イスラエルからのニュース
2006年9月27日(水)
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*自治政府のアッバス議長がエジプトを今日訪問し、ムバラク大統領と
会談の予定。ハマスの強硬姿勢で暗礁に乗り上げている自治政府の連
立交渉を、エジプトの影響力で打開することを目指す。(P)
*レバノン南部に残る国防軍と国連軍が、ヒズボラへの対処をめぐり協
議中。国連軍はヒズボラが国境からイスラエルを挑発した場合「存在
を示してヒズボラに自主退去を促す」と説明している。(H,P)
*国防軍が6月末から拘束しているハマス閣僚の拘留期限を無期限に延
長すると、軍事裁判所が決定。テロ組織のメンバーであり、釈放すれ
ば国家の安全保障上問題があるとの理由による。(Y)
*労働党のペレツ国防相が左翼平和NGOの代表らを前に「イスラエル
が平和を求めても、相手がいない」と演説。(P,H)
*イスラエルでは、パレスチナとの和平交渉に賛成意見が増加。一方パ
レスチナでは、ヒズボラを真似てイスラエルを無差別砲撃すべきだと
の意見は63%、兵士を誘拐すべきだとの意見は75%に。(H,P)
*南アフリカの人権専門家ドガード氏が、ガザのパレスチナ人の苦境は
イスラエルの全面的な責任だと国連人権委員会に報告。(H)
*エルサレム市の西側の山地を宅地開発にする案を政府が検討中。しか
し、50人の国会議員が環境問題などを理由に反対している。(P)
*国会定員を120人から180人に拡大する案。しかし「悪質議員は
120人で十分。これ以上はいらない」と支持は少ない。(P)
2006年9月28日(木)
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*自治政府のハニエ首相の側近であるシャエル副首相が釈放に。国防軍
兵士との捕虜釈放交渉が前進している兆候と見られている。(Y,H)
*ガザからはほぼ毎日、スデロットに対して
数発のロケット砲撃。
火曜 日には負傷者が出ている。
ディヒター治安相は、自治政府とハマスに
砲撃を思いとどまらせる作戦を考えるべきだと語った。(Y)
*第二次世界大戦中に3万3千人以上のユダヤ人が虐殺されたウクライ
ナのバビヤールで、EU首脳やカツァブ大統領が記念式典。ナチスは
最初の2日のみ虐殺者の数を記録した。死者の全数は不明。(H,P)
*国防軍の新北部司令官にエイゼンコット氏。前任のアダム氏はレバノ
ン戦争の責任を取り、2週間前に辞任を表明していた。(P,Y,H)
*昨年のガザ撤退を阻止するため、西岸地区で4人のパレスチナ人を無
差別に射殺したユダヤ人のテロリストに4回の終身刑。イスラエルで
は死刑が無く終身刑が最高刑となる。(P,H)
*国防軍が兵士にビデオ撮影の本格的な訓練を開始。前線で従軍する多
くの兵士にビデオカメラを持たせ、テロリストが民間人を盾に戦う様
子などを撮影し、世界に配信できる体制を整える。(P)
*エジプト政府のスレイマン氏が、ダマスカスのハマス指導者マシャー
ルに対し、国防軍兵士の解放とアッバス議長への協力などを強く要求。
マシャールの強硬路線のため、ハマスは現実路線が取れない。(H)
2006年9月29日(金)
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*国防軍のレバノン完全撤退はあと数日で完了へ。ヒズボラの武装解除
は出来ず、近い将来に全面戦争が起こる可能性が高い。(H,Y)
*米国のライス国務長官が来週に中東を歴訪へ。アラブ諸国の指導者と
会談し、パレスチナに平和をもたらす方法を検討する。(H)
*ガザからの砲撃が止まらないなら、大規模な侵攻作戦を行うと、ペレ
ツ国防相。ガザ全体が巨大なテロ基地と化しつつあり「レバノン化」
を防ぐためには再占領しか無いと国防軍幹部は語っている。(P)
*国連のパレスチナ難民救援機関(UNRWA)が、ハマスを支援して
いると、米議員が告発。UNRWAの最大援助国は米国。反テロ法に
違反して、米国民の税金がテロ組織に流れた可能性が高い。(P,H)
*ガザとエジプト間の「フィラデルフィ回廊」地帯に国際平和維持軍を
駐留させる案を、政府とEUが協議中。国防軍の撤退後、大量の武器
がガザに密輸されていると、シンベトは分析している。(P)
*ガザからのロケット砲撃が続く現状
では、西岸地区の入植地撤去は
不 可能だと、ペレス副首相。
また従軍ラビのワイス師は、退任挨拶で「 入植地の撤去は、
今後決して行ってはならない」と語った。(P,Y)
*何ヶ月も給料が止まっている自治警察の職員が、ガザでタイヤやゴミ
を燃やすなどして抗議。自治政府は昨日、カタールなどの援助により
16万人余りの職員に350ドルを支給した。(P,H)
2006年10月1日(日)
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*国防軍兵士が今朝未明にレバノン南部からの撤退を完了。国防軍は先
週から順次撤退を進めていた。(P,Y,I,7)
*米国のライス国務長官が中東歴訪を開始。今日、サウジアラビアに到
着し、エジプトを回って水曜にイスラエル入りの予定。(P,Y,H)
*フランス文化を共有する53ヶ国の会議OIFで、レバノン戦争に関
するイスラエル非難決議をカナダが阻止。
アラブ諸国はイスラエルを 一方的に非難する決議の採択を目指し
ていた。(P)
*レバノン戦争中に国防軍が国連軍基地を誤爆した問題で、国連は「イ
スラエルが調査を妨害している」と非難した。(H,Y)
*テルアビブ近郊のリション・レツィオンで金曜に自動車爆弾が爆発し、
1人が死亡。犯罪組織の抗争によるものと見られている。(P,Y)
*2000年に発生したアラブ系市民の暴動で死亡した12人を追悼し、
数千人のアラブ系市民がデモ。大きな混乱は無かった。(P,Y)
*レーダーでミサイルを検出し、自動的に迎撃する戦車防衛システムを
めぐり複数の会社が競合。早く装備できる機種を選ぶか、時間がかか
っても高性能な機種を選ぶかで判断が分かれている。(P)
*昨夜また、スデロット市の民家をカッサムロケット砲
が直撃し、2人 が負傷。
ロケット砲攻撃は止まる気配を見せ
ていない。(Y,7)
*ファタハ系の警官が給料不払いに抗議して自治区の各地で暴力的な抗
議行動。アッバス議長はクーデターでハマス政権を倒そうとしている
と、ハマス幹部が懸念を表明した。(P,Y)
*オリーブの収穫シーズンを前に、国防軍がパレスチナ農民の警備を強
化。入植者によるパレスチナ人への妨害が増加しているため。(P)
2006年10月2日(月)ヨム・キプール(大贖罪日)
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*ガザで日曜にファタハとハマスの激しい銃撃戦があり、8人が死亡し、
75人以上が重軽傷を負った。ラマラでも議事堂が放火されるなどし
ており、騒乱が激化する可能性もある。(Y)
*レビ記23章27節に定められたこの日は、前日の日没から25時間
にわたり、絶飲絶食で神の前に悔い改める。宗教的でない人でも、こ
の日だけはシナゴグに足を運び、礼拝に出席する人が多い。(解説)
*キブツは無宗教の人が多く、大贖罪日を守る人は少なかったが、近年
ではヨム・キプールの礼拝を行うキブツが増加。存在理由を失いつつ
あるキブツは、心のよりどころを求めているとの分析も。(H)
*アラブ系議員からは「ユダヤ人はアラブ人に対する罪を悔い改めよ」
との呼びかけ。報道機関からは、市民に対して「戦争中に罪も無い報
道機関を罵倒した罪を悔い改めて欲しい」との論説も。(P,Y)
2006年10月3日(火)
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*昨日もファタハとハマスの抗争は西岸地区で続き、さらに3人が死亡。
日曜からの負傷者は120人に達した。アッバス議長は各派に自制を
呼びかけ、エジプト政府も両派の仲介工作を行っている。(H,P,Y)
*イスラエルとの和平は6ヶ月以内に可能だとシリアのアサド大統領が
発言。同国はイラク国境からレバノン国境に軍を移動中だが、ヒズボ
ラへの武器供給を止めるのは不可能だと語った。(H,P,Y)
*ヨルダンのアブドラ国王がエジプトのカイロでムバラク大統領と会談。
激化しているハマスとファタハの武力抗争への対策や、自治政府の新
体制などが議題になったもよう。(P)
*国防軍の完全撤退を受け、国連軍とレバノン軍が引き続きレバノン南
部に展開中。クリスチャン系住民など、ヒズボラから迫害を受けてい
た地区の住民は、レバノン正規軍を歓迎した。(H,P)
*国防軍は今後もレバノン上空の偵察飛行や、国境上にあり、ヒズボラ
の侵入拠点となっているガジャル村の監視も続ける構え。レバノン政
府とヒズボラは「挑発行為」だとイスラエルを非難した。(H)
*国防軍兵士1人と、1000人のパレ
スチナ人政治犯を交換するとの
条件を、ハマスが拒否したとエジプトの
外相が語った。
ダマスカスの マシャールが反対しているのが原因と見られている。(H)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
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発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp