支那(china)は変わろうとしているのか? | 日本のお姉さん

支那(china)は変わろうとしているのか?

胡総書記 上海事件をどう生かす

中国の政治が急展開を見せている。

地方幹部の汚職の摘発が相次ぎ、上海市のトップも解任された。地方幹部が絡む汚職や不正が放っておけないほどひどくなったためだが、背景にある中国共産党内部の主導権争いも見逃せない。

 中国経済を引っ張る上海市で発覚したのは、市幹部が約500億円の社会保障基金を民間業者に不正に融資した事件だ。市の最高指導者である陳良宇・党上海市委員会書記も事件にかかわったとして、「重大な規律違反」に問われた。

 上海では不動産バブルが指摘され、政府は抑制措置を求めたが、上海市側の抵抗で徹底できなかったという。それどころか市はトップぐるみで特定の業者に巨額の不正融資をしていたわけだ。

 急速な経済発展の陰で、貧富の差は大きく開き、医療や福祉、教育制度の不備も重なって貧しい人々の不満がたまっている。その一方で、地方幹部が企業とつるんで私腹を肥やす行為が目立つ。地方政府が不動産業者の便宜を図った結果、わずかな代価で土地を追い出された住民との争いが各地で起こっている。

 役人の腐敗をこのままにしておけば、共産党への批判は強まるばかりだ。胡錦涛総書記はそう考えたのだろう。1年に1度の党中央委員の全体会議を間近に控え、上海の大型汚職を摘発することで不正を許さない姿勢を見せたといえる。北京などでも汚職の摘発を続けている。

 上海トップの解任は、もう一つ政治的な意味を持っている。

 胡氏は02年に総書記に就任してからも、前総書記の江沢民氏につながる勢力との主導権争いが続いていた。その主力は、江氏が上海から中央に引き上げた幹部たちで、上海グループと呼ばれる。その本拠地にメスを入れたことは、上海グループの力を弱め、強い権力基盤を築いたことを示している。

 胡氏が主導権を握れば、何が変わるのか。大ざっぱに言えば、江沢民時代の成長至上主義から、胡氏が唱える「調和のある社会」への流れが加速するということだろう。この調和には、貧富の差を縮め、環境に配慮し、資源を節約することが含まれる。これらの実現は容易ではないが、時代が求めているものだ。

 胡氏は法律を守ることの大切さを説き、国民の声に耳を傾けるよう党員に訴えてきた。もしそれが本気なら、最近目立つメディア規制などの引き締めを改め、報道や表現の自由を広げ、政治の透明化へかじを切るべきだ。

 胡氏の基盤が強まることは、日本との関係にも影響を及ぼす。胡氏は日中協力への意欲が強いが、日本に厳しい江氏との調整が必要だったといわれる。歴史問題などで中国指導者としての原則的な立場は変わるまいが、ひとつひとつの局面では柔軟な対応が期待できる。

 日本側も安倍新政権ができたばかりだ。この機を逃さず、日中関係の改善を急いでもらいたい。 http://www.asahi.com/paper/editorial.html


今より悪くならないなら、どんどん変わって欲しいですね。