ドタキャンという選択肢もある. | 日本のお姉さん

ドタキャンという選択肢もある.

 上海で老人たちも汚職撲滅デモ、警官隊と衝突
  「祝 陳良宇失脚」の横断幕、保険金をだまし取られた市民が
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 さきの上海スキャンダルは市の社会保障局長が拘束され、上海市のトップ、陳良宇一族の拘束へと発展した。上海をスキャンダルまみれにした陳は政治局序列18位のポストを喪った。

 もとも上海共産党政府に限らず、全国どこへ行っても汚職の実態はおなじような、独裁政権の体質的宿阿である。
 絶対権力がつづく限り、汚職腐敗はつづく。
 前任の黄菊のときは、上海政府は「黄菊政府」と呼ばれるほどの腐臭を放ち、かれの失脚も時間の問題である。

 おさまらないのは保険金をだまし取られた老齢の市民である。
 直訴者ら二千人が、「祝・陳良宇失脚」、「社会保障局副局長も辞職せよ」の横断幕を掲げて、上海市社会保障局前で抗議行動を敢行する事件があった(9月27日)。
博訊報、多維新聞などに依れば、抗議の老人らが警察の鎮圧をもろともせずに暴力的衝突をくりかえしたという。

 直訴者の大半が1960年代に農村に下方され、遠く新彊ウィグル地区へ派遣された。
新彊から上海に戻れば、わずかな年金ぐらし。病気になっても薬もかえないほど、まさに赤貧洗うが如し。医療も受けられず、病気治療システムからも阻害され、怒りを爆発させて社会保障局へのデモとなった。

上海では、このたぐいのデモは日常茶飯とはいえ、老人が警察に立ち向かったのは異例といって良いだろう。
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(読者の声1)どうやら、潘基文氏が国連事務総長になる気配ですね。米国の新聞をいくつかのぞいた感じでは確定っぽいです。
 いやな奴がなりやがったと思いますが、反面、チャンスでもあるように感じます。
「東アジアの安定のためにも、その阻害要因である竹島問題を国際司法裁判所に提訴するよう、日韓両国に勧告せよ」と圧力をかけたらどうかと思うからです。で、反対するなら中立でないことを暴露するわけですし、「まともな言論による平和創造を推進しない国連への分担金拠出を拒否する」と脅せばいい。呑めばこっちのものです。
 こんな発想、だめでしょうか。アタマがお花畑なのかどうか、先生のご意見伺えますか?
もし可能性があるようなら、就任後から、英米豪蘭その他の英語誌にかたっぱしから投稿してみようかとも思います。
 ところで、賞味期限切れの話題かも知れませんが、先生が先日紹介なさっていた長野氏の著作、貴誌を通じて復刊運動できないものでしょうか。
予約注文をとれば、数千レベルであつまるように思います。おそらく予約段階で1000部くらいになれば、出版社としても採算がとれると思いますし。「復刊ドットコム」http://www.fukkan.com/  を使うというオーソドックスな手もあります。
   (熊本 かろかろ)


(宮崎正弘のコメント)後者のご質問から。或る出版社が長野朗さんの『シナの真実』の復刻を検討しております。
 さて韓国外相の次期国連事務総長ポスト獲得確実なニュースですが、昨年の春、日本の常任理事国入りを妨害したくにぐにが、賛成しており、しかも日本も韓国に賛成している。
 なんと日本というくには寛大なのでしょうか。
仏教でいう「活佛」とは、我が国の寛容無比な姿勢のことではありますまいか。


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(読者の声2)貴誌10月3日付け、1572号掲載の「(宮崎正弘のコメント)直前に安倍首相が訪中、訪韓を“ドタキャン”するってのはどうでしょうか。」
とあります。
「秀逸」ですねェー。
座布団3枚です。
ところで宮崎先生に質問があります。安部総理の国会答弁ですが、「(靖国神社に)行くか行かないか、参拝したか、していないかについて宣明にするつもりはない」とやや禅問答的答弁なのですが、私はこの答弁では、なんとか国内向けにはこなせても、対外的(要するに対中、対韓)には、「この言い方」は通用しないと思うのですが、先生はどのようにお考えでしょうか?
    (KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)禅問答で当面は切り抜けることが可能、と読んでいるのでしょうね。「靖国特攻隊」(片岡鉄哉氏の命名)も小泉さんの参拝で溜飲を下げましたから安倍さんにも同じ期待を持つより、戦術効果を狙う方向へ流れていると思います。つまり安倍首相の参拝は当面ないでしょう。あくまで現象面の話ですが。
 昨夜もテレビで、「ドタキャンという選択肢もある」と発言しましたが、賛成の声が圧倒的だった由です。


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(読者の声3)貴誌10月3日に掲載された「TK生さん」の宝山製鉄所に関する情報を読み、そのTKさんの引用された、ありもしない情報を縷々述べておられることに唖然としました。
実態を投稿します。
私は1978年から宝山製鉄所の建設に携わった一人の技術者で、現在も度々訪問し直近では9月28日に訪問してきたばかりです。
現在、宝山製鉄所は4本の高炉が稼働し、うち2本は新日鐵が建設当初に建設したもので、その後に2本の高炉が中国の力で建設され、いずれも順調に稼働しています。
製鋼工場も2つの工場がフル生産し、厚板工場、シームレス鋼管工場、熱延工場、珪素鋼板工場、冷延工場など最新鋭設備が日本、欧州のメーカーから導入され拡張を続け、自動車用薄板鋼板も中国に建設した日本の自動車メーカーへ供給されています。このように品質的にも中国だけではなく、世界に誇れる製鉄所の1つに発展しています。
米国合衆国諜報員からのかなり信憑性の高い情報と記載されていますが、とんでもない誤った情報です。
せめてもの救いは宮崎先生のコメントにあります「信じがたい話」と書かれていることです。
私は中国ビジネスに関わって約30年になりますが、多くの人がこのような誤った情報により惑わされて真実の姿が伝えられていないことです。
確かに中国には日本と違った多くの問題が存在しますが、お互いが誠意を持って理解し合い、お付き合いしていけば何ら問題のない国です。
政治体制など大きな問題はありますが、それは冷静な目で各人が判断し考えていくことが大切です。現地・現場を見ないで他人の情報で間違ったことを第3者へ伝えることは止めて欲しいと思いまして投稿させていただきました。
(遠賀太郎)


(宮崎正弘のコメント)ご投稿有り難う御座います。こういう現場の意見を私たちは知りたいのです。
小生も現場はあちこち踏んでいて、そのままの声を伝えていますが、なにしろ現場の日本人の声が挙がりません。中国でだまされた日本企業も、なぜか、失敗を語りません。
 話は飛びますが、山崎豊子さんの『大地の子』。じつは小生も取材協力者のひとり、是非、巻末の一覧表も、おついでのおりに御覧下さい。
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<宮崎正弘の新刊>
『中国から日本企業は撤退せよ!』
   (阪急コミュニケーションズ刊、定価1680円)
        絶賛発売中!

<宮崎正弘のロングセラーズ>
『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店刊。定価1680円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版、1470円)
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成18年(2006年)10月4日(水曜日)  
通巻第1573号   
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