アメリカ人もパラサイト化?
■学生ローンで消費謳歌/せめて家賃は
【ワシントン=渡辺浩生】米国の若者の間で大学卒業後に両親との同居生活に逆戻りする「ブーメラン世代」が増えている。家賃を節約して学生時代に膨らんだ借金の返済などに充てるためという。米国版「パラサイトシングル」の流行に、専門家は「せめて家賃をとりなさい」と親たちに助言している。
米紙ワシントン・ポストによると、卒業生が抱えた学生ローンの平均残高は2万5760ドル(約300万円)。返済に7・9年を要する額だ。25~34歳のクレジットカードの負債残高は平均4358ドルに上る。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、6月の家計全体のローン残高(住宅ローンを除く)が2兆1862億ドルと過去最高となったと発表。借金で消費を謳歌(おうか)する全米の風潮が若者に広がり、「(ブーメラン)」化を加速している。
同紙によると、今夏卒業する320人の大学生の58%が卒業後実家に戻ると答え、うち48%は「お金を蓄えるため」。実家で家賃を払う必要のない者は92%に上る半面、「同居が恥ずかしい」と自覚する者は31%しかいない。
日本でも成人後も親に依存する未婚者の「パラサイトシングル」が流行したが、金融専門家は同紙に対し「同居期間を含め金銭的目標を親子で話し合うべき」と指摘。
親と同居する若者たちを描いた「ブーメラン・ネーション」の著者、エリナ・ファーマンさんは「月50ドルでも家賃は責任を教える手段。『大人として扱っている』という意思表示にもなる」と助言している。
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 9月6日8
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