欧米マスコミは日本の首相の訪中を「北朝鮮問題が優先」という報道ぶり
安倍首相の訪中を、欧米マスコミは、いかなる視点で伝えたか?
日本の論調とまるで基調がちがって「北朝鮮問題が優先」という報道ぶり
「安倍・胡会談は“北朝鮮”が優先課題だった」(ヘラルドトリビューン、10月9日付け、一面トップ)。
「日中がついにトップ会談 東アジアの冷戦終結に北朝鮮問題が有益に作用した」(英誌『エコノミスト』、10月7日―14日号)。
このように欧米の基調は北朝鮮問題一色であり、日本のマスコミ論調のような情緒的、かつ靖国問題を表面にだしての歴史的視野からの論議は殆ど軽視されている。
対して日本の新聞は「日中、戦略的互恵で一致」「世界の中の日中模索 薄氷踏みつつ、仕切り直し」(日本経済新聞)
日経はつづけて「経済交流促進を期待 経済界『政冷』不安が後退」などとビジネス面からの解説がめだつ。
「日中、関係改善で一致」「相互信頼へ一歩 首相、『靖国』明言せず」(朝日新聞)と大見出しの朝日はコラム欄で、中国側の発言をとくに引用してこういう。
「破氷の訪問」と中国メディアが伝えたが「氷凍三尺 非一日之寒(三尺にも達する厚い氷は一日の寒さでできたものではない)。
(なら寒くしたのはどっち?)
「首脳相互訪問を再開 日中戦略的互恵関係に」(読売新聞)。
読売は日経、朝日とすこしスタンスを異にして、「中国『実利』を確保」「日中 幅広い協調目指す」「友好以上の関係」と分析がならび、「北の核 共同歩調は不透明」とやや冷ややか。
しかし読売は四面で「中国『江路線』を転換 対日強硬姿勢弱める」として、権力の奥の院での暗闘を示唆した。
政権内で反胡錦濤派の妨害もあり、天安門広場での警戒が厳重であった事実も漏らさずに伝えている。
産経新聞は他紙と圧倒的にニュアンスが異なり、政権内部の暗闘が全面に出され、曾慶紅と組んだ胡が、江沢民残党を切り崩して、脱反日路線への激闘が舞台裏で繰り返された事実をつよく出している。
産経は一面トップも「日中 互恵関係を模索」との大見出しを打って、互恵が確定したという淡いイメージをふりまく各紙と距離をおいて“模索”の文字。また「北の核阻止でも一致」とある。
さて冒頭のヘラルド紙は、AP、UPI、AFPの北京電をまとめて書かれているが、小見出しも「北京で日中首脳は北朝鮮の核の脅威に共同して対応」と、両国の協調へのシグナルを大きく扱っているだけ。
英誌『エコノミスト』のほうは、日本の特集をふたつの記事に掲げて、深く掘り下げての解説のなかに、「靖国」「教科書」問題の存在も数行、登場するものの、「両国関係の悪化は小泉前首相の神社参拝だけが原因ではなく、北の核実験宣言をチャンスに活かしての、東アジアにおける冷戦の終結への展望が、日中両国を接近させた」。
また「中国は日本との貿易尊重および日本からの投資の継続をすこぶる重視しており、近未来への展望へ向けての舵取りの変更なのである」と冷徹な解説をする。
「日本企業が現地で雇用している中国人は、いまや920万人。昨年も反日暴動にも関わらず投資は旺盛で前年比20%増加、日本からの対中輸出も6・4%のびた」
東シナ海のガス田開発で両国は一歩の歩み寄りもみせてはいないが、として同誌は続ける。
「地域限定的とはいえ、上海では反日的な歴史教科書が改訂された」。
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(お知らせ1)
きたる11月3日(祝日)に東京・九段において
宮崎正弘の講演会が開かれます。時間、場所、会費、予約方法など詳細は、近日中にこの欄で告示します。
どなたでも参加いただける会です。
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(お知らせ2)
百人斬り訴訟 最高裁での逆転勝訴を目指して
「司法の歪みと対中外交を糺す決起集会」
奇妙なる判決が横溢しているのも司法界に巣くう左翼裁判官と、これを背後で支える反日日本人と奇妙なマスコミの目に見えない共闘。
これを糾弾する緊急集会が開催されます。
とき 10月13日(金曜日) 午後六時
ところ 九段会館 ホール
登壇者 渡部昇一 (上智大学名誉教授)
黄 文雄 (評論家)
稲田朋美 (主任弁護士、衆議院議員)
花田紀凱 (WILL編集長)
遺族代表 野田マサ、児島ミドリ、エミコ・クーパー、向井千恵子
どなたでも参加できます。
お問い合せ (03)3263-6041 百人斬り訴訟を支援する会
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成18年(2006年)10月10日(火曜日)
通巻第1579号 (10月9日発行)
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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訪中した次の日に北朝鮮が核実験をしたのは、なんとも日本や支那を
バカにした嫌な態度。
ロシアは、北朝鮮の核実験を感知したと言っている。