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香港と比較したシンガポールでの委託加工ビジネス(3)-加藤修

 中国でのリスクは多くの日本人が認識するに至った。しかし調達先がいくらでもあり、世界最大規模のサプライチェーンが完成しつつある中国を無視するわけにはいかない。また生産した商品を輸出だけでなく国内市場への販売にも使えるという魅力も大きい。

 中国一極集中リスクを認識しながらもなかなかこのサプライチェーンから抜けられず、一部を何とかベトナムへ移転してもリスクヘッジは完成しない。こうした環境下、もし既存の拠点があるのであれば、シンガポールを有効活用し、インドネシアやマレーシアを活用したもう一つのアジア中核オペレーションを再構築するのも悪くはない。特に有効なサプライチェーンの存在という意味で、シンガポール周辺の輸出加工ビジネスは見直されるべきものである。


 日本や欧米への製品供給源が中国と東南アジア双方に存在すれば、リスクヘッジは図られる。また中国での成功体験や失敗体験を東南アジアへ持ち込めば、以前にも増して強力なアジア・オペレーションが構築できるかもしれない。


 今まで日系企業の中国拠点とアジア拠点では少なからず対立の構図が見られた。地域担当制をとる企業が多く、地域を横断した情報交換やクロスボーダー取引を推進する組織がなかなか存在しなかったことによる弊害である。しかし全社的に見て双方のノウハウ交換、人事交流が進めば、恐らくは中国台頭によりマーケット環境の激変した21世紀を、うまく生き残っていけるはずである。(執筆者:みずほコーポレート銀行香港支店 中国アセアン・リサーチアドバイザリー課 次長・加藤修)

※本コラムはいかなる助言を含むものではなく、これによって生じた損害について、当行は責任を負いません。

 写真は、シンガポールのコンテナターミナル。東南アジアの物流拠点であるシンガポールを活用した輸出加工オペレーションの再構築も検討されよう。(提供:みずほコーポレート銀行香港支店 中国アセアン・リサーチアドバイザリー課)
(サーチナ・中国情報局) - 8月30日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060830-00000000-scn-cn