おもしろいメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
中間選挙でブッシュの共和党が大敗しました。
理由は「イラク問題」。
しかし、ブッシュの外交政策を振り返ってみると問題だらけ。
中東でもロシア・旧ソ連でもまけまくっているのです。
▼ポールソンさんの役割
今年7月に財務長官になったポールソンさん。
ゴールドマンサックスの会長さんでした。
そういえば、クリントン時代の大好況を作り出したルービンさんもここ出身。
共和党は負けましたが、ポールソンさんになってからアメリカの株価は上がっ
ていきました。
9月28日には、ダウが1万1724.86ドルをつけ、2000年1月14日以来の史上
最高値をつけています。
同時期の株価を見ると、日本もロシアもパッとしません。
彼はこれからどういう役割を担うのか?
第1に、アメリカに世界中の資金を集めることで、経済をソフトランディングさせ
る。
第2に、世界の資金がアメリカに集中すると、中国バブルが予定より早くは
じけるので、これを防ぐ。
アメリカはなんやかんやいっても、まず中東問題を優先させなければならない。
今中国のバブルがはじけると、この国の賃金は欧米の20分の1ですから、数
年の減速で立ち直ってしまいます。
当然、中国民主化→ドル圏にとどめるという、アメリカの野望は挫折するでし
ょう。
難しいですね~。
アメリカと中国、両方を支える。
しかし、方法があります。
そう、天領の日本にやらせればいいじゃあないですか?(^▽^)
安倍さんになって、日中関係は劇的に改善されていますが。。。
というわけで、ポールソンさんの役割。
1、世界中の資金をアメリカに集めることで、米国経済をソフトランディングさせる
2、日本の資金を中国に誘導することで、バブル崩壊を先延ばしする
皆さんわかりますね?
アメリカが「中国に行け!」と命令しても、今行ってはいけないということです。
政治家さん・議員さんは、アメリカにバレナイよう、日本企業にこっそり(^▽^)
教えてあげましょう。
「これから日中関係が改善し、政府も企業の中国投資を勧めるけど、あれは
アメリカの命令だから」
「日本は天領でアメリカに逆らえないけど、実をいうと、今中国にでるとババ
ひかされるんだよ。踊らされないようにしなよ!」(^▽^)
▼ゲーツさんの役割
ラムズフェルドさんが解任され、ゲーツさんが国防長官に就任しました。
経歴をちょっと見てみることにしましょう。
ジョージタウン大学院を卒業。
専攻はロシア・ソ連史。
1966年からCIA(^▽^)に勤務。
専門はソ連分析。
レーガン時代、CIA副長官。
ブッシュパパの時代、CIA長官として、ソ連崩壊を目撃。
要するに、骨の髄までスパイということです。(^▽^)(^▽^)(^▽^)
ブッシュはレーガン時代・ブッシュパパ時代の彼の活躍を見て任命したのでし
ょう。
であるならば、レーガン時代・ブッシュパパ時代を振り返れば、ゲーツさんの
使命がわかります。
レーガンははじめ、「ソ連は悪の帝国だ」といい、対決姿勢を鮮明にしました。
しかし、80年代の半ばにゴルバチョフが登場。
レーガンも対話路線に転換します。
米ソが一つになって世界から紛争をなくす方向へ向かったのです。
ブッシュパパの時代には、
89年、ベルリンの壁崩壊
90年、ドイツ統一
91年、ソ連崩壊
等々、歴史的な事件が山のように起こりました。
おわかりでしょうか?
米ソは、表面上非常に仲良くしている。
ところが、一方でソ連に都合の悪いことが洪水のように起こってくる。
これはどうしたことなのでしょう。
信じていただかなくてもいいのですが、私は90年代の半ば、冷戦末期に東欧
工作を担当した元C○Aの人から直接話を聞いたことがあります。
皆さん、「ベルリンの壁は自由を求める民衆によって破壊された」なんて思っ
ていませんか?
そうではないのです。
バラ・オレンジ・チューリップ革命と同じことが起こっていた。
ゲーツさんは当時、CIA副長官・長官ですから、東欧民主化・ドイツ統一・ソ連
崩壊の工作に大きく貢献したに違いありません。
つまり、ブッシュとゴルビーが握手している間に、着々と東欧崩壊工作が実施
されていた。
ゲーツさんは情報工作のプロだそうです。
「情報工作は暗いプリズム越しに世界を見ること」(ロバート・ゲーツ)
ところで情報工作ってなんでしょう?
ホントのことをホントというのは、情報工作ではないですね?
ウソのことをウソというのも、情報工作ではないですね?
ホントのことをウソというのは情報工作ですね。(^▽^)
ウソのことをホントというのは情報工作ですね。(^▽^)
要するに情報工作とは、「うまいことウソをつく」(^▽^)ということでしょう。
「北朝鮮は核兵器を保有している!」というのは、ホントのことをホントといっ
ているので、情報工作ではありません。
「フセインは大量破壊兵器を保有している!」
これは、ウソのことを100万回繰り返してホントだと思わせたので、情報工作
ですね。
しかし、ネオコンはここがどうも弱いのです。
要するにすぐバレルウソをつく。
ルーズベルトのように、60年経ってもバレナイウソをつく必要があります。(^▽^)
ちなみに、アメリカを信じたゴルビーはドタンバで捨てられ、アメリカはエリツ
ィンに乗り換えます。
これもアメリカを信じたエリツィンは、アメリカの言うとおりの改革をし、ロシア
のGDPを43%も減少(91~98年)させてしまいました。
すばらしい。(^▽^)
ブッシュパパの見事な勝利といえるでしょう。
それに比べると息子のやり方の稚拙なこと。。。
キッシンジャーさん・ベーカーさん・ゲーツさん等、冷戦の勇士が、なんで老
骨にムチうって再登場してくるのか?
「ブッシュ息子に任せておいたら、俺らのたくわえはハイパーインフレで、なく
なっちゃうよっ」
ということなのでは?
ゲーツさんの役割は、冷戦末期のように「仲良くしながら、アメリカに都合の
いい状況を作り出すこと」となるでしょう。
アメリカは今、三つの重要な問題を抱えています。
一つは言うまでもなく、イラク。
二つ目は、石油をユーロで売ろうとしているイラン。(表面上は核問題)
三つ目は、石油をルーブルで売り始めたロシア。
ゲーツさんは、この三つの問題を解決しなければならない。
彼は、ブッシュパパの親友。
11月5日に、ブッシュの牧場に遊びにいき、テロ対策を長々と披露したそうです。
テロ対策といっても、国防長官ですから、イラクやイランの話をしたに違いありま
せん。
ゲーツさんの頭の中には、イラクの混乱を収拾する方策があるのですね。
イランについては、ネオコンのような稚拙なやり方ではなく、もっとうまい方法で
追い詰めていくのだと思います。
つまり世界中が「イランて最悪!」いう状況を作る。
想像ですが、イランにイスラエルを攻撃させるよう誘導するとか。
そういえば、ブッシュパパの「湾岸戦争」は、世論つくりがパーフェクトでした。
ゲーツさんもからんでいたに違いありません。
もう一つ、専門がロシア、しかもずっとスパイ。
これは、骨の髄までKGBのプーチン大統領・フラトコフ首相・イワノフ国防相対
策なのでしょう。
ゲーツさんの役割は、イラクの混乱を収拾し、イランを(皆に気づかれないよう)
絶対悪にし、ロシアにKGBではなくCIAの傀儡政権を作ることとなります。
このほかに、ライスさん、元国務長官のキッシンジャーさん、ベーカーさんなど
が叡智を結集。
アメリカ幕府覇権維持のために、最後の聖戦に挑みます。
(おわり)
●『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本の選択
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「アメリカがこれからも戦争を続けるわけ」「ドル対ユーロの勝者は?」
「米中台が戦争の準備をしているこれだけの事実」「日本が火の海になる
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モスクワより
RPEジャーナル
北野幸伯
発行者 北野 幸伯
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「これから日中関係が改善し、政府も企業の中国投資を勧めるけど、あれは
アメリカの命令だから」
「日本は天領でアメリカに逆らえないけど、実をいうと、今中国にでるとババ
ひかされるんだよ。踊らされないようにしなよ!」(^▽^)
、、、、という部分がおもしろかった!