北朝鮮に核実験を抑制するようにチャイナとして働きかけをしていくと確約した。
北朝鮮に働き掛け、核実験抑制で中国=安倍首相、拉致
問題でも協力要請
【北京8日時事】安倍晋三首相は8日午後、中国の胡錦濤国家主席ら
との会談で、北朝鮮が核実験実施を宣言したことについて、「国際社会
の平和と安全への脅威で、絶対に容認できない」と述べ、中国が核実験
阻止に向け影響力を行使するよう要請した。
これに対し、胡主席ら中国側は「北朝鮮が核実験を抑制するよう中国とし
て働き掛けをしていく」と確約した。
日中プレス発表は、核実験を含む北朝鮮の最近の動向に関し、両首脳
が「深い憂慮の念」を表明したことを明記。
(1)核開発問題をめぐる6カ国協議のプロセスの推進
(2)対話と協議を通じた朝鮮半島の非核化実現
(3)北東アジアの平和と安定の維持のための協力-に力を尽くすことを
確認した。
また、首相は拉致問題について「日本の主権を侵害して国民の人生を
奪った深刻な問題」と説明。
「拉致解決なくして、(日朝)国交正常化はない」と中国側の協力を要請した。
これに対し、中国側は「理解し、協力していく」と表明した。
<日中首脳会談>共通の課題解決へ「戦略的互恵」構築
合意
【北京・佐藤千矢子】安倍晋三首相は8日午後、中国を公式訪問し、
北京の人民大会堂で胡錦濤国家主席と約1時間20分、会談した。
胡主席が「靖国神社に(小泉純一郎前)首相が行って、中国・アジア国民
の感情を傷つけた」と参拝自粛を求めたのに対し、安倍首相は参拝する
かは言及しないとした上で、「政治的困難を克服する観点から適切に
対処したい」と表明した。安倍首相はまた、国際的課題も含め日中の
共通利益を追求する「戦略的互恵」の構築を提案し、胡主席も賛同した。
北朝鮮の核実験予告問題では、実験阻止で連携することで一致した。
日中首脳会談は昨年4月にジャカルタで開かれて以来、1年半ぶり。
靖国問題で、安倍首相は戦後の平和国家としての日本の歩みを強調。
「(小泉前首相らの)参拝は追悼と慰霊のためであり、軍国主義を美化
したり、A級戦犯を賛美するものではない」と理解を求めた。
自らの参拝に関し「行ったか行かないか、言及しないことにしている」と
述べた。
日中双方とも靖国問題での衝突を回避し、安倍政権誕生を機に関係
改善に踏み出す会談となった。ただ安倍首相の在任中の靖国参拝に
ついては、双方が都合よく解釈できる余地を残し、火種を残した。
安倍首相は胡主席、温家宝首相の訪日を招請、原則的に同意を得た。
安倍首相は呉邦国全人代委員長とも会談した。
安倍首相は胡主席と、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)
首脳会議の際に再会談することで合意。
これに先立つ温首相との会談でも12月の東アジア首脳会議で再会談
することを確認した。
一連の会談では、安倍首相の提案を受け、日中両国の有識者による
歴史共同研究を年内に開始することで一致した。
脅威で絶対に容認できない」として、核実験阻止に向け中国の一層の
働きかけを要請。胡主席は「中国としても働きかけていく」と応じた。
安倍首相は拉致問題の解決にも協力を求め、中国側は「理解し協力
する」と答えた。
台湾との関係については、安倍首相は「今まで通りで、何ら変わり
ない」と説明した。
日中両国は会談を受け、「日中共同プレス発表」を出した。
日中の共同文書は98年の「日中共同宣言」以来。
安倍首相と温首相との会談で、ガス田問題で局長級協議を早期に再開し、
共同開発に向けた話し合いを加速することで一致した。
中国側によると、温首相は関係改善に向け、政治的な相互信頼の増進
など「五つの意見」を提示したという。
◇会談のポイント
一、両国の共通利益を追求する「戦略的互恵」関係構築で合意
一、胡主席は靖国問題で「政治的障害の除去」を求める。
安倍首相は参拝の有無を明言しない方針を示す
一、安倍首相は戦後60年の日本の歩みに「正当な評価」を求める
一、両首脳は北朝鮮の核実験阻止に向けた協力で一致
一、安倍首相が中国首脳の訪日を招請、原則合意
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安倍首相と温首相との会談で、ガス田問題で
局長級協議を早期に再開し、
共同開発に向けた話し合いを加速する
ことで一致した。