ネコの爪のような三日月の夜
ネコの爪のような三日月の夜にあなたとお別れしました。
あなたと始めて出会った夜は、満月の夜でした。
あの夜、あなたの瞳はまっすぐに僕を見つめていたのです。
あなたの瞳の宇宙には、無数の星がきらめいて、僕を
招いていたのです。
僕は、あなたの中で星々と共に戯れた。流れ星が流れる空で
僕はあなたに恋をしたのです。
あなたは、僕を夢中にしたけれど、僕はいつのまにか地球を離れ
宇宙に放り出された迷子の宇宙飛行士です。
日常はまるで青い地球。僕は、僕の軌道を離れ、さまよう宇宙のゴミの
ようです。日常という重力も僕を支えてくれないのです。
あなたは、今日、僕とあなたを繋ぐ命綱をいとも簡単に切り離したのです。
ネコの爪のような鋭い一言で、僕の心を引き裂いたのです。
「あなたじゃなかったの。ごめんなさい。」
僕は、あなたにくるりと背を向けて、あなたとお別れしました。
あなたに弱い姿を見せたくなかったから。
僕は、あの時から、あなたの心を探して銀河をさまよっています。
探しても見つからない落とし物を拾う旅に出たのです。
あなたが南の島で星空を見上げたら僕のことを思い出してください。
星の数だけ流した僕の涙を、見てください。
僕は今でもあなたが好きです。
星の数だけいる人の中で、あなたに出会えた幸せを
忘れることができずにいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
流れ星はあたしの前を過ぎていく。
美しい思い出はあたしの宝物。
あなたはあたしの引力に引き寄せられて、落ちてきた星。
少しの間、燃えて輝く隕石。
そしてあなたはどこに行ってしまったのだろう。
見て!ネコの爪のような月が輝く大宇宙!
月は形を変えていくけれど、
消えてしまったワケではない。あなたに対する愛は
変わらない。だけど、広いこの空のどこかに、
あたしを愛する人が待っている。
あたしという星と引き合う強い引力を持つ人が!
それは、あなたじゃないと思った。それだけのこと。
あなたは、あたしに出会い、あたしの引力に引き寄せられて
墜落した。ただ、それだけ。
見て!この空の星はひとつじゃない。
たくさんの星の中に、ただひとつ、あなたと引き合う星がある。
優しいあなたにふさわしい、特別な星が待っている。
だから、泣かないで。あたしのために泣かないで。
あたしのために、笑ってほしいの。
なんでもないフリをして、いつものように挨拶してほしいの。
そして、あなたの星を見つけてほしいのよ。