驚くなかれ、18歳から25歳までの中国人は1989年6月4日の天安門事件をしりませんよ!
社外監査役や、監査法人の企業監査を妨害、あるいは解雇
中国の不良債権は公表の二倍ではないか、とNYタイムズが大きく報道
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中国の四大銀行の不良債権が、ある日突然30%から一桁の7%、
そして5%へと激減していた!
それほど急ピッチに経営改善が可能だった{?}。
そんな筈はないだろう。
NYタイムズは11月15日付けで、中国の国有銀行の不良債権の監査が、
事実上、不能の状態になっているという恐ろしい実態を報じている。
「中国建設銀行」(中国第三位の国有銀行)は、二年前にアメリカ人の
専門家チームを雇って、行内の機構改革への助言と会計監査を依頼した。
「およそ30億ドルの不良債権が帳簿外に移されている」と、このチームは
同行経営トップに忠告した。
中国建設銀行は昨年十月に香港に上場し、60億ドルを掻き集めたが、
その直前に、アメリカ人の特別チームは解雇された。
バンク・オブ・アメリカは、05年に30億ドルを出資し、中国建設銀行の9%
株主に躍り出た。
それが、時価90億ドルとなって、監査に対して以前のような厳しい目を
うしなった、といわれる。
「同行の社外監査法人であるKPMGは、たびたび中国建設銀行の経営陣に
{怪しげなローン}の存在を忠告し、そのたびごとに激しい論争が繰り
広げられてきた」(NYタイムズ)。
すでに中国が国家として、銀行の不良債権を買い上げ(つまり不良債権は
国家の再生機構に帳場が移行しただけ)、その金額は4000億ドルを
突破している。
国家に不良債権をうつして、身軽になった国有銀行が、今度は外国からの
出資を、「IPO」(株式公開)という魔法のような錬金術で掻き集めたわけだ。
世界最大の会計監査法人のひとつ、アーンスト&ヤングが、先頃発表した
「中国の不良債権9130億ドル」という数字こそ、実態に近いのである。
中国は同社に圧力をかけて、この数字を撤回させて事実こそ、いったい
中国がなにを隠したがっているかを如実に物語っているのではないのか。
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(読者の声1)先週、両国国技館で行われたダライ・ラマ法王猊下の講演会に行って参ったのですが、考えさせられること多々あります。
猊下の発言。中国に支配されるチベットの厳しい現況、未来を考え、政治的発言を自ら控えておられる猊下の心情は察するに余りあります。またノーベル平和賞受賞者としての道義的責任、そして猊下自らが宗教的カリスマである現実、発言内容に極力気を使われておられるのでしょう。以上を頭では理解しながらも、しかし、結ぶところである「許し、愛し、解り合う」ではチベットは返ってこないのでは?と思ったのは小生だけでしょうか。平和的対話は大事であります。
しかし血を流さずして民族の独立とは可能なのか?猊下の本心がどこにあるのか気になった次第です。
もちろん産経の取材記事などを読みますと、最近開通した青蔵鉄道や人権問題等について批判的に述べておられ、単に中国との妥協点に急接近されておられるばかりではなしと考えられます。
ご存知のように近年、猊下は訪中、もしくは帰国を模索されており、北京特使と交渉を重ねています。北京は独立放棄を求め、そのかわりに「高度な自治権」を「約束」するとか。
11月2日の毎日新聞によると猊下は「我われは独立を望んでおらず、外交と国防以外の自治を求める現実的な方策を主張しており、(帰還)を楽観している」と発言されています。果たして外交と国防の伴わない自治とはいかなるものなのでしょうか。
また講演内容とは別の問題で解せないのは、現在日本人一般にダライ・ラマ法王猊下とはどういった存在として捉えられているのかであります。一般人にどう認識されているのか?
単なるカルト的な「スピリチュアル・リーダー」として捉えられているだけでは?
というのも会場の聴講者、大半が所謂サブカルチャー系で占められていた現状です。ラブ&ピース的様相の若者も決して少数はではありません。小生の認識では決してダライ・ラマ法王とラブ&ピース的思想は重なり合わないのですが。
あと新興宗教の筋の方も多数おられました。
講演で設けられた質疑応答、猊下へ投げかけられる質問といいますと「背後霊についてどう考えられるか?」、「最近、何かに操られているのですか、どうすればいいのか?」、「光のパワーを私にお与え下さい!」等々、猊下も困惑気味。人権問題などの「生臭い」質問はなし。
欧米では人権問題、チベット難民問題、中国問題といったハードな話題で取り上げられる猊下でありますが、この日本においては「サブカル・カルト的」な存在のカリスマとして捉えられる方々がどうもマジョリティーのようであります、ビックリいたしました。やはり日本では大メディアのニグレクトが、そのダライ・ラマ像の誤解を作り上げてしまったのではないかと思った次第です。
宮崎先生はどうお考えになりますか?
(AI生、渋谷)
(宮崎正弘のコメント)ちょうど二十五年前、加瀬英明・三好修両氏主宰の「日本安全保障研究センター」(小生がボランティア事務局長でした)で、ダライ・ラマ猊下をお招きして、東京で講演会をおこなってことがあります。
そのおり参加者のなかに新興宗教指導者がまじり、なかには怪しげな指導者がいて、(あの麻原がインドへ行ったおりも猊下は拝謁を許されましたが)、盛んに記念写真を撮っていました。この俗物根性め、と新興宗教の連中の一部をこころのなかで罵った事を思い出しました。
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(読者の声2)台湾「在台中国派」のやりたい放題について。
彼らは2004年の陳水扁総統再選以来、揉め続けてきました。まともにやっていたのでは「勝てない」と悟って、まともでないやり方を続けてきたのです。
あらゆる口実を儲けて事あるごとに陳水扁総統と民進党政権にケチをつけ、イメージを悪くすることです。
「陳水扁打倒騒ぎ」は、すべて年末選挙へ向けた「陳水扁・民進党のイメージ悪化作戦」にほかならない。
立法院では野党多数を頼んで政府の立法は妨害する、捩じ曲げる審議しない等々。
野党である国民党の票買収は棚上げにして、与党が少し怪しいと大々的に言い立てる。 何しろメディアを握っているので、言いたい放題なのです。
施明徳が腐敗反対・総統打倒運動をやりましたが、国民党と一緒になって「腐敗反対」とは、漫画もいいところです。
私の台湾の知友の多くが、政治に愛想をつかしています。 在台中国派の度厚かましさについて行けないのです。
この厚かましさが判らないと、台湾の政治も判らない。台湾の民主主義はまだ軌道に乗ったとは言い難いと私は思います。
民主的手続を無視する勢力がのさばっているのですから。
(KiI生、生駒)
(宮崎正弘のコメント)施明徳は、獄中10年を売り物にした、ただの売名家、今度は国民党か、或いは北京から「物理的支援」もあったのでは?と噂されていました。
陳総統下台(辞職)集会で、施らの制服。おそろいのジャンバーの色が「赤」でしたからね。この類いの奇怪な人間が民進党側にもいます。
国民党の陳総統退陣要求集会にも行きましたが、例によって「カネ」で動員された形跡ありありで、参加者十人かそこらでした。まったく報道が、国民党メディアの情報操作によって誤って伝えられていますね。いつものことながら。
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(読者の声3)宮崎さんの新刊『三島由紀夫の現場』(並木書房)を拝読しました。
言及されている地のうち、何箇所かは訪ねたこともあり、ことに「暁の寺」(ワットアルン)の舞台となったバンコクは7年ほど住んだだけに、感慨ひとしおでした。
文中になにげなく挿入されて、「国際印刷の住田さん」。小生も知り合いで、なんとも懐かしい思い出おいでです。
ところで小生、長いバンコク滞在ですが、ワット・アルンには一度も行ったことありません。小説の中の「暁の寺」はやはり作者の想念のなかの存在ではと思い、貪り読んだ感激を消したくなかったからです。
(KH生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)今度、バッコクへ寄られたら是非行ってみてください。
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(読者の声4)ふと三島由紀夫著『奔馬』を手にとりました。
そしてつぎの件りに目がとまりました。《三十八歳とは何たる奇異な年齢だらう! 遠い昔に青春が終わつてしまって、その終わつたあとから今までの記憶が何一つ鮮明な影を宿さず、そのために却っていつも、青春と壁一重隣合わせに暮らしてゐいるやうな気がしつづけてゐる。
隣の物音はたえず詳にきこえてくる。しかし、もはや壁には通路はないのである。
本多にとつて青春とは、松枝清顕の死と共に終わつてしまつたやうに思はれた。あそこで凝縮して、結晶して、燃え上がつたものが盡つきてしまつた。》
なんというすぐれた、すさまじいメタファーなのでしょう。涙を流さずには読み下せません。
(HN生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)昨晩は拓殖大学日本文化研究所の公開講座「新日本学」で『三島由紀夫が聴いた英霊の声』と題しての講演をしました。
この要旨は、いずれ論文として、同大学『新日本学』に発表する予定です。聴講者はしずかに訊いてくれました。終わってから質問が多く飛び出しました。
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(読者の声5)昭和20年8月、ソ連は日ソ中立条約を破棄して満州に乱入し、瀕死の日本の背後を襲いかかった。
そして当時在満日本人のうち30万人がソ連兵、中国人、朝鮮人の襲撃で満州の荒野に命を落としたといわれる。その過半数は女子供である。それ以外に財産を奪われ、病苦と飢餓に襲われ、女は陵辱され、あるいは子供を奪われたり売ってきたきた人の数はかぞえ切れない。
亡国の民は哀れなり、いまなお荒野には無数の死骸がうもれ、赤い太陽に照らされて鬼哭啾々。
坂本俊雄氏は八王子に住む医師であるが、当時12才の少年。満州奥地の鶴岡炭鉱から新京(現長春)まで悲惨な流浪の旅で数々の惨状と悲劇を目撃してきた。
下記はそのドキュメンタリーである。ぜひ皆さまに読んでいただきたい。
坂本俊雄著「沈まぬ太陽」(坊やは日本に帰れるといいな)(文芸社、1575円)
(IS生)
(宮崎正弘のコメント)御教示有り難う御座いました。昔、『文藝春秋』が満州引き揚げ者の手記を募集して特別号を作ったところ、忽ち売り切れになった“事件”を同時に思い出しました。
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(読者の声6)或る授業で日中関係をしゃべっていたのですが、10人ほどの学生の全員が「盧溝橋事件」を知らないという悲惨で残酷な現実に直面。教育基本法を論議するもいいが、この現実をどうすべきか。
まあ五・四運動のみならず文革すら知らない中国人留学生が跳梁跋扈している時代です。教育の崩壊、カネを掛け家畜や鬼畜を育てているのが現状では。
まさに「後世畏るべし」ではなく「後世恐るべし」です。
(KH生、愛知)
(宮崎正弘のコメント)教育再生なる審議会も、有識者会議も、ま、あれはあれで存在理由があるんでしょうが。
基本は「知育」、「体育」だけの戦後教育には「徳育」がかけている。そうした教育のくにに、それほどの未来はありませんでしょ。
ところで、いまの学生さんは18歳から、大学院生で25歳くらいでしょう。驚くなかれ、1989年6月4日の天安門事件をしりませんよ!
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<<今月から来月にかけての拙論>>
(1)「中国報道を疑え」(ムック『反日マスコミの真実』、オークラ出版)
(2)激突対談(相手は趙宏偉氏)「沈む中国、昇る日本になるか」(仮題、『サピオ』次号、11月22日に発売予定)
(3)「大揺れの台湾政治状況」(『共同ウィークリー』、11月下旬号)
(4)座談会「中国といかにつきあうのか」(討論参加者 西部遭、林健良、前田雅之、宮崎正弘。司会=富岡幸一郎)(『表現者』、12月中旬発売)
(5)「台湾政局の激変」(『正論』2月号、12月25日発売予定)
(6)「長野朗再考(2)」(『月刊日本』12月号。11月22日発売)
(7)「林房雄論」(拓殖大学日本文化研究所刊『新日本学』秋号、発売中)
(8)「陳水扁総統へ独占インタビュー」(『自由』正月号、12月10日発売)
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<宮崎正弘の中国関係著作>
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『中国よ、反日ありがとう』(清流出版)
『中国瓦解』(阪急コミュニケーションズ)
『風紀紊乱たる中国』(清流出版)
『本当は中国で何が起きているか』(徳間書店)
『人民元大崩壊』(徳間書店)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
『円 vs 人民元』(かんき出版)
『中国財閥の正体』(扶桑社)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ)
『米中対決時代が来た』(角川書店)
『迷走中国の天国と地獄』(清流出版)
『いま中国はこうなっている』(徳間書店)
<宮崎正弘のロングセラーズ>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
『拉致』(徳間文庫、旧題『金正日の核弾頭』を改題、文庫化)。
『謀略投機』(徳間書店)
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