銀座ABCギャラリーでチャリティー写真展
アジア撮り続け37年 地震被災者支援写真展
今年5、7月にインドネシア・ジャワ島で相次いで起きた地震の被災者を支援するため、写真家の管洋志さん(61)が、銀座ACギャラリー(中央区銀座5)でチャリティー写真展を開いている。アジアを撮り続けてきた管さんにとって、同国は何度も通ったなじみ深い国。「アジア人の一人として、お世話になってきた場所にお返しをしたい」と話している。
管さんは、ネパールやチベット、タイなどアジアに魅せられ、これらの地を撮り続けて37年になる。アジアは、「日本と同じ米作地帯が多いためか、人間が自然の恵みによって生きていることを感じられ、日本人も安堵(あんど)感を覚える場所」なのだという。
チャリティー写真展の準備のため、今年7月にジャワ島に渡って取材をした。地震で家を失った人も多いはずなのに、現地の人たちの表情は管さんの目には意外に「のんきに」映った。村のほとんどの建物が倒壊しているような場所では、多くの被災者は近所の人と助け合いながら掘っ立て小屋で暮らしていた。取材を進めるうち、「家族や近隣との結びつきがあるから、被災後でも安心していられるのではないか」と考えるようになったという。
写真展「アジア育ち」では、1980年代初頭から近年にかけて、管さんがネパールやチベット、ブータンなどアジア各国で撮影してきた写真40点を展示。管さんによると、現在、被災地では食料は足りているものの、井戸が地震で破壊されたため、飲み水の確保が困難な状況という。写真展での写真の販売収益は、日本国際ボランティアセンターと現地のNGOを通じて井戸や衛生設備の再建に使われる。
写真展は23日まで。午前11時~午後7時(最終日は午後5時まで)。問い合わせは、銀座ACギャラリー((電)03・3573・3676)へ。
(2006年9月20日 読売新聞)