偽物クレヨンしんちゃんは中国では本物だという謎
漫画「クレヨンしんちゃん」って日本が原作じゃないの?
中国では偽物がさきに商標登録され、ほんものの販売は禁止という言語道断
クレヨンしんちゃんという漫画がある。
おませで下品なガキの早熟ぶり、それが大人を徹底してからかう馬鹿受けの漫画だが(「これが日本文化だ」などと外国人からも喧伝されると小生などは腹立たしいが)、この商標登録を中国で先に行った輩がいる。
結果、驚くなかれ、日本の原作の権利が中国で消滅した。
版元の双葉社は中国で裁判をおこして争ったが、北京市第一中級人民報院は、双葉社の訴えを退けた。
残るのは商標取り消しの裁判が続行中。
この事件は双葉社の「うっかり」から始まった。94年に双葉社は、「しんちゃん」のシャツ、玩具、文房具にキャラクター商品として日本で商標を登録したが、中国には申請しなかった。
ちゃっかり、中国の企業数社が「しんちゃん」のデザインを登録した。中国では先願主義原則にしたがえば、先に登録した中国企業の権利が保護される仕組みとなっている。
中国で売られている「しんちゃん」のぬいぐるみも下敷きも、Tシャツも、どれもみんな“正当な偽物”だ。
一方で中国の若い世代の漫画ブームは凄まじく、およそ殆どの日本の漫画は海賊版が出ている。ドラエモンは全巻揃っている。台詞がみんな中国語に代替されているが、本当に正確な翻訳なのか、どうかは不明。
日本人の描いた漫画の『三国志』まで揃っているのはご愛敬としか、言いようがない。
他方で、TVのゴールデンタイムのアニメ番組から日本の作品がはずされた。陰湿な反日の嫌がらせの一環とする解説もある。
ともかく、こういう場合に遵法、法治を言い募るのも中国。
世界で95兆円、日本企業だけで9兆円の被害がでている中国の海賊商品、コピィ行為には「遵法」が適応されないのに。
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(読者の声1)宮崎先生も指摘されていた「急に発覚した高校の履修不足問題」、ここにきてやはり着地点は安倍叩きの様相が濃くなって来たようです。
テレビの「報道ステーション」などを見ておりましても、昨今のいじめ自殺問題と絡め、安倍政権では教育問題は任せられないといった論調。
審議入りした教育基本法改正案に矛先を向けては、小手先の改革では教育現場は改善しないと。
曰く安倍政権の「教育に関する支持率」は下がっているらしいです(そういった調査があったのでしょうか?)。
(AI生、渋谷)
(宮崎正弘のコメント)左翼マスコミと、教育現場は左翼教師。よってたかって学校のシステムが悪いと合唱し始めました。自分たちの責任は棚に上げて。
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(読者の声2)韓国版ゾルゲ事件が発覚。マイケル・チャン=ゾルゲ、尾崎秀実=イ・ジョンフン、一心会=昭和研究会、盧武鉉大統領=近衛文麿、とでも当てはめるべき、大規模な政権中枢へのスパイ事件が摘発されつつあります。
日本はかくしして国策を誤ったのかと追体験させてくれる韓国で現在進行中のスパイ事件「386スパイ」からは眼は離せません。
当時、近衛文麿は、国民の任期絶大で共産主義・ナチズムに心酔し、民主主義を放棄して、英米をアジアから駆逐する政策決定を次々に行いました。
中川八洋などの研究により、その背後にはゾルゲをキーとするコミンテルンのスパイが暗躍していたことが徐々に立証されていっています。
韓国で現在進行中の盧武鉉による反米・北朝鮮への身売り路線の奇妙さは、北のスパイの暗躍という補助線を引くと、なるほどと膝を打つところです。
おそらく現在、CIAまたは韓国保守派と北朝鮮・中国エージェントの間の壮絶な戦いが繰り広げられているのではないでしょうか。
日本の将来もこの戦いに懸かっていると言っても過言ではありますまい。
(HN生、大阪)
(宮崎正弘のコメント)ついでに言いますが、小生はすでに数年も前から著作で「江沢民の親父は戦前、日本の情報機関の協力者。だからあの反日は演技と保身だ」と書いてきました。
また胡錦濤は「上海出身なのに、なぜ数百年も前の先祖がいた、安徽省出身だと強調する理由は、全土から嫌われる上海イメージを消すため」としてきました。
本日発売の『諸君』12月号で田代
秀敏氏が、この裏情報を丹念に
ひろいあつめた労作(「胡錦濤・
江沢民、「出自・経歴の謎」)を発表
され、このなかで、念入りな系図を
用いた考証をしておられます。
これ、必読資料です。
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(読者の声3)『WiLL』12月号は総力特集75ページ”北朝鮮の断末魔”を組んでいます。
目を通すと、断末魔は北だけではない、半島全体が、断末魔で崩れつつあると観じます。
まず特集の中で、西村幸祐氏が「トンマッコル症候群」と題して書いている論に目を惹かれました。
トンマッコルってマッコリ(というお酒)の種類かしらという程度の韓国半可通の私は、「トンマッコルへようこそ」という大ヒットした映画のことだと知りました。映画の内容と西村氏の論の詳細は、同誌に譲りますが、この中に触れられている韓国の世論調査には驚かされました。
2003年の移民についての調査では、20代・30代の韓国人の72%が他国への移住を希望し、2001年の調査ではこれが88%だったというのです。梨花大学の女学生の62%は韓国以外に生まれ変わりたいという昨年秋の調査結果もあるそうで、韓国民が国への帰属意識を失い、アパシー状態になっていることを強く感じました。
こんな国民では、呑ムヒョンとかを戴いて邪悪な北に取り込まれかねないのも、むべなるかなと思います。
西村氏は、次のように述べています。
(引用開始) 韓国の力で金正日を除去し、北朝鮮の体制を打倒して民主化統一をするという視点は、一般的な韓国人には皆無なのだ。つまり韓国人にとって「統一」はリアリティあるのもではなく、あくまでもそれを唱えることで民族的良心の免罪符になるおまじないのようなものだ。(引用止め)
これを一読してなるほどと頷くとともに、日本のことを言っているような思いも抱きました。
上の一文は次のように読み替えられるのです。
「日本自らの力で占領憲法を除去し、被占領体制を打倒して自主憲法を樹立するという視点は、一般的な日本人には皆無なのだ。つまり日本人にとって「自存自衛」はリアリティあるものではなく、あくまで押し付けられた”平和憲法”を唱えることで民族的良心の免罪符になるおまじないのようなものだ」と。
西村氏は決してそんなつもりで書いていないでしょうが、私には辛らつに感じる、光る件りであります。
次に目を惹かれたのは、石平氏の「大江健三郎 中国土下座の旅」です。
大江が昭和42年に第三回谷崎潤一郎賞を「万延元年のフットボール」で受賞したときの選考委員の一人が三島由紀夫氏でした。
三島氏は大江の才能は才能としてきちんと評価しました。
しかし三島は大江の偏狭な性格、自分と主義主張を同じくするものしか自分の文学を理解できないと思い込んでいる人間であることを透視した上で、大江にこの賞を授けたのです(徳岡孝夫氏『五衰の人』)。
そんな大江の偏狭さを判った上で、石氏の論文で中国での大江の言動・行状をつぶさにするとこの人の当然の末路だなと思い至るのです。
日本人でノーベル賞を得てから糟糠の妻を袖にし別の女性に走った仁が複数いますが、 大江は違う形で堕落しているようです。
三島氏がノーベル賞を得ていたら、生き長らえ、日本の命運は今とはかなり違っていたことでしょうし、川端氏はガス管を咥えて死を急ぐことにもならなかったことでしょう・・・との妄想に耽る、秋の深まる神無月の晦日です。
(HN生、品川)
(宮崎正弘のコメント)ノーベル文学賞というのは、近年、左翼が集中してもらえる仕組みにもなっているらしく、権威は落ちていくばかりではないでしょうか。国連が田舎の信用組合よりも信用がないように。
大江は「もはやつける薬のないXX」ですね。
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(お知らせ)11月1日午後10時、渡部昇一「大道無門」に宮崎正弘がゲスト出演。一時間のトーク番組。「中国の北朝鮮制裁は本物か?」「上海スキャンダルの裏側は?」「水危機は大丈夫か?」などについて。日本文化チャンネル櫻。
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11月26日 米国在住の台湾人のアンディ・チャン博士が来日され、講演会が開催される。
演題の「ラファイエット事件」とは、フランスと台湾政界を震撼させたラファイエット級フリゲート艦の輸入に関して起きた汚職事件である。時代は1980年代後半から、1990年代初めのことである。
★ 主催 東京台湾の会 日台交流同友会
後援 怡友会、 靖國会、台南会、日本媽祖会、曙会、日本台湾医師連合 高座日台交流の会、留日台湾同郷会、台商会
会場 : 靖国会館 田安の間
日時 2006年 11月26日 (日曜日) 午後12時 受付開始
12:50 - 13:30 第一部 講演
13:40 -13:50 休憩 質問票受付
13:50 - 14:20 第2部 講演
会費 講演会のみ 1,000円
懇親会 + 2,000 円 (申込み11月17日迄)
参加お申し込みは下記まで。
fukumura2@hotmail.co.jp
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<宮崎正弘の新刊>
『三島由紀夫の現場』(並木書房、1700円+税)
11月10日全国一斉発売! (都内大型書店は8日ごろから)。
本書は宮崎正弘が35年の歳月をかけて三島事件の自決現場のみならず、三島が描いた『潮騒』『金閣寺』『剣』『春の雪』など名作の国内舞台、そのモデルを訪ね、その場所に立って、三島が何を考えたかを半ば紀行風に、そして半ば三島の哲学探究の旅です。
とくに「記憶もなければ何もない」月修寺の庭は『天人五衰』の最後の場面。『奔馬』で飯沼勲の自決する伊豆の海岸などのモデルを特定しております。
事件前夜、三島が「楯の会」の四人と「最後の晩餐」を摂った新橋の料亭を再訪したり、波瀾万丈の記念碑的労作となりました。
また海外の舞台へ飛んで『暁の寺』のタイ、インド。『旅の絵本』や『鏡子の部屋』に描かれたNY、アポロの杯にでてくるギリシア、ローマ、そしてパリ。
圧巻は『らい王のテラス』のカンボジアをめぐる旅。補遺には筆者が招かれて講演した「ローマ憂国忌」に関しての考察など。
グラビア8ページ、本文中にも写真が十数葉、挿入されております。
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<宮崎正弘の最新刊> 発売中!
『中国から日本企業は撤退せよ!』
(阪急コミュニケーションズ刊、定価1680円)
(宮崎正弘の中国関係著作)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『中国瓦解』(阪急コミュニケーションズ)
『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店)
『価値紊乱の中国』(清流出版)
『本当は中国で何が起きているか』(徳間書店)
『人民元大崩壊』(徳間書店)
『中国のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房)
『円 vs 人民元』(かんき出版)
『中国財閥の正体』(扶桑社)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ)
『米中対決時代が来た』(角川書店)
(宮崎正弘の三島由紀夫関連著作)
『三島由紀夫“以後”』(並木書房)
『三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか』(清流出版)
『三島由紀夫の現場』(並木書房、11月8日発売)
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『拉致』(徳間文庫、619円。これは旧題『金正日の核弾頭』を改題、文庫化)。
『謀略投機』(徳間書店)
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成18年(2006年)11月1日(水曜日)
通巻第1606号
http://www.melma.com/backnumber_45206/