ヒズボラをうまく退治できなかったから人気が落ちた。 | 日本のお姉さん

ヒズボラをうまく退治できなかったから人気が落ちた。

 【エルサレム海保真人】レバノンの戦闘から帰還したイスラエルの予備役兵の間で、軍首脳部と政府に対する批判が噴き出し始めている。批判は「前線での補給物資の不足」「指揮命令の優柔不断さ」など広範にわたり、イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラを壊滅できず、自陣に多くの犠牲をもたらした戦闘の責任問題に発展しそうだ。政府は本格的な調査委員会の設置を検討し始めた。
 イスラエル各紙によると、地上部隊の予備役兵の将校たちは20日、ハルツ軍参謀総長との会合で前線での問題や苦情を次々と報告した。空軍による水や食料の補給は不足し「兵士は脱水症状のまま負傷兵救出のため何キロも歩かねばならなかった」という。また配布された現地の空撮図が4年前のもので役に立たないなど、情報の不足を指摘する声もあった。
 落下傘部隊の予備役兵グループは新聞紙上で抗議文書を公開。この中で「臆病(おくびょう)な」指揮決定者の「優柔不断な態度」により「作戦が頻繁に変更され、明確な目的なしに敵の領土に長期間とどまるはめになった」と訴えた。
 こうした批判に対し、歩兵・落下傘兵隊のハイマン司令官は20日の退任あいさつで、「歩兵の準備をうまくできず、小隊の消耗を防げなかった。責任を重く感じる」と述べ、指揮面での失敗を認めた。
 レバノン戦闘では停戦発効までの1カ月余でイスラエル兵117人が死亡、約1000人が負傷し、軍は近年にない大きな痛手を受けた。一方でヒズボラを壊滅できず、ロケット弾攻撃を阻止できなかった。世論調査によるとイスラエル国民の大半は「勝者なし」と感じており、批判の矛先はオルメルト首相、ペレツ国防相、ハルツ軍参謀総長の3人に向いている。
 国防省には国防相直属の戦闘調査委があるが、「お手盛り」との批判を受けており、国会の外交・国防委員会は21日、これに代わる新調査委の規模や構成などについて協議した。
(毎日新聞) - 8月21日
【エルサレム=三井美奈】イスラエル紙イディオト・アハロノトは25日付で、ヒズボラ攻撃で成果が出せなかったとして、オルメルト首相辞任を求める意見が63%に上るとの世論調査結果を報じた。

 首相率いるカディマや連立与党・労働党の人気が急落し、右派野党リクードが支持率で1位となった。

 総選挙が現時点で行われた場合の予想獲得議席は、リクードが20議席(現12議席)。カディマは17議席(同29)に下落する見込みで、極右政党「我が家イスラエル」も17議席(同11)で並んだ。労働党は11議席(同19)で4位という。

 「だれが首相にふさわしいか」の質問では、リクード党首のネタニヤフ元首相が22%で首位。オルメルト首相は11%で4位にとどまった。
(読売新聞) - 8月25日