イスラエルからのニュース
2006年11月15日(水)
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*近日中にガザで大規模な軍事作戦を行う必要があると、シンベトのデ
ィスキン長官が国会の外交防衛委員会で証言。ファタハの弱体化で「
ガザには赤信号が点灯している」と長官は語った。(P,H,Y,I)
*実務官僚による自治政府の新連立政権はイスラエルの存在を認めない
と、ハマスの広報官が明言。ファタハ幹部は「シリアのハマス指導部
が連立政権の発足を妨害している」と懸念を表明した。(H,Y)
*スデロット付近のキブツに
カッサムロケット砲が着弾。工場が破壊さ
れたが、負傷者は無かった。(Y,I)
*スデロットの学校教室をカッサムロケット砲に耐えられる構造にする
ことを求める父兄会の訴訟を受け、政府は「危険性は認めるが全教室
を防護するのは不可能」との答弁書を最高裁に提出。(H)
*ヒズボラの戦闘員がレバノンの
国境地帯に戻っていると、国防軍が報
告。私服で国防軍の偵察や情報収集を行っているもよう。(P)
*国民の71%が、国防軍のハルツ参謀長の辞任を希望。(Y)
*エジプトとガザの間にあるラファ検問所について、イスラエル、パレ
スチナ、エジプト、米国、EUの担当者がエルサレムで協議。(P)
*国防軍幹部が、イスラエルは大地震の備えが出来ていないと警告。イ
スラエルはこの100年間、大きな地震が起きていない。(P)
*クムラン遺跡周辺の調査で、クムラン文書が共同体の作だとの証明。
40歳まで生きる人が1割以下という短命の原因は、特殊な排便と沐
浴の風習で広がった病気だとの有力な証拠も発見された。(P)
2006年11月16日(木)
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*カッサム砲がスデロット市に着弾し、
女性1人が死亡、2人が負傷した。
ハマスとイスラム聖戦がそれぞれ犯行声明。国際赤十字は、パレ
スチナの砲撃は国際法違反だとする非難声明を出した。(P,H,Y,I)
*止まらないカッサム砲撃で死者が出る事態を受け、国防軍は大規模な
ガザ侵攻作戦を行うことを検討中。訪米中のオルマート首相も、ガザ
に対する攻撃の手は緩めないと語った。(P,H,Y)
*「自治政府の新首相はシャビル氏と決まったわけではない」とアッバ
ス議長。連立政権交渉はまだ楽観できる状況ではない。(P)
*ソマリアのイスラム勢力700人が
レバノン戦争に参加していたと国連の
内部報告。両勢力は関係を深めているもよう。(H,P)
*昨日から始まったアルジャジーラ英語放送は、イスラエルで12月末
から放送へ。アラビア語放送は以前から放送されている。(P)
*ラモン元法相のセクハラ裁判で、警察の強引な捜査の実態が判明。法
相の2秒のキスより、警察の捜査が悪質だとの意見も。(P,H)
*警察がカツァブ大統領からセクハラ容疑に関して6回目の事情聴取。
警察関係者によれば、捜査はほぼ終了したもよう。(H,P)
*レバノン戦争での失敗の責任を取って国防軍のハルツ参謀長が辞任す
るとの報道が流れたが、参謀長は否定。(H,Y)
*レバノン国境をまたぐガジャル村で、北側の住民を移住させて国境を
塞ぐことを国防軍が検討中。村民の反対で村が分割できないため、村
はテロ組織の侵入や麻薬取引の拠点となっていた。(P)
2006年11月17日(金)
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*スペインがフランスとイタリアに呼び
かけ、新しい中東和平案を準備中。
イスラエルは警戒感を表明、
自治政府は「国際社会の和平に向け た動きは何でも歓迎する」との
コメントを出した。(P,H,Y.I)
*砲撃に苦しむスデロット市の住民に、富豪のゲイダマク氏がエイラー
トへの1週間の旅行をプレゼント。しかし政府は、砲撃対策は政府主
導で組織的に行うべきだとして懸念を表明した。(P,H,Y)
*スデロット市住民の一部がエイラートへ去ったとの報道を受け、ガザ
のPRC広報官が「誇りに思う」と砲撃の効果を誇示。(Y)
*国防軍が大規模なガザ侵攻作戦を目指す中、多くのハマス幹部は停戦
を希望。しかし、イランなどの意を受けた
ハマス内の過激派は、連立政権の
成立を妨害するため砲撃を続けると
見られている。(P)
*2000年の反政府暴動で死亡したアラブ系市民の家族が、政府と補
償金の額で合意。示談となったため、補償額は不明。(H,Y)
*液体爆薬を使用し、金属探知機で検出できない自爆ベルトで自爆を試
みたテロリストを国防軍が拘束。西岸地区では非金属自爆ベルトの製
造が組織的に進められていることが判明した。(P,H,Y)
*レバノン戦争中に誤って国連軍基地を攻撃し、4人が死亡した事件に
ついて国防軍が原因調査。土地勘の無い部隊が配属され、国連軍基地
をヒズボラ基地と誤記した地図を渡されたのが原因だという。(P)
*イランは今年初めから今までに
1億2千万ドルをハマスの政権に支援
したと、ハマスのザハル外相が
語った。(H,Y)
2006年11月19日(日)
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*国連本会議でイスラエルのガザでの誤砲撃を非難する決議。EUの圧
力でイスラエル非難色は薄められた。国連は調査団をガザに送ること
になったが、イスラエルは協力を拒否する構え。(H,Y,P)
*自治政府のアッバス議長、ハニエ首相、次期首相と見られているシャ
ビル氏が顔合わせ。しかし、新政権における両派の権限配分などにつ
いては意見の違いが大きく、まだ調整が続いている。(Y)
*ハマス幹部が国防軍の攻撃を避けるため支持者を家の周りに配備し、
現場をTV中継。国防軍は攻撃を中止した。民間人の被害を避けるた
めに国防軍が事前に行う退避勧告が逆用された形となった。(Y,P)
*国防軍がガザ北部でカッサムロケット砲を止めるため小規模な作戦中。
2人のパレスチナ人が戦闘で死亡した。(Y)
*チュニジアのファタハ指導者カドウミが「ファタハはハマスを困らせ
るために資金を隠している」と発言。事実無根だと自治政府は反発し
た。ファタハ内部で亀裂が深まっている兆候と見られている。(P)
*カッサムロケット砲撃を止めるため、オルマート首相がハマス政治家
や議員の暗殺を命じたと英紙が報道。(Y,P)
*11月4日にナブラス近郊の国防軍検問所で撃たれたアルジェリア人
は、国防軍の検問に抗議したため撃たれたと人権団体ベツェレムが告
発。国防軍は事実関係の調査を行っている。(H)
*北部の学校に対する復興支援がユダヤ人とアラブ人の間で不公平に配
分され、格差を拡大しているとアラブ人地区の指導者が苦情。(H)
2006年11月20日(月)
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*私費でスデロット市の住民数百人をエイラートに招待した富豪ゲイダ
ーマン氏をオルマート首相が批判。「我々は戦争でも家から逃げたこ
とは無かった」として、市民の招待は不適切だと語った。(H,Y)
*国防軍がガザでハマス戦闘員の乗った車を攻撃し、付近にいた75歳
の老人が死亡、他に9人が負傷した。標的だったロケット砲発射に関
わったメンバーの殺害には失敗した。(H,Y,P)
*国防軍の部隊がハルツ参謀長の命令に反してレバノン戦争でクラスタ
ー爆弾を使用していたことが判明。ハルツ参謀長は、人口密集地での
使用を控える命令を出していた。(H,Y,P)
*自治政府の連立政権は近く成立するが、国防軍兵士の釈放には長期間
かかるとの予測を、シンベトのディスキン長官が閣議で報告。(Y)
*パレスチナ武装勢力は「人間の盾」作戦での勝利を宣言。しかし国防
軍は、電話による攻撃予告を続ける構え。もし人間の盾作戦が続くな
ら、地上侵攻して破壊すると国防軍は警告している。(P)
*レバノンのヒズボラ指導者ナスララが、大規模な反政府デモを支援者
に呼びかけ。シニオラ政権とヒズボラの対立が激化しており、最悪の
場合は内戦になる懸念もある。(H,Y)
*ペレツ国防相がガザから9キロ以内の民家を防弾仕様に補強する考え
を表明。しかし国防軍幹部は、同じ経費でミサイル防衛システムを開
発した方が効率的だとの考えを示した。(Y)
*移民者の子供の4割は週に1回以上授業を欠席との調査結果。学校が
面白くないとの意見も多く、不登校の原因になっている。(P)
2006年11月21日(火)
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*国防軍がガザでミサイルによりハマス幹部2人を殺害。付近にいた子
供を含む数人の民間人も負傷した。また、西岸地区のエリコでは玩具
の銃を持った子供1人が国防軍の銃撃で死亡した。(P,H,Y)
*シリアのハマス指導者マシャールが、西欧諸国は自治政府の新連立政
権を受け入れざるを得ないだろうと語った。連立政権交渉は大詰めの
段階。ハマスはイスラエル殲滅路線を
変えない構え。(H,P)
*シリアが国防軍兵士釈放を妨害し、パレスチナの連立政権交渉を妨害
していると、訪英中のリブニ外相が発言。(P,Y,H)
*昨日も多数のカッサムロケット砲が
スデロット市に着弾。(Y,H,P)
*ペレツ国防相がアッバス議長と電話で会談したところ、オルマート首
相が中止を指示。首相と国防相の対立が表面化している。(P,H,Y)
*イスラエルと米国は心理戦を仕掛けているとイランのアフマディネジ
ャド大統領が発言。核問題で西欧は譲歩すべきだと語った。(H,P)
*ガザのラファ検問所再開に向けて、イスラエルとパレスチナの代表が
カルテット(EU、国連、米、ロシア)の代表を交えて協議。(H)
*パレスチナでの世論調査で、カッサムロケット攻撃がパレスチナにと
って有害だとの意見が61%。イスラエルとの武力闘争は西岸地区内
だけにすべきだとの意見は66%に達した。(Y)
*来年からイスラエル車にパレスチナ人を同乗させることが原則禁止に。
イスラエル車を使ってテロ組織が活動を行っているため。(Y)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
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発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp