イスラエルからのニュース
2006年10月29日(日)
****************************************************
*ファタハが武力でハマス政権を倒す計画だとの報道を受け、ハマスが
厳戒態勢。事務所や幹部自宅の警備を強化している。(P,Y)
*エジプト政府の仲介で、ハマスとの兵士釈放交渉が進行中。PRCの
メンバーが、釈放は「数日中」になると語った。(P,H,Y)
*ラマダン中にガザを訪問したアラブ系市民が誘拐の被害に。犯行目的
などは不明。(P,Y)
*西岸地区で行われたテロ組織摘発作戦で、パレスチナ武装勢力の3人
が死亡。ガザではスデロット市に2発のロケット砲撃。(P,H,Y)
*レバノン戦争においてイスラエルが実験的なウラン使用兵器を使った
と英紙が報道。国防軍は使用を否定している。(H,P,Y)
*リブニ外相がカタールで開催される民主主義に関する国際会議を欠席。
この会議にハマス代表も参加することが判明したため。(H,Y)
*国連のアナン事務総長が、防護壁建設で受けたパレスチナ人の損害登
録を開始すると発表。国連決議ではイスラエルが賠償責任を負うとさ
れており、将来、賠償手続きが行われる可能性もある。(H)
*1956年シナイ半島で行われたパラシュート降下作戦から50年の
記念式典。作戦を指揮した若きシャロン氏は、この作戦で勇名をはせ
た。「シャロンがいればレバノンで負けなかった」との声も。(P)
*ラビン首相暗殺犯のイガル・アミルを、25年以内に恩赦にすべきだ
との意見がイスラエル人の30%。右派では50%に達した。(Y)
*北部への豪雨で今冬に初めてガリラヤ湖の水位が上昇。(P,H)
2006年10月30日(月)
****************************************************
*カツァブ大統領はセクハラ事件の捜査の間、大統領を休職すべきだと
の意見書をマズズ検事総長が最高裁に提出。(P,H,Y)
*エジプトが5000人の国境警備隊員をガザとの境界地域に派遣した
との報道をペレツ国防相が否定。2005年の協定でエジプトがガザ
との境界に配備する人員は750人と決まっている。(P,H,Y)
*レバノン沖のドイツ艦船に国防軍が攻撃態勢を取った先週の事件につ
いて、オルマート首相がドイツのメルケル首相に電話で謝罪。オルマ
ート首相が近日中にドイツを訪問することが決まった。(P,Y)
*エルサレム市域を西側に拡張する計画を中止させる法案が国会へ。す
でに多数の議員が賛意を表明しており、計画が中止になる可能性が高
まっている。エルサレム市の西は美しい丘陵地帯。(P)
*シャロン元首相の捜査を担当した警察幹部が、昇進と引き換えに捜査
チームのメンバーを変更する取引を行ったとの報道。「もし事実とす
れば重大な問題だ」と警察幹部は語った。(H)
*防護壁建設による損害補償に向けた国連の動きに外務省が遺憾の意を
表明。イスラエルのテロ被害には何も言わず、パレスチナの被害ばか
りを議論するのは片手落ちだと指摘した。(P)
*米国がファタハの「17軍」に軍事訓練を行っていることが判明。フ
ァタハとハマスの軍事対決を見越した動きと見られている。(H)
*ガザから昨年退去した元入植者の住宅整備が遅れているため、オルマ
ート首相が関係者に迅速な対応を指示。当初計画では2年以内に新住
居を整備する予定だったが、実際には3年以上かかる見込み。(P)
2006年10月31日(火)
****************************************************
*イスラエル我が家のリーバーマン氏をオルマート首相が「戦略的脅威
担当相」に。当面の課題はイランの核問題。(P,H,Y)
*ラビン首相暗殺事件から11年目の記念式典を巡り、セクハラ疑惑の
渦中にある大統領と国会議員が対立。大統領は国会での式典への出席
を拒否し、議員の多くは大統領官邸での式典を欠席する。(P,Y)
*カツァブ大統領の休職を要求する訴訟に対し、大統領は「最高裁には
大統領を裁く権限が無い」と回答。(P,H)
*ガザで障害児の援助を行っていたスペイン人ボランティアが誘拐され
る事件。しかし、数時間後に解放された。(H,Y)
*レバノンのラホード大統領が、ハリリ元首相暗殺事件に関する国際法
廷の設置を拒否。法廷設置には大統領の同意が必須。ラホード大統領
は親シリア派で、大統領の警備隊が暗殺に関与していた。(P)
*国防軍兵士解放交渉のためハマス代表団がカイロへ。交渉は進展して
いると関係者は語っているが、マシャールは欠席した。(H,Y)
*数時間だけ記憶が無くなる薬剤をバー等で女性の飲み物に混ぜ、後で
レイプする事件がこの1年で40件以上。犯人はひとりも逮捕されて
いない。実際の被害はもっと多いと見られている。(P)
*同性愛者のパレードの前日、宗教右派が抗議デモを計画。パレードと
同じコースを牛や馬などに歩かせ、詩編を朗読して「我々がこの行進
に反対していることを神に示す」のが目的だという。(Y)
2006年11月1日(水)
****************************************************
*国防軍のハルツ参謀長は、レバノン戦争を指揮した4人の司令官を誰
も解任しない方針を決定。参謀長自身も辞任要求を拒否しており、内
外から非難が高まっている。(P,H,Y)
*国連のラーセン特使が、シリアからヒズボラへ武器密輸が続いている
と懸念を表明。レバノンの政府も認めている。(P,H)
*国防軍機がベイルート南部のヒズボラ地区を低空で6回にわたり威嚇
飛行。国防軍関係者は、レバノンが国連決議に従わない間は、レバノ
ン上空の偵察飛行を行う意思表示だと語った。(P,H)
*ハマスがヒズボラ型の軍隊組織に変容しつつあると、国防軍司令官が
国会で証言。エジプトとの国境から高性能兵器が
持ち込まれており、 ヒズボラ型の訓練や組織作りが進んでいるという。
(P,H,Y)
*超正統派はイスラエルで最も嫌われている集団だとの意見が37%。
こうした認識は超正統派自身も持っており、外部との交渉を断ち結束
を固めるのに役立っていると、社会学者は分析している。(P)
*ネタニヤ沖で約4000年前の多数の錨が発見。ネタニヤは昔から海
洋交易の拠点となっていたもよう。(P)
*戦略研究家のミンツ氏が、テロ組織指導者の行動を予測するコンピュ
ータープログラムを開発。ヒズボラは今後、レバノン政権内での地位
固めに力を入れ、イスラエルへの再攻撃はしないと分析した。(P)
*自治区各地のモスクでは「米兵が10月に約100人もイラクで死ん
だのは、ラマダンの祈りに対する答え」だとの説教。(Y)
2006年11月2日(木)
****************************************************
*カッサム砲によるスデロット市への攻撃が止まらないため、国防軍が
ガザ北部に激しい攻撃。パレスチナ人7人が死亡した。国防軍兵士1
人も死亡。しかし、カッサム砲の攻撃は止まっていない。(P,H,Y)
*ラビン首相暗殺事件を記念して、テルアビブのラビン広場で行われた
対話集会に数千人。イスラエル社会の様々な対立などをテーマにした
講演や映画上映が行われた。(P,H,Y)
*ヒズボラがレバノン政権内で閣僚数増加を要求。拒否されれば大規模
な抗議デモを行うと警告した。米国政府は懸念を表明したが、ヒズボ
ラは「内政干渉」だとして反発している。(H,Y)
*人権団体のイェシュ・ディンが、西岸地区のパレスチナ人農家から入
植者らによる作物荒らしの苦情受付を開始したところ、1週間で20
件の申し立て。入植者と農民の紛争も増えている。(P,Y)
*ハマス代表団のエジプト訪問と、米国のネグロポンテ氏のエジプト訪
問で、国防軍兵士の釈放と自治政府の連立交渉に進展か。(P,H)
*ガザへの武器密輸を阻止するため、米国がガザとの国境地帯に米軍を
駐留させることをエジプト政府に提案か。関係者が語った。(P)
*米軍のイラク撤退の可能性が高まっているのに、政府は対策を怠って
いると政府高官が警告。もし撤退すればイラクは不安定化し、イラン
とシリアの支配下に入る可能性が高いと見られている。(H)
*西岸地区の入植地に「ナセル1型」ミサイルを撃ち込んだと、PRC
が発表。しかし、国防軍は着弾の形跡は無いとしている。(Y)
*イスラエル社会分裂の最大要因は、ガザ撤退だとの意見が48%。ラ
ビン首相暗殺の方が大きかったとの意見は39%だった。(H,Y)
2006年11月3日(金)
****************************************************
*国防軍のガザでの作戦は継続中。民間人2人を含むパレスチナ人4人
が死亡した。しかしカッサム砲攻撃は止まらず、朝に5発、夕方に3
発がスデロットに着弾し、2人が負傷した。(P,H,Y)
*エルサレムでは同性愛者のパレードに反対する超正統派2000人が
デモ。警官5人が負傷しデモ参加者25人が逮捕された。(P,H,Y)
*ラビン首相暗殺事件から11年を記念する国会式典を、アラブ系議員
が全員欠席。オルマート首相は、暗殺犯の恩赦を求める世論に懸念を
表明し、首相暗殺犯に釈放はありえないと語った。(P,H)
*国防軍のハルツ参謀長は辞任すべきだと、労働党のベンエリエゼル国
土建設相。レバノン戦争の遂行に様々な問題があったため。(P)
*カツァブ大統領の辞職を求める訴訟を受け付ける方針を最高裁が決定。
最高裁に大統領を裁く権限は無いと、大統領は反発している。(H)
*英国外交官がヒズボラとの兵士釈放交渉について語った。ナスララは
兵士の安否情報に「代価」を要求
しているという。(H,Y)
*米企業がアラブ諸国から受けるイスラエルボイコット関連要求が今年
は増加。ボイコット要求に応じるのは米国では禁止されている。(P)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
============================================================
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp