いずれ造船大国になる支那 | 日本のお姉さん

いずれ造船大国になる支那

中国船舶工業行業協会によると、今年上半期(1~6月)に中国の造船新規受注量が1,608万載貨重量トン(以下同)となり、日本を抜いて韓国に続く世界2位になったことが20日までに分かった。近年、中国の造船業は成長が目覚ましい一方、技術面や国産部品の使用率が少ないなどの問題も残っており、外国企業の積極的な受け入れで現状を改善しようとする動きも出ている。新規受注では抜かれたものの、造船大国・日本の技術参入の余地もあることから、日系企業にとっても大きなビジネスチャンスが横たわっているといえそうだ。

 中華工商時報によると、今年上半期に中国国内の造船企業の新規受注量は1,608万トン。完成分を除いた手持ち受注量は、5,092万トンに達している。2008年までの建造工程はすでに決まっている状態で、今後も順調な発展が見込まれている。
 
 近年、中国の造船業は毎年比40%以上のスピードで成長を続けており、昨年は完成受注量1,212万トン、新規受注量1,699万トン、手持ち受注量3,969万トンで、10年連続の世界第3位だった。上半期の新規受注量は昨年通年に迫るもので、好調な中国の造船業界を裏付けるものといえる。
 
 また、コンテナ船とバラ積み貨物船の造船量では、中国はすでに世界第2位となっており、30万トン級の大型タンカー(VLCC)や8000箱級の超巨大コンテナ船、大型液化天然ガス(LNG)船なども国際市場に送り出しており、世界の造船業界での存在感が増している。
 
 中国では、タンカー、バラ積み貨物船、コンテナ船の3種を主力として、独自のブランド作りに力を入れており、「中国大連型」と「中国上海型」は各国の物流・造船界でも名が知られるようになってきたという。
 
 しかし一方で、現在の中国の造船業は労働資本の安さに支えられているところが大きく、研究開発(R&D)能力の低さや、工場が各地に離散しているなどの弱点も表面化。さらに部品の生産能力に欠けているなどの問題が指摘されているという。
 
 特に国産部品の使用率は平均で40%程度しかなく、残りを輸入品でまかなっているのが実状だ。日本の98%や首位・韓国の85%に比べると、その比率には大きな差があることは間違いない。また、無線通信、自動航行システムなどの機械設備や大型コンテナ船など、高度な技術を必要とする分野でも、日本や韓国などに大きく遅れを取っており、付加価値の高い分野でのテコ入れが必要なようだ。
 
 こうした業界内の弱点を克服するために、外資企業との連携を強めるべきとの意見が高まっている。
 
 現在、中国国内には45社の合弁船舶部品メーカーと、40社の外資系船舶部品メーカーがあるが、専門家は外資の参入により、技術や企業管理の分野において大きく向上が望めると指摘。中国政府も今後、国内産部品の使用率を上げるため、武漢、大連などに専門の工業園区を建設するとしている。今後は好調な受注を維持しながら、外国企業の高度な技術を吸収するとともに、国内企業の研究開発能力を向上させ自主ブランドを育てることが更なる発展のカギとなっているようだ。
 
 また、2010年までに中国国内の船舶部品市場は420億元を超えるという専門家の指摘もあり、今後、船舶部品分野での外国企業による合弁や買い上げなどを奨励していく方針を明らかにしている。
 
 造船大国・日本を追い抜く勢いで成長を続ける中国造船業界だが、その補完関係から日中間の企業連携でウィンウィン関係の構築も十分可能といえそうだ。【上海・大野草太】
(NNA) - 9月21日
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