談合だって100%悪でもないという話し
和歌山のある会社が談合をしたのがバレたとかいうニュースが流れた。
そのあたりでは有名な会社だったそうだ。詳しいことは分からないが、
トンエル堀りや道路、橋の建設工事があれば、談合して仕事を順番に
各土木建設会社に回していたのだそうだ。
最近まで電気工事関係の仕事をしていた友人に聞いた話しだが、
談合だって100%「悪」なのではないらしい。
本当に安い会社が仕事を請け負うようになると、いろんな不都合も
出てくるのだそうだ。たとえば最近大阪が高速道路の仕事を公開入札に
よって、一番安く請け負った会社に頼んだところ、その会社は仕事が
欲しいあまりに、自分の会社の能力を超えた仕事を請け負ったらしく、
高速道路の入り口のドブ漬け(溶融亜鉛メッキ)の門が作れなかった。
簡単な作りの門なのだが、門の強度計算ができなくて、門が立たな
かったのだそうだ。
そこで全ての門に取り付ける電気部品を取り付ける電気工事屋さんの
仕事がとどこおり、全員が大損したそうだ。工事が遅れると、その間
工事屋は別の仕事が取れないので、手ぶらで待っているしかないそうだ。
安い公開入札で仕事を請け負った会社は、結局仕事が最後までできず、
大阪府は出来る会社に言い値でその仕事をやらせることになり、電気
工事屋たちは、無駄に何日も待たされて大赤字となった。
建設業界の仕事は、「安ければいいという話し」ではないのだそうだ。
談合をする大手の会社は、その仕事が得意なのは、どの会社か知って
いるので、できない会社には声を掛けない。
また、ぎりぎりの安い値段で仕事を請け負うと、一度の失敗でその
会社は大赤字になるし、余裕が無いと儲けを出すために33人で30日で
するべき仕事を30人で27日で終わらせようとするので、手抜き工事や
危険な工事になるそうだ。談合で得た仕事は、一度失敗して一部、
やり直しをやらされても、儲けは出なくても倒産はしないぐらいの
保険料が入ったゆとりの値段なのだそうだ。
それを全て、資本主義で、安さを競わせて仕事を取るシステムにする
なら、安全に関する配慮や品質保持の配慮を会社にさせないという
意味になるそうだ。
「工事に関しては、なんでもかんでも安けりゃいいってもんじゃない。」と
元電気工事屋の友人は言った。日本の建設業界のクオリティが外国と
比べて高いのは、談合で失敗をしても損が出ないだけの料金をもらって、
企業にゆとりがあるからなんだそうだ。
世の中は、白と黒でできているのではなく、いろんな陰影のあるグレーで
描かれている絵が美しいという場合もあるという話しでした。
建設業界や工事屋さんなどの技術職は、今までのやり方が「悪」と
なったので、これから新しい資本主義のやり方で、どこまで今までの
クオリティを保てるのか、それが問題なのだそうです。