マグロは回転寿司で食べよう! | 日本のお姉さん

マグロは回転寿司で食べよう!

マグロ高騰 狂騒曲の現場

 水産庁がドキッとする見通しを出した。12月までの刺し身向けマグロ(クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ)の卸売価格が、前年同期比で最大2割高になるというのだ。この時期の前年を上回る値動きは3年ぶり。ただでさえ年末に向けて値上がりするのに、これじゃマグロが食べられない!消費者の財布も痛いが、売り手も頭を悩ませている。

●スーパー

「従来にはない動きなので、商品部も値動きを注視しているところです」(大手スーパー関係者)

 イトーヨーカ堂では、昨年100グラム200円台後半で販売していたメバチマグロが、今年に入って300円台後半に値上がりしたという。

「仕入れ値が3割高でも、そっくり価格転嫁はできません。物流効率化やコスト削減に励んでいます。食品の場合は、小が大を兼ねる場合がある。主流だった5点盛りを1、2点盛りにシフトし、お求めやすい売り方を工夫しています」(イトーヨーカ堂関係者)

 マグロ1点の場合は、「重量を減らして売値を上げない」(中堅スーパー)という工夫も。

●外食

 本マグロの解体ショーで知られる回転寿司「まぐろ人」はどうか。

「うちは本マグロを河岸で仕入れています。業者と掛け合いするなど企業努力を重ねていますので、店頭価格は現状維持でいきます」(広報担当者)

 一方、2歩も3歩も先を行くのが都内でチェーン展開する寿司店。独自ルートで北大西洋沿岸から直接仕入れ、マグロ高騰の影響はまったく受けていないという。

「商社を通すより安く提供できるので、値上げの話は出ていません。お客さまの中には、スーパーで買うと高いからと、マグロをたくさん注文する方もいますよ」(関係者)と余裕すら漂う。

●仲卸業者

「テレビで“マグロが食べられなくなる”とよく流していますが、今回の高騰は、売り渋りによるものです」と内幕を明かすのは築地の仲卸業者。

「スーパーなどの小売りに冷凍モノを売りさばく商社は、需給悪化のニュースが出るとすぐ売り渋りに走る。大半の小売業者は競りを見ないので、実態がつかめていないんです。生モノは株と一緒で相場で決まる。売り物が増えれば安くなるし、少なければ高くなる。高騰による買い控えが広がると値が下がるサイクルは昭和30年代から変わりません」

 世界的議論に発展しているマグロの漁獲制限の影響が出るのは来年以降。その前に商社の術中にまんまとハマっているということか。

【2006年11月22日掲載】


2006年11月25日

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2767789/detail?rd