バイオエタノール車は、ちょっぴり地球温暖化対策になる?
ホンダ バイオエタノール車を年内に発売
■海外市場 トヨタは来春、米欧追撃
植物原料からつくられるバイオエタノール対応車の開発が、日本の大手自動車メーカーで本格化してきた。ホンダとトヨタ自動車は、100%のエタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行可能な「フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)」を開発し、ホンダは年内に、トヨタは来春にそれぞれブラジル市場で発売する。エタノール対応車の投入で先行する欧米メーカーを追撃するのが狙いだ。
エタノール混合燃料は、混合の割合によって低温での始動性への影響度や出力などが変化するため、安定した動力性能や燃費、排出ガスレベルを維持することが課題となる。特にブラジルでは、100%のエタノール燃料と、政府が混合割合を決めるガソリン混合燃料が併存しており、耐腐食性に優れた部品の搭載が必要になる。
ホンダが開発したFFVのシステムは、排気系に取り付けた排ガス濃度センサーの出力からタンク内の燃料の性質を推定することにより、エタノール混合燃料のエタノール比率が20%から100%までの対応が可能となるという。ホンダは「フィット」と「シビック」の2車種で年内にブラジルに投入する。
トヨタは、他の市場に比べシェアが低いBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興市場での販売拡大の計画を表明している。トヨタが開発したFFVも100%まですべてのエタノール混合に対応可能で来春のブラジル市場への投入をてこに、南米市場での浸透をめざす。
トヨタやホンダは、世界市場に販売するガソリンエンジン自動車を、エタノール10%混合ガソリンである「E10」燃料へも対応できる仕様に切り替えるなど、国内を含む世界市場でエタノールが普及するケースを想定し、対応を進めている。
こうした2社の動きは、他の日本メーカーの動きにも影響を与えている。日産自動車は、2005年に「E85」対応のピックアップトラック「タイタン」を北米市場に投入しているほか、100%エタノール対応車の開発にも着手している。
バイオエタノールは、サトウキビの糖分やトウモロコシのでんぷん質などからつくり出されるアルコールの一種。燃やせば、地球温暖化物質である二酸化炭素(CO2)を排出するが、植物が成長する過程で吸収したCO2が再び放出されるだけだと考えられるため、地球温暖化対策としても注目されている。
ただ、原料となるサトウキビの確保などガソリンに代わるほど、バイオエタノールのインフラ整備が進むかどうかは未知数。トヨタなどは「いつでも対応できる技術開発は進めつつ、市場の広がりを注意深く見守る」という方針だ。
■海外市場 トヨタは来春、米欧追撃
植物原料からつくられるバイオエタノール対応車の開発が、日本の大手自動車メーカーで本格化してきた。ホンダとトヨタ自動車は、100%のエタノール燃料でもガソリンとエタノールの混合燃料でも走行可能な「フレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)」を開発し、ホンダは年内に、トヨタは来春にそれぞれブラジル市場で発売する。エタノール対応車の投入で先行する欧米メーカーを追撃するのが狙いだ。
エタノール混合燃料は、混合の割合によって低温での始動性への影響度や出力などが変化するため、安定した動力性能や燃費、排出ガスレベルを維持することが課題となる。特にブラジルでは、100%のエタノール燃料と、政府が混合割合を決めるガソリン混合燃料が併存しており、耐腐食性に優れた部品の搭載が必要になる。
ホンダが開発したFFVのシステムは、排気系に取り付けた排ガス濃度センサーの出力からタンク内の燃料の性質を推定することにより、エタノール混合燃料のエタノール比率が20%から100%までの対応が可能となるという。ホンダは「フィット」と「シビック」の2車種で年内にブラジルに投入する。
トヨタは、他の市場に比べシェアが低いBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興市場での販売拡大の計画を表明している。トヨタが開発したFFVも100%まですべてのエタノール混合に対応可能で来春のブラジル市場への投入をてこに、南米市場での浸透をめざす。
トヨタやホンダは、世界市場に販売するガソリンエンジン自動車を、エタノール10%混合ガソリンである「E10」燃料へも対応できる仕様に切り替えるなど、国内を含む世界市場でエタノールが普及するケースを想定し、対応を進めている。
こうした2社の動きは、他の日本メーカーの動きにも影響を与えている。日産自動車は、2005年に「E85」対応のピックアップトラック「タイタン」を北米市場に投入しているほか、100%エタノール対応車の開発にも着手している。
バイオエタノールは、サトウキビの糖分やトウモロコシのでんぷん質などからつくり出されるアルコールの一種。燃やせば、地球温暖化物質である二酸化炭素(CO2)を排出するが、植物が成長する過程で吸収したCO2が再び放出されるだけだと考えられるため、地球温暖化対策としても注目されている。
ただ、原料となるサトウキビの確保などガソリンに代わるほど、バイオエタノールのインフラ整備が進むかどうかは未知数。トヨタなどは「いつでも対応できる技術開発は進めつつ、市場の広がりを注意深く見守る」という方針だ。
(産経新聞) - 10月23日