万里の長城は万里(5000キロ)ではない。レンガが持ち去られて2500キロに! | 日本のお姉さん

万里の長城は万里(5000キロ)ではない。レンガが持ち去られて2500キロに!

中国を代表する世界遺産として知られる万里の長城 の現存部分が、全長2500キロにも満たないことがこのほど、中国長城学会の調査で明らかになった。 27日付の大衆紙 『新京報』 が、新華社発で伝えた。

 明代 (14~17世紀) の史料によると、長城の全長は約6300キロ。 中国の長さの単位 「」 は、1里500メートルに相当するため、「万里長城」 (5000キロの長城) と称された。
 しかし、自然風化やレンガを持ち去るなどの人的要因により、崩壊がすすんだ。 中国長城学会の最近の調査結果によると 「長城が割合まともな状態で残っている部分は、全体の20%未満、遺跡として認められる部分は30%未満。 現存する城壁と遺跡の全長は、2500キロにも満たず、万里の長城が、消滅の危機に直面している」 という。

 レンガを持ち去るなどの人的要因の崩壊は、1950年代から始まった。 現在は保護意識の高まりで、大規模な盗難事件は少なくなったが、その一方で、落書きや刻字など観光客による破壊、別種のレンガをはめこむなどの粗悪な修復が大きな問題になっている。
 こうした問題を未然に防ごうと、明代の長城がのこる寧夏回族自治区塩池県では、長城の両側に90キロにわたる鉄条網をはりめぐらした。 河北省撫寧県では、地元政府にやとわれた農民18人が毎日、長城付近をパトロールしているという。

 中国政府はこのほど、国として初めて長城全体の保護を明文化した長城保護条例を公布、12月1日から施行する。 条例は 「長城では、土、石、レンガを持ち去ってはならない。 植物を植えたり、刻字をしたり、ペンキなどを塗ったりしてはならない」 などと規定している。

 世界遺産の保護は大前提だが、鉄条網ごしに長城をながめる時代がやってくる? そんな興ざめする外観にならないように、長城自体の補強はもちろん、観光客一人ひとりの意識改革が求められているようだ。

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