中秋の名月
夜に歩いていてフト感じた。今夜の月はやけにブライトだぞって。
空は暗く、月はスポットライトを当てたプラチナのような輝き。
宇宙を感じるような深い深い空。星は見えなくて月と雲だけが
空に浮かんでいる。上空の風がきついのか、雲の流れが速い。
月が走っているように見える。
家に帰ってからテレビを付けると「今日は中秋の名月です。」
なんて言っている。どうりで月がきれいに見えるはずだ。
テレビを付けたまま寝ていたようで、朝の四時ごろ、うるさいバイオリンの
クラッシック音楽で目がさめた。ベランダのサッシごしに空を見上げると
向かいの団地の屋上の角に中秋の満月がまだいた。雨なのに月が
見えたのが不思議だった。家に帰るときに見た時と同じ明るい月だった。
中秋の名月を二度も見ることができたのでちょっと得した気分になった。