会社の中で感じる季節 | 日本のお姉さん

会社の中で感じる季節

毎年、12月の半ばになると、わたしの会社では人事異動と席替えがある。


支店の人が本社に来たり、その逆も起こる。窓際の席の人が空いた机に移動


したりする。移動する人が、机の中のゴミや不要になった書類を捨てだす。


すると、それにつられたかのように、何も移動が無い人まで、机の中のゴミを


捨てだす。ビジネス雑誌のおまけのCDなどもバンバン捨てている。


中にはマンガや週刊誌を机の中から出してきて捨てている人もいる。


そんな時、ああ、一年が終わったなと感じる。


大掃除の日がもうすぐやってくる。その時は、机もイスも全部移動させて、


床を洗剤を使って磨き、泡をふき取った後にさらに乾いた雑巾で床を拭く。


その後ワックスをかける。大変な作業だが、みんなまじめに良く働く。


男性陣は家でも大掃除を手伝うのだろうか。毎年、掃除のグループが決め


られて、発表されるが、掃除を怠ける人はほぼ決まっていて、わざと営業の


仕事を作って外に出かけたり、のらりくらりとあちこち動き回って、ちっとも


掃除をしない人もいる。そういう人が多いグループに当たるとちょっと迷惑だ。


女子は、更衣室や台所や洗面所や床みがきを掃除することになっている。


外国の会社だったら、掃除担当の人を別に雇っているようだが、ここは日本


だ。全部、従業員がしないといけない。


わたしの机の周りでも人事異動があったので、配置換えのために机を


動かした。


机の下から大量のほこリやら、クリップやらポストイットやらが出てきた。


「たまに机も移動させないと、ほこりで火事になるの、分かるなあ。」と上司が


言っていた。


わたしの会社の机の中は、会社勤めの女子をねらったカタログショッピング


の雑誌でいっぱいになっている。一度頼めば、色違いや柄違いの物が毎月


会社に送られてくる。


姪っ子が小さかった時は、カタログで、かわいい物を結構買ったが、最近では


姪っ子も大きくなったので、今は自分のタオル地の枕カバーしか頼んでいな


い。枕には、いつもタオルを巻いていたが、どうも格好がよくない。


でも、いつも夜は風呂あがりで髪が濡れたまま寝ているので、タオルじゃない


と困るのだ。低反発の素材でできた枕を買ったので、腹巻みたいな筒状の


伸びるタオル地の枕カバーをカタログショッピングで頼んで、それを着せ替え


人形の服のように枕に着せている。


でも、どちらかというと猫の方が枕カバーを気に入っていて、枕は猫に占領


されている。最近、その枕カバーは、腹巻にすると気持ちがいいし、お風呂


上りの髪に帽子のようにかぶると髪が早く乾くということに気がつき、


重宝している。


会社の机の移動が終わり、わたしもいらない物を捨てた。気が付けば自分の


パソコンのコンセントが外されている。


会社に届いたお歳暮のインスタントコーヒーやクッキーのおすそわけが、わた


しのいるフロアーにも、まわってくる。今日は、上司に北海道の新じゃがが


何箱も届いた。上司は「欲しい人、おいで~。」と言って、同じフロアーの人に


分けてくれた。わたしは分けてもらった新じゃがを、近所のお好み焼き屋さん


のおばちゃんにプレゼントした。


おばちゃんは、お昼ごはんにわたしだけ、前の晩の定食であまったおかず


をおまけしてくれるのだ。「あ~ら、ありがとうね。またこれでポテトサラダ、


作るわね~。」と言って喜んでくれた。


会社の忘年会ももうすぐだ。わたしは、忘年会では食事がすんでしばらくした


ら、そっと帰ることにしている。お酒が入ってクレージーになった人々には


付き合いきれない。お酒でハイになる人って気持ちが悪い。みんなげらげら


笑っているけど、しらふのわたしには、全然おもしろくない。


どうしてあんなに笑えるのか不思議だ。


支店のA子は、すでにあちこちでいろんな忘年会に参加しているらしく、いつ


電話しても忘年会中だ。次の日に話した内容を覚えてないので困る。