最近WHOのトップが支那人になったということは、台湾はWHOに入れないということ? | 日本のお姉さん

最近WHOのトップが支那人になったということは、台湾はWHOに入れないということ?

重症急性呼吸器症候群(SARS)と中国の理不尽な主張

外交部 2003年5月

1.中国は常に台湾の人々の保健・衛生に留意してきた!?

 1949年の建国以来、中華人民共和国は1日たりとも台湾を管轄も支配もしていない。台湾が中華人民共和国の一部でなく、また、台湾政府が中華人民共和国の地方政府でないことは極めて明白である。

 中国は台湾の人々の保健・衛生に留意したことなどない。中国政府は2300万の台湾人の保健・衛生に留意してきたことを示すいかなる証拠書類もデータも出すことはできないだろう。中国の国家予算を見てみるがよい。台湾の保健・衛生には一文たりとも支出していない。

 過去数年、台湾は国際社会からの緊急支援を必要とするいくつかの危機に見舞われたが、中華人民共和国は政治力を行使して、そうした支援を妨げようとした。1998年の腸内ウィルス感染の発生で、児童80人が死亡したときも、1999年の大地震で2400人の死者が出たときも、中華人民共和国は、またもや外交圧力を用い、WHOをはじめとする国際機関の緊急援助を妨害した。

2.中国政府は台湾のSARS対策支援のためさまざまな措置を取っている!?

 この主張ほど真実とかけ離れているものはない。問題をはらむ政治的動機により、恥ずべきことに中国政府は中国国内でのSARSの発生を少なくとも4カ月隠蔽し、そのためウィルスが香港、シンガポール、カナダ、台湾、ヨーロッパといった他の地域や国に伝播していくことになったことは、世界中周知の事実である。

 3月初旬、台湾で最初のSARS感染が確認されて以来、中国政府は台湾に対し何のSARS対策支援も行っていない。台湾に専門家を派遣し試薬その他技術・医療の支援を行ったという中国の主張は全くの嘘であり、恥知らずの主張である。(中国政府はプロパガンダのため、台湾在住の中国寄りの政治勢力とともにいくつかの「協力」をでっちあげたのは確かである。)中華人民共和国が提供したとする支援の名称、月日を含む具体的内容がすべて明らかにされることを世界は歓迎するだろう。

 去る4月20~21日、台湾はSARSに関する国際会議を主催したが、中国は専門家を出席させることさえ拒否した。429ASEANの主催で開催された2番目のSARSに関する会議の際には、再び中国は政治力を行使して台湾の参加を妨害した。

 そればかりか、台湾で最初の発症が確認されてから2カ月の間、中華人民共和国は、WHOの台湾支援のための専門家派遣計画を妨害した。53日、WHO2人の専門家を台湾に派遣し、台湾はこの支援を歓迎したが、中国のWHOに対する政治的圧力はこの間もずっと続いた。WHOの専門家はSARS対策に当たる台湾当局高官に面会することを許されなかった。

 台湾では患者や医療専門家が命を落としているのに、北京政府が人々の命より政治を優先し続けている事実を目の当たりにするのは、大変悲しいことである。

 

3.中国は台湾海峡両岸の医療分野の交流・協力を常に促進してきた!?

 中国政府の公式発表によれば、2001年と2002年に「台湾を訪れた本土の医療専門家の団体は、それぞれ1249人(回)、2246人(回)にのぼった」という。中国はそうした訪問が台湾の医療保健制度に大きく貢献したと主張したいようである。

 だが、中国政府は、こうした訪問者の3分の2は大学医学部や病院施設の視察が目的であり、残りの3分の1は、会議やセミナーの参加が目的であったことについては触れない。訪問者の1%は、より意味のある研究協力に携わったとみてよいかもしれない。台湾海峡両岸のいわゆる「医療交流・協力」は基本的に一方向的なものであったというのが事実である。台湾の医療制度は中華人民共和国よりずっと発達している。そうした「交流」は、決して中国の台湾に対する善意や寛容さを示すものではない。

4.「台湾はWHOに加盟しなければSARSを制圧できない」というような問題は存在しない、と中国政府は断言する!?

 世界がSARSの脅威に直面している今日、WHOが最新の完全な情報を全感染地域から得ることが極めて重要である。台湾の政府は台湾全島の保健・医療全てに唯一、独占的権限を持っており、台湾のSARSの状況に関する最新、完全、かつ詳細な情報を提供するには最適な立場にある。台湾に派遣されたWHOの専門家にも、政治的活動以外に何もしない中国政府の代表者にもこれはできない。台湾の現状についての報告は、台湾でSARSと闘っている専門家のみに求められるべきである。これは中国政府主導の政治情勢を反映したゲームであってはならない。

 520日に行われたWHO専門家のブリーフィングでは、感染地域の代表から報告が行われたが、世界で3番目に感染者の多い台湾は、中国の圧力のもと事務局長により報告を禁じられてしまった。WHOが全ての人の健康と生命を守るという自らの使命を遂行する代わりに中国の政治的圧力に屈する道を選んだのは明らかである。

 中国はまた、台湾はWHOから保健に関する情報は簡単に入手でき、台湾が加盟する必要はないと主張する。効果的にSARSその他の感染症発生に対応するには、台湾としてはWHOの一般に公開されたウェブサイトや刊行物以外の情報や知識を入手する必要がある。具体的に言うなら、台湾は、WHOの感染症発症情報(Global Outbreak Alert and Response Network)や最新の技術情報、研究プロジェクト、専門家の活動状況などに関する情報を直接、完全な形で必要に応じて得る必要があるのである。

 SARSの発症と伝播は一つの基本的な点をはっきり証明している。すなわち、WHOが世界の疾病対策上、台湾の完全な形での加盟と協力が必要であるように、台湾もWHOの保護を必要としているのである。

http://www.roc-taiwan.or.jp/news/weeknews250.htm

5.中国政府は台湾当局の[WHO加盟申請という]「不道徳な行為」は非難を浴びると固く信じている!?

 台湾では今日でもSARS患者と医師たちが命がけで闘っており、亡くなる人々も出ているというのに、中華人民共和国は、台湾の2300万の人々に対するWHOの緊急支援の妨害と台湾のWHOへのオブザーバー参加の妨害のために政治運動を行っている。これ以上に不道徳な行為はない。