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「次世代産業は江戸時代から探せ」
省エネの技術を探っている間に、江戸時代に行き着いた。ーFより


江戸時代は、鎖国をしていたが欧州の進んだ技術が少し進入して、

それを日本文化が独自な形態で発展させた。

日本文化のあり方を探るのに、非常に参考になる。

――― エネルギー

とうとう、世界の石油は、中国やインドの発展で不足し始めているし、

それに輪を掛けて中東地域がキナ臭くなってきて、石油価格が高騰

している。1バーレル100ドルになるのも近い。

ブラジルはエタノールをサトウキビから作り自動車燃料に使い始め

ている。

日本でも、ガイアックスが天然ガスから自動車燃料を作り、売りだし

たが、先の見えない経済産業省の役人が潰してしまった。

石油の代替策を準備していないから今頃になって慌てふためいている。

日本は川が急で、そして水量もある。この天然資源を利用しない手は

ない。マイクロ発電機を川に設置するだけで、無尽蔵に発電ができる。

しかし、山沿いの町や村でしかこの発電はできない。

江戸時代も水車の設置していた所は、都市ではなくて田舎であった。

田舎に精米所や機織や研磨があったが、その理由が水力を使った工

場しかできなかったからでしょうね。

日本の江戸時代を見ると、風車を利用した工場施設がない。日本では

風力は船にしか利用しなかった。

この理由も分かってきた。日本では雷が多く、高い建物には落雷が落

ちる危険があるためで、風が強い地域が落雷も多い地域になっている。

船では北廻船が日本を縦断していた。これが物資流通の背骨を作って

いた。日本海を航行していた。大量の物流は船しかない。

風の利用は船でしょうね。

――― 商業・工業

中国やイスラム地域を見ると工業より商業が発達している。これはシル

クロードという交易ルート上にあるために、工場より商業のほうが儲けが

多いためなのでしょうね。

この交易に欠かせないのが手形ですが、この手形のためにイスラム

教が必要だったのです。

イスラム教を信じる商人は、手形を神に誓って、イスラム教商人に渡し

たのでイスラム教がシルクロード沿いや、アラビア商人が船の交易を

した地域にイスラム教が発展した。

手形のために信仰したのですね。現世利益のためです。

江戸時代は商業が日本的に発展したのですが、ここにも手形が

登場します。この手形は神に誓いません。日本は多神教で、相手の

信仰を限定できないし、もし限定すると、お客を逃してしまいます。

日本は相手を信頼して、手形やつけを認めていたのです。人と人が

信頼するという社会ができていたのです。この時期に世界的にもこの

ような仕組みがあったことは驚異的なことです。

日本は信頼社会ですから米相場で先物という制度もあり、現代を

先取りしています。この先物を、明治時代に英国の商人が真似をして

英国で始めるのですから、日本の先端性は大変なものでした。

そして、日本はシルクロードの末端ですから、どうしてもユニークな

製品を作らないと商売の相手にされません。

このため、江戸時代は各藩が競ってユニークな物を作りました。

その中で伊万里焼きが出てくるのです。

大きな置物の伊万里の壷が、欧州で1億円もするのですから、伊万里と

同等品として、マイセン陶器ができた時のザクセン国王は大変な喜び

ようだったそうですね。

しかし、現在有田焼きよりマイセンのほうが高価ですし、日本人はそ
れを大量に買っている。どうなっているのでしょうね。

この伊万里の陶工たちを、秀吉が朝鮮から連れてきたのですが、朝鮮

では工人を大切にしていないが、日本は工人国家ですので、この陶工

たちは恵まれた社会的な位置になりました。

工人の東郷家は鍋島家の武士になり、明治政府でも要職に就き、今

でも外務省では重要な位置を占めている。

この工人が青と赤の伊万里焼きを生むのです。この陶工たちの元々の

出身地は朝鮮ではなくて、景徳鎮ですが、南宋が元に攻められたときに、

朝鮮に逃げ出したのです。

日本はどちらかというと、最初から発見したものより改良が得意のようで、

その仕入先が古くは中国で、現在は欧米、特に米国になっているの

でしょうね。この事例は明治政府にも引き継がれる。

欧州から高給で先生を連れてきて、日本人に各技術を教えてもらった。

このような方法を取った途上国はなかったように思う。技術の習得は

人から人に手渡しで教えてもらうしかないことを工人文化の伝統で

知っていたのですね。世界に面白い物があれば、連れてきて、

教えてもらうことが重要なのでしょうね。

――― 農業

各藩が競ったのは農作物の改革に繋がります。この基礎が生態系を綿

密に調査して各種の本になっている。

二宮金次郎ではないが、農学者、農経営学者、農生物学者などが江戸

時代には多くいた。この学者を各藩は召抱えている。

このため、いろいろな品種改良や特殊な農産物を争って生み出してい

るが、この中でリサイクルシステムが出来上がったのでしょうね。

江戸時代の農業は、人間が必要としている作物以外は畑に再度、

返している。都市から出る生ゴミや糞などと藁を堆肥にしていた。

蜂の幼虫なども農家では食していた。タンパクが豊富で栄養食になる。

このような生態系を利用した仕組みを構築すると、省エネルギーなリサ

イクル社会を構築できることになる。

もう少し、江戸時代の日本独自文化を研究する必要を痛感するこの頃

である。


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おもしろ~い!昨日「紅茶の本」を古本屋で買ったら、伊万里焼を

買いたいけど高くて買えないからマイセンがボーンチャイナを

作ったって書いてあったよ。ボーンというのは骨を混ぜてやいたから

だって。昔は日本の伊万里焼の方が高かったのですね~。