イスラエルからのニュース
2006年10月8日(日)仮庵祭2日目
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*オルマート首相が右派政党イスラエル・ベイテイヌのリーバーマン議
長と会談。同党が政権に入る可能性が強まっている。(H,P,Y)
*シリアのアサド大統領が「イスラエルの攻撃に備えている」とクウェ
ート紙に語った。シリアは数ヶ月前からゴラン高原を武力で奪還する
可能性に言及している。(H,P,Y)
*イランの核の脅威について検討するため、木曜に安全保障閣議を開催
へ。国連のイラン制裁に実効性が期待できないため。(H,P)
*ハマスのハニエ首相が、米、イスラエル、ファタハを激しく避難し、
政権に固執する強硬な演説。ファタハは反発を強めている。(H,P,Y)
*チェコのプラハで反ユダヤテロを警察が阻止。多数のユダヤ人を誘拐
して閉じ込め、不可能な要求を出して殺害する計画だった。(H)
*イスラエルの大学入学資格試験の選択科目にキリスト教が登場。現在
のところキリスト教徒とイスラム教徒の学生だけが選択できるが、将
来はユダヤ人学生も選択できるようになる見込み。(Y)
*イスラエル人に対する意識調査で、神を信じる人が71%。メシア来
臨を信じる人は43%、食事律法を守る人は53%、安息日をいつも
守る人は35%、大贖罪日に断食する人は62%だった。(Y)
*今年もICEJ(クリスチャン・エンバシー)の主催する仮庵の祭り
に世界80ヶ国から4000人のクリスチャンが参加。(H,P)
*昨日から1週間にわたる仮庵の祭。空地などに仮小屋を建て、友人を
招いて食事をしたりして楽しむ。荒野を放浪した時代を覚える祭りで、
エルサレムへの巡礼が定められている三大祭の一つ。(解説)
2006年10月9日(月)
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*レバノン戦争の調査は強い権限を持った国家調査委員会が行うべきだ
と、マズズ検事総長がオルマート首相に提言。政府自身による調査委
員会は手ぬるいとして、各方面から反発が強まっている。(H,P)
*イェシュ・ティクバ(希望はある)という団体が政治改革を提案。現
状の政治制度では政権が長続きせず、指導者は長期的ビジョンを持て
ないとして、制度変更による政権安定化を目指す。(H,P)
*ナブラスのバラタ難民キャンプで国防軍と武装勢力が戦闘。アルアク
サ殉教団のメンバー1人が死亡。国防軍に死傷者は無かった。(H,P)
*ファタハとハマスの連立政権交渉は進んでいると、自治政府のエレカ
ット氏。しかし両者の立場の違いは大きく、交渉は難航か。(P,Y)
*赤十字に当たる赤盾ダビデ社、消防署、国防軍がレバノン戦争時に連
携できなかった反省に立ち、連携組織の設立を治安相が提言。(P)
*アラブ系市民によるアラブ系議員の人気投票で、ティビ氏が圧勝。過
激なビシャーラ氏やバラケイ氏の支持率は低かった。(Y,P)
*ワルシャワゲットーから数千人のユダヤ人の子供を救出した地下組織
の指導者イレーナ・サンドラーさん(96)を、ユダヤ人団体がノー
ベル平和賞に推薦。(H)
*自治区の内戦は避けなければいけないとハニエ首相が強調。金曜日の
過激演説で、内戦は避けられないとの見方が強まっている。(Y)
*ガザの難民キャンプで、アルカイダ系グループがインターネットカフ
ェに放火。自分たちの道徳基準に従わない連中は殺すと警告した。ア
ルカイダは3週間前にも自治政府高官ら5人を殺害している。(Y)
2006年10月10日(火)
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*カタールの特使がガザでハマスとファタハの連立交渉を仲介中。専門
家による政権を作る案と見られるが、内容は不明。しかしハマスの硬
直した姿勢で合意作りは難航している。(H,P,Y)
*警察がカツァブ大統領のセクハラ容疑に関する捜査資料を検察に引渡
し。しかし、あと数人の証人調べが残っているとして、起訴の是非に
関する意見は付けず。(H,P,Y)
*労働党首のペレツ国防相が、イスラエル・ベイテイヌの政権参加に反
対か。党委員会の決定を経てから正式な態度を決める。(P)
*シリアのアサド大統領がイスラエルとの恒久和平の可能性に言及。ま
た、ヒズボラへの武器供給を止める考えを示した。(H,Y)
*テルアビブの南にある複数の病院で、数千人の老人に対して違法な治
療実験が行われていた疑惑が発覚。4人の医師が逮捕。実験で深刻な
後遺症に苦しむ人々や、死者も出ているもよう。(H,P)
*33年前のヨムキプール戦争で、アラブ諸国の奇襲を受けたダヤン将
軍が、一時は弱気になりゴラン高原からの撤退を口にしたことが北部
司令官の日記から判明。将軍は後に考えを変えた。(H)
*野菜、豆、穀類、魚、オリーブ油などを中心とする地中海式の食生活
をすれば、アルツハイマー病の危険性が減るとの調査。血管の疾病が
減るためと見られている。(P)
2006年10月11日(水)
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*レバノン軍がヒズボラから武器を回収か。レバノンの国防相は、ヒズ
ボラが南部から武装メンバーを退去させていると語った。「敵に攻撃
の口実を与えないため」と国防相はその理由を説明。(P,H,Y)
*カタールの仲介案に基づきファタハと連立交渉を進めているとハマス
広報官。しかし、イスラエル殲滅路線を温存できるよう条項の変更を
要求しており、交渉進展の見込みは無いと見られている。(P,H,Y)
*北朝鮮の核実験は米国の政策の結果だとの声明をイランが発表。北朝
鮮の核実験が、イランの核武装の追い風になることは確実。(P,Y)
*アフガニスタンにある米監獄から昨年脱獄したアルカイダの指導者が、
核兵器技術の習得と核テロの実行を呼びかけるビデオを発表。(P)
*ディヒター治安相がレバノン国境のガジャル村を視察。国境をまたぐ
この村は、住民の反対で村内に国境フェンスが建設できないため、過
去にも麻薬取引やテロリスト侵入の拠点となって来た。(Y)
*イスラエル国防軍が2000年の撤退時までに埋設した地雷の地図を
国連軍に引渡し。今回の停戦決議でイスラエルは地図を国連軍に引き
渡すことが義務付けられていた。(Y)
*エルサレムで行われた恒例の仮庵祭パレードに10万人。世界各国か
らクリスチャン5000人も参加した。(P,Y)
*アラブ系市民の村で25歳の女性が喉を切り裂かれ重傷。家名を守る
ための家族の犯行か。家族の認めない男性と交際するなどした女性を
家族が殺害する事件は、アラブ世界で多発している。(P)
2006年10月12日(木)
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*ハマスの系列と見られているテロ組織がナブラスで誘拐した米国人教
師を、アルアクサ殉教団が救出。ハマスは事件への関与を否定した。
被害者の教師はパレスチナ支援団体のメンバーだった。(Y,H,P)
*労働党首のペレツ国防相が、右派政党イスラエル・ベイテイヌの政権
参加に反対の意向をオルマート首相に伝えた。(Y,H,P)
*カタールの提案を受け、ハマスの指導者マシャールが過去の自治政府
の合意を認めるなど、従来より柔軟とも取れる見解を表明。(Y,H)
*カツァブ大統領に休職を促す発言が報じられたマズズ検事総長が「私
は大統領に進退を指図する立場にはない」と釈明。(P)
*西岸地区で国防軍の検問所が4割も増加していると国連が警告。臨時
検問も増加しており、移動に膨大な時間がかかっている。(Y,P,H)
*ヨルダンのアブドラ国王が、権力闘争に明け暮れているファタハとハ
マスに「国家建設の希望は数ヶ月で消える」と警告。(Y)
*ナブラス近郊で爆発物を仕掛けていたパレスチナ人を国防軍が射殺。
ガザでも検問所に接近したパレスチナ人が射殺された。(Y,H)
*ヨルダンが42mのミナレット(尖塔)を神殿の丘に新設する計画を
発表。同国は「イスラエル政府も容認」と発表したが、イスラエル政
府担当者は否定。新塔が建設されれば600年ぶりとなる。(P)
*イスラエルの世論調査で、硬軟両様の声明を出しているアサド大統領
の真意は戦争だとの見方が多数。シリア、レバノン、パレスチナとの
和平が今後5年以内に可能だとの意見はほとんど無かった。(P)
2006年10月13日(金)
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*国防軍がガザ南部の武装勢力拠点を攻撃、武装勢力のメンバーら6人
が死亡した。また国防軍は、ガザにあるハマスの武器工場も攻撃、ハ
マスのメンバーと子供を含む3人が死亡した。(H,P)
*オルマート首相が主要閣僚とイランの核問題への対策を検討。国連安
保理の制裁に期待し、現時点で武力行使は行わないと決めた。(P,Y)
*レバノン戦争に関する調査は、裁判所による国家調査により行うべき
だと主張する2000人が、首相官邸前で抗議集会。(P,H,Y)
*右派政党イスラエル・ベイテイヌの政権入りの話が水面下で進行中。
早くも閣僚ポストが話題に。政権入りの可能性は高い。(P,Y)
*ペレス副首相が「和平交渉を望む」と主張しているシリアのアサド大
統領をエルサレムに招待したが、アサド大統領は拒否。(H)
*ハマスの指導者マシャールは、昨日の演説で「パレスチナ問題の外交
的解決は不可能」と語り、武力闘争路線を再確認。「黒い革命を目指
す連中」だとファタハ指導者を激しく避難した。(Y,H)
*ハマスの代表者が昨日イランを訪問。戦闘員をイランに送り込み、軍
事訓練を受ける交渉を行っていたもよう。(P)
*イラク情勢の悪化でシリアに逃れたキリスト教徒が3万5千人に達し
ていることが判明。イスラム教徒の迫害と治安の悪化が原因。(P)
*レバノンで今回の戦争は米国とイスラエルの陰謀だとの意見が84%。
ヒズボラが勝ったとの見方はシーア派70%、スンニ派36%、クリ
スチャン19%で、全体ではヒズボラ敗北説が優勢だった。(H)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
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発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp