やっぱり日本は普通の国になるべきだ。 | 日本のお姉さん

やっぱり日本は普通の国になるべきだ。

小泉さんと安部さんについて


<よくある質問6>

「小泉前総理の外交についてどう思われますか?安部新総理の役割はなん
ですか?」



<私の回答6>

小泉さんの評判はあまりよくないようです。

特に外交については、「戦後最悪」と酷評する人もいます。

なんでそうかといえば、アメリカを重視しすぎて、中ロ韓北その他の国々との
関係を悪化させたから。

しかし、私は歴史的に見て、小泉さんは不可避な道を通過したのだと思いま
す。


日本の外交を振り返ってみましょう。


1、80年代ー経済超大国で世界の金づる(日本LOSEー世界WIN)

80年代の特に後半は、日本経済の最盛期。

金がありあまっていて、全世界に金をばら撒いていました。

日本に外交は必要なかった。

ひたすら稼いだ金をばらまく、世界最大の慈善国家。(^▽^)

しかし、国民も儲かっていたので、寛大でいられたのです。(^▽^)



2、90年代ー経済ボロボロ、でも世界の金づる(日本LOSE-世界WIN)

90年代初めにバブルが崩壊し、日本経済は暗黒の10年に突入します。

ところが、日本政府の外交は変わりませんでした。

日本の全国民が苦しんでいるのに、相変わらず慈善事業を続けていたの
です。

今、「橋本総理は国際協調主義者で偉大だった!」と絶賛する人がいます。

しかし、国民は当時、橋本総理を支持していたでしょうか?

ボロクソいわれてましたね。

確か政権末期は、20%以下しか支持率がなかったと記憶していますが。。。

小渕さんは人気がありましたが、同じ国際協調主義者の森さんもボロクソい
われていました。


なぜでしょうか?

「国際協調主義」といえば美しいものの、実際は「日本政府は自国民をかえ
りみず、他国にばかり金をばらまいている」という不満がたまっていたから
でしょう。

そして、誰でもタダで金をくれる人(国)とは仲良くしたいのです。

90年代の日本も、別に外交は必要なかったといえるでしょう。



「こんにちは~、何か必要なものありますか?」

金氏「米くれ米!ササニシキチュセヨ!」

「はい!ササニシキですね!」

江氏「ODA,ODA!」

「はい!ODAですね!」

金氏「いい人だあああ!」

江氏「まあ、末っ子(日本)には反省してもらわないと」



当時、日本と世界の関係は、

日本LOSEー世界WIN。

こういう関係に憤りを感じた国民の総意によって、小泉総理は誕生したので
しょう。



3、00年代ーアメリカ以外とは最悪の関係に(日本LOSE世界LOSE)

小泉さんは、アメリカ以外の国との関係を、ボロボロにしました。

なぜボロボロになったのか?

現象面をみれば靖国問題とか領土問題とか、いろいろありますよ。

しかし本質を一文でいえば、「日本も苦しいですから、中ロ北なんかに寄付
をする余裕はないのですよ」と態度で示したからでしょう。



今まで、母親(日本)は身を粉にして働き、不良息子(中ロ北)に毎月こづか
いを10万円づつ与えていた。

(たとえですから、つっこまないでください。)

それがある日、正直に「ごめんね。お母さんも苦しいのよ。だからおこづかい
は、もうあげられないの」と告白した。

不良息子たちにとっては大損失です。


「ざけんなよ、クソババア!ミサイルぶっ放すぞ!金くれ金!」


こういう、拒否反応がおこった。

しかし、日本国民は「永遠に世界から搾取されるのでは、日本自体がつぶれ
る」と考えたので、小泉さんを支持していたのでしょう。

今、「ちょっとやり過ぎよね」と反省を促す声が出ていますが、方向性自体は
仕方なかったと思います。

米幕府からの年貢だけでも大変なのに、他の国まで助けていられません。



4、これからの外交 日本(WIN)ー世界(WIN)???

戦後60年、日本はアメリカの天領として、極めて気楽に暮らすことができまし
た。

もちろん、アメリカからサンザン搾取されまくっていますが、それが天領の役
割。(涙)

90年代はアメリカ一国が繁栄していました。

ソ連は崩壊、日本はバブルが崩壊、ドイツは統一で苦しい。

しかし、現在アメリカの覇権が揺らいでいます。


ここ25年間平均9%以上の成長を続ける中国。

原油埋蔵量世界2位、天然ガス世界1位のロシア。(米エネルギー省によると)

基軸通貨ドルに戦いを挑むEU。


現在米一極主義対多極主義の戦いが続いています。

しかし、アメリカの没落は必至ですから、日本も真の独立国家として、独立
した外交を展開する時代が来たのです。

小泉さんのおかげで、「金くれよ!」「ハイ!」というような異常な関係をつ
づける必要はなくなりました。(日米関係は別)

ですから、安部首相は、全ての国とWIN-WINの関係を構築できるゼロ
地点に立っているといえるでしょう。

もう一度、簡単に振り返ってみます。


1、80年代は日本経済の最盛期。世界に金をばらまいたが、国民も豊か
だったので、不満は少なかった。

2、90年代、バブル崩壊で国民は苦しい。しかし、日本政府は苦しんでい
る国民を無視して世界に金をばらまいた。国民の不満がたまっていく。

3、00年代前半。小泉さんは、アメリカ以外との関係を全て悪化させて、ば
らまき外交をやめる。

4、00年代後半。安部さんは、関係を修復する。しかし、日本と他国の関係
は本質的に変化している。

こうみると


1、80年代=日本LOSE 他国WIN
2、90年代=日本LOSE 他国WIN
3、00年代前半=日本LOSE 他国LOSE
4、00年代後半=日本WIN 他国WIN ←(ここは希望)

となる。

普通の国は、金を儲ける(経済)ためと自国の安全確保のために外交をし
ています。

日本は今まで、安全を全部アメリカに任せ、金儲けのためではなく慈善活
動(寄付)をつづけてきました。

覇権国家アメリカがボロボロの今日本は、



自分の国は自分で守り、日本も他国も儲かる外交を展開する「普通の国」
になるのです。



いや、美しく品格のある普通の国ですかね。(^▽^)(^▽^)(^▽^)


安部総理の歴史的使命は、こうなります。

(おわり)



モスクワより
RPEジャーナル
北野幸伯

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★筆者のプロフィール


北野幸伯(きたの よしのり)


1970年、長野県松本市に生まれる。

田中康夫前長野県知事と同じ松本深志高校卒。

1996年、日本人として初めて、ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学
(MGIMO)(*1)を卒業。政治学修士。

1996年、卒業と同時にカルムイキヤ自治共和国(*2)大統領顧問に就任。

1999年4月、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を創刊。

「わかりやすい!」「笑える!」「予測があたる!」と話題沸騰。読者は、国
際金融機関・政府諸省庁・ロシアに進出しているほとんどの企業から主婦
・女子高生まで。ロシア関係のメルマガで配信数日本一を独走中。

2001年9月より、世界一予測があたる国際金融アナリスト増田俊男氏が
編集主幹を務める月刊誌「力の意志」(サンラ出版)でグローパルアイ・ロシ
アを連載。

2003年9月、長年プーチン大統領のブレーンを務め、ロシアを奇跡の復活
に導いた男Z氏・ディープロシアを知り尽くす唯一の日本人山内氏と共に、
IMT(International Most Trading.,Ltd.)を設立。

2005年1月、『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本
の選択  風雲舎  http://tinyurl.com/dypky  を出版。

週刊東洋経済(2005年3月26日号)で「日本の上っ面の海外報道を覆す」
本と絶賛される。

2005年12月、まぐまぐメルマガ大賞2005ニュース・情報源部門で、ロシア
政治経済ジャーナルが一位を受賞。



*大学卒業後、失敗したこともたくさんあり、一文なしになり家賃を滞納し
たこともありますが、それを語りだすとキリがないので、カットしてあります。


(*1)MGIMOは、ソ連時代「卒業生の半分は外交官に、半分はKGBに」と
言われた超エリート大学。現在も、ロシア外交官の大半は同大学出身者
が占める。

(*2)カルムイキヤは、カスピ海北西岸に位置する仏教国。1993年、31歳
の若さで同共和国初代大統領に選出されたイリュムジーノフ氏は、就任
時既にロシアで5本の指に入る大富豪だった。現在は国際チェス連盟(F
IDE)会長も務めるスーパー大統領。MGIMO出身で大の日本好き。

○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
   

発行者 北野 幸伯

アドレス変更・解除は http://www.mag2.com/m/0000012950.htm


この人の無料メルマガは面白い。この人はアメリカは没落すると見て

いるがわたしもそう思う。日本はアメリカに頼って核を持つなら今しかない。

アメリカが没落してからでは遅い。