 資本率:1.99%
 <簡保>資産合計:121兆円(内、国債:58兆円)、資本合計:1.4兆円、

       自己資本率:1.15%
 BIS規制では、国際業務を営む銀行に対して自己資本比率が8%(国内

業務の場合は4%)以上の維持を義務付けている。
 郵貯、簡保とも資産内容、自己資本率からみても、とても民間のメガ

バンクの競争相手になる存在ではなく民営化の前に「正常化が先決」で

あることがわかる。
 小泉前首相は「民にできることは民にやらせろ」というのであれば、

郵貯:211兆円の預金元は地方に重点をおいて、地方銀行の親玉程度の

「30兆円位に縮小」すべきであるし、簡保:119兆円も「15兆円位に縮小」す

るか、廃止すべきである。
 このまま2017年の完全民営化では、ウォール街が言う

「小泉の郵政民営化で350兆円の

郵貯・簡保の金をウォール街に流して

くれる」ということになる。
2.郵政民営化のスケジュール
(1)2007年4月に窓口ネットワーク、郵便、郵便貯金、郵便保険(簡易

  保険)の4事業別に分社化し、それらを統括する持ち株会社を設置する。
(2)移行期間を経て、2017年3月末までに郵貯会社と郵便保険会社の

  「民有民営」を実現する。
3.米国からの要求に従った郵政民営化
 1993年、宮沢・クリントン日米首脳会談で合意以降、米国政府から日本

 政府に対し、毎年『年次改革要望書』という公式文書が提示され、日本の

 内政課題に干渉してきた。
 1995年の『要望書』には、「郵政省のような政府機関が、民間保険会社と

 直接競合する保険業務に携わることを禁止する」と明記されている。

4.郵政民営化の干渉(指導)の概要
 米国政府の要望書は、「郵政公社の三事業一体を解体し、簡保・郵貯の

 金融事業を郵便事業から完全に切り離す。そして金融事業については

 政府保証を撤廃させ、政府保有株をすべて市場で売却、完全民営化させ

 る」となっている。

5.民営化の失敗
 道路公団民営化は、その後、道路族議員の金権腐敗、利権漁りによって、

 これからも無制限に道路が建設されるようにレールが敷かれた。
 今回の郵政民営化は株主構成からみて、政府の強い影響下にあり、従来

 同様、国債の購入を通して政府の財政赤字を裏で支えることによって更に

 財政赤字が拡大することが確実になったと思われる。
 小泉元首相は“民営化”の一言で乗り切ったが、国民は「道路公団民営化」

 も「郵政民営化」にも騙されたわけだ。

6.米国のワナ
 不良債権処理に公的資金を注入したにも関わらず、旧日本長期信用銀行

 (新生銀行)は、経営破綻し、米国の投資・ファンド(リップス・ホールディン

 グ社)に乗っ取られ、旧日本債券信用銀行(あおぞら銀行)も、筆頭株主は

 米国の投資ファンド(サーベラス(社)となって、外資に乗っ取られている。
 この郵政民営化は小泉元首相が米国政府の指図に従って、日本金融資

 産を米国貢ぐ道だったのである。
その証拠に『ウォールストリート・ジャーナル』2005年8月8日号の記事で、

「郵政民営化法案は廃案となったが、

これは手取りの時期が少し延びたに

過ぎない。ほんの少し待てば、われわ

れは3兆ドルを手に入れることができ

る」との見方を述べている。
 日本は米国債を79兆円も買いこんできたが、米国債発行残高の海外

保有残高2兆!)のうちの4割を日本が占めており、

日本が買ったはずの米国債は、ニューヨーク連邦準備

銀行で管理されて米国の意志のもと

におかれ塩漬けとなっている。
 また日本国内の投資環境を整備すべく、小泉元首相は構造改革をすすめ

てきた結果、外国人が東証上場株全体の26.7%(2005年、時価総額

ベース)も買い進んでいる。
 日本という国家は、自らの国益を考えずに、外資に都合の良いシステムと

なるよう「改革」させられて「日本は外国へ貢ぐ属国に変身させられている」

ということだ。
   (TK生、愛知)


(宮崎正弘のコメント)いわゆる“みつぐクン”の真骨頂ですか。郵政議員が

復党して、その条件として「誓約書」云々という強引な手法は中川幹事長

の責任ですが、これで安倍さんの人気が一気に下降した。
「存在感の薄い首相」というイメージになりました。
 逆に男を上げたひとが一人います。平沼赳夫。


   ♪
(読者の声3)小生のいまの情報源といいますか お気に入りはこの配信が一番でその次がVOA、ラジオネーザーランド(インデペンデント・ボイス・インデペンデントオピニオンという標榜であります。) 
そしてBBCなどであります。
ガソリン価格が下落してほっとしてるのですが、はたと思い当たったのですが、いまやアメリカもイギリスも中国も石油輸入国ではありませんか。
となると、例えば車でいったらガソリン1リットルで20キロ以上はしるハイブリッドは日本の専売特許状態であります。信頼性もぴか一です
アメリカだと、かなり下層階級であってもセントラルヒーティング完備が常識でこれは 24時間ぶっとおしで一定の室温を維持するものでありまして、途中で散歩や買い物に出かけてもオンのままだそうであります。
一方、日本人といえば石油ファン・ヒーターをちまちまとつけたり消したりしてる 生来の倹約家であります。
石油があがっても一番最後に困る国は日本ではないでしょうか?
原子炉の開発も各国で頓挫してる間も日本は粛々と進めていまして、商業的にも三菱と日立でしたか なかなかしぶとくやっているようです。夢の原子炉といわれる高速増殖炉に実証運転に一番近いのも日本であります。
それに中東の産油国も石油しかないわけで、儲かってもまた日本などから工業製品などを購入するから回転するだけで、また価格を上げればいいわけです。産油国にいろいろ石油以後の産業立地などの話をむければいいのではないでしょうか
ここまで来ますと日本はあんまり困ることはないと言えないでしょうか、北方領土も帰ってきて欲しいですが、ただ戻るだけだと過疎地でありますので水産業くらいしか潤わないのではないでしょうか。
 大多数の日本人は帰ってきても税金がまた開発投資に吸い込まれるだけです。小生も帰ってきて欲しいですが、その場合は観光地として自然をのこしたいです。
といいますか これだけ世界中がインターネットやCNNなどで世界中の国々の生活 日常などが詳細にわかるようになると黙っていてもあちらから日本になりたいと思っているのではないでしょうか?
少し楽天的すぎるかもしれませんが・・・。
   (Standard)


(宮崎正弘のコメント)「すこし」ばかりか、「かなり」楽天的なご意見でした。
      △
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「日本ナショナリズム研究所」開設、
「主権回復を目指す会」新事務所開設記念講演会のお知らせ

 演題「民族意識の喪失が日本没落の根本原因だ
    -日本の敵と徹底して戦うナショナリズムの必要性」
 今の日本人は明らかに民族意識を喪失している。つまり民族としての自己

喪失状である。そのため外国から単に利用されるだけの、国際的貢君

成り果てている。
 しかもそれに気付かない。まさに騙され切った猿である。この精神の奴隷

状況を打破するには、日本の真の敵を見定め、これと正面切って戦うことしか

ない。日本の首敵は紛れもなく、日本侵略の意志を有するシナ人である。

そしてシナ人と戦う有効な方策は、実は簡単にあるのだ。 

 講師 酒井信彦(日本ナショナリズム研究所 所長)
 日時 平成18年12月16日(土)13時受付、13時半開始
                 (懇親・忘年会15時開始)
 場所 靖国会館(偕行の間)
 会費 千円 
 懇親・忘年会費 四千円(出席の方はご連絡を下さい)
 この度、「日本ナショナリズム研究所」を開設しましたのでお知らせします。

なお同研究所の所長は、元東京大学史料編纂所教授の酒井信彦先生が

務めます。
 〒101-0065 東京都千代田区西神田1-1-2 パトリス26-502号
 電話03-5281-5502(090-2756-8794)
 Fax03-5281-5603
 メールアドレス nihon.sakai@cvber.ocn.ne.jp
 「日本ナショナリズム研究所」は対シナ・中共、朝鮮との関係で、日本の

民族運動を捉え直す問題を提起していきます。皆様方からは、さまざまな

情報の提供ならびに提言をお寄せ戴きたくお願い申し上げます。
日本ナショナリズム研究所   事務局長 西村修平
      ◎ ◎ ◎

   ♪ ♪
<宮崎正弘の中国・台湾、北朝鮮関係著作>
 『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊、発売中)
 『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店、発売中)
 『出身地でわかる中国人』(PHP新書、品薄)
 『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、同上)
 『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
 『拉致』(徳間文庫、旧題『金正日の核弾頭』を改題、文庫化。品薄)。

(宮崎正弘の三島由紀夫関連三部作)
 『三島由紀夫の現場』(並木書房。最新刊発売中!)
 『三島由紀夫“以後”』(並木書房、注文すれば入手可能)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版、絶版)
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年) 12月15日(金曜日) 
通巻第1648号    
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/

ニッケルが値上がりしたのは、チャイニーズのせいだったのか。

あかげで、ニッケルを使うステンレスまで値上がりしちゃってるではないか。

困ったギャンブラー達だなあ。