イスラエルからのニュース
2006年8月30日(水)
****************************************************
*中東歴訪中のアナン事務総長がイスラエル入り。ペレツ国防相と会談
し、レバノンでの停戦違反の大半はイスラエル側だと非難した。週末
には5千人の国際部隊がレバノンに展開へ。(Y,P,H,I)
*シナイ半島からガザへの武器密輸が激化していると、シンベトのディ
スキン長官が国会で証言。イスラエルの支配から離れたガザ-エジプ
ト国境は、密輸が横行している。(P,I)
*国防軍もレバノンでの戦争遂行に関する調査委員会を設置。委員長は
決まっているが、調査権限や調査範囲などは決まっていない。(H)
*ガザで誘拐されていたFOXニュース社の記者2人が釈放。2人が銃
で脅され「イスラム教に改宗した」と語るビデオが公開された。仲介
した中東和解基金のホワイト氏が「改宗」を提案したもよう。(Y,P)
*週末にフィンランドで開催されるEU外相会議の議題に、パレスチナ
問題が取り上げられると同国大使が語った。レバノン問題の影響でパ
レスチナ問題はほとんど無視されていたため。(P)
*20年前にレバノンで行方不明になったアラド飛行士のドキュメンタ
リー映像の制作にイスラエル人監督が参加。映像はもうすぐ公開され
るが、新事実は無いもよう。(Y)
*シナイ半島でテロの危険が高まっているとして、政府は現地にいるイ
スラエル人に即時非難を呼びかけ。(I,H)
2006年8月31日(木)
****************************************************
*アナン事務総長がオルマート首相と会談し、レバノンの封鎖の解除や
国防軍の早期撤退を要求。首相は、兵士の釈放が先だと答えた。アナ
ン氏はまた、ラマラで自治政府のアッバス議長と会談。(Y,P,H)
*リンデンストラウス国家監査官が、レバノン戦争中の政府の対応につ
いても監査する方針を表明。オルマート首相が設置している調査委員
会では、まともな調査はできないとの批判が高いため。(H,I,Y)
*ガザではここ数日、各地で散発的な戦闘。この4日間でパレスチナ人
の死者は20人に達した。また、イスラム聖戦は先週に重傷を負って
いた幹部が死亡したため、報復を宣言した。(Y,P,H)
*レバノンのシニオラ首相がイスラエルとの単独和平はありえないと発
言。イスラエルとの直接交渉を否定した。(Y,H)
*アラブ連盟のムーサ議長が新しい包括中東和平案を加盟国に送付した
ことが判明。来週に行われるアラブ外相会議で検討か。しかし、イス
ラエルとパレスチナの支持を得られる見込みは薄い。(H)
*第二次大戦時にフランスから収容所に送られたユダヤ人の家族がフラ
ンス国鉄を提訴。ナチスの虐殺に協力したとの理由による。(Y)
*東エルサレムで学校の教室が不足していると住民らが訴え。政府は過
去にも教室増設を裁判所に命じられているが、実施していない。(P)
2006年9月1日(金)
****************************************************
*ペレツ国防相が戦争遂行に関する調査委員会の権限強化に賛成を表明。
オルマート首相の方針とは逆であるため、政権内に亀裂か。(H,P,Y)
*まだ誘拐されたままの3人の国防軍兵士の帰還を求める集会がテルア
ビブのラビン広場で行われ、約4万人が参加。(H,P,Y)
*ドイツがヒズボラとイスラエルの捕虜交換の仲介を開始。ドイツ政府
は代表団をベイルートに派遣する予定。(H,P,Y)
*レバノンのシニオラ首相が捕虜交換に意欲。イスラエルは兵士の身柄
をヒズボラからレバノン政府に引き渡すことを要求している。(P,Y)
*イランに核開発中止を求める安保理決議の回答期限は昨日。イランは
回答を拒否したため、制裁発動に向けた動きへ。(P,H,Y)
*カツァブ大統領の辞任について国会から意見を求められたマズズ検事
総長が「捜査中であり、発言する立場に無い」と回答。国会議員の間
からは、大統領の辞任や休職を求める声が高まっている。(H)
*国防軍がレバノンに投下したクラスター爆弾の不発弾で死傷者が多発
中。クラスター爆弾の使用禁止を求める声が高まっている。(Y)
*スデロットに5発のカッサムロケットが着弾。負傷者は無し。(I,Y)
*ラマラから来たパレスチナ人男性が英国大使館に侵入し亡命を要求し
たが、すぐに警察に取り押さえられた。男はイスラエルへの協力者で、
罰として自爆を強要され亡命を決意したと訴えている。(H,P,Y)
2006年9月3日(日)
****************************************************
*ブレア首相が今週土曜にイスラエルを訪問へ。(H)
*国防軍が2週間以内にレバノン南部を撤退へ。(H)
*労働党の委員会が2007年予算などをめぐり紛糾。ペレツ党首に対
する不満が高まり、早くも次期党首の座が話題になっている。(P)
*ファタハ系武装組織タンジームの指導者2人を国防軍がツルカームで
拘束。2人はカッサムロケット砲の製造を目指していた。(P,H)
*人権団体のアムネスティが、イスラエルに対してクラスター爆弾の投
下地域を明らかにするよう要求。(P)
*ハマスに誘拐された国防軍兵士の釈放の可能性を探るため、政府がカ
イロに交渉担当者を派遣。交渉がまとまる可能性は少ない。(H)
2006年9月4日(月)
****************************************************
*アッバス議長とハニエ首相の連立政権交渉は大詰めの段階か。10日
以内に連立政権が出来ると、関係者は語った。(P,H)
*政治心理学者がイスラエルの戦時広報を酷評。イスラエル国民は政府
発表よりもナスララの演説を信じていたことが調査で判明した。(Y)
*ヒズボラが「殉教者」の子供を多数集めて独自のボーイスカウト組織
を作り、戦士を教育していると、エジプト紙が報道。(Y)
2006年9月6日(水)
****************************************************
*財務省の2007年度予算案に、カディマ以外の全与党が反対。要求
が聞かれない場合は政権を離脱する方針を表明した。(P,Y)
*EU諸国が武器を積載したエルアル航空機への給油を拒否する方針を
表明。米国からの武器輸送に大きな支障が出る見込み。(P)
*国連のアナン事務総長が、反イスラエルで知られるブラヒミ氏をヒズ
ボラとイスラエルの捕虜交換交渉担当者に任命。(P,Y)
*自治区では自治政府職員のゼネストが3日目に突入。政府や学校の業
務がストップしている。ハマスはファタハの陰謀だと反発。(P)
*PRCの指導者が「国防軍兵士の誘拐は正当な軍事作戦だと世界に認
められた」と語り、今後も兵士誘拐を目指す考えを表明。(Y)
2006年9月7日(木)
****************************************************
*イスラエルがレバノンの海上封鎖を今日から解除。ヒズボラの武器密
輸を防ぐために、国防軍は海上封鎖を続けていた。(Y,P)
*ヒズボラに誘拐されている兵士の家族がオルマート首相に面会へ。兵
士の身柄返還はますます見通しが暗くなっている。(P,Y)
*国防軍がジェニンでイスラム聖戦の幹部を殺害。また、ナブラス近郊
ではファタハ系の武装組織17軍の指導者を逮捕した。国防軍はガザ
でも空軍の攻撃により武装勢力6人を殺害。(P,Y)
*国連が専門家の調査団をイスラエルとレバノンに派遣。戦争において
人権侵害が無かったかどうかを調べるため。(P,Y)
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
発行:「シオンとの架け橋」 http://www.zion-jpn.or.jp/
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp
****************************************************
*エジプトで今日、アラブ外相会議が開催。自治政府のカドウミ外相も
出席し、新しい中東和平案が検討される予定。イスラエル政府関係者
は「注目はしているが、期待していない」と語った。(P,Y)
*カディマが地方組織を設立し、市民レベルの活動を強化。しかし、一
方的分離政策が崩れ、同党は政策の再定義を迫られている。(Y,P)
*住宅建設省がマーレーアドミームなどの入植地で690戸の住宅地を
発売。主な購入者は人口が急増する超正統派となる見込み。(P,Y)