青春18キップでプチ旅行
青春18キップで、友達と二人でプチ旅行をした。
8月の最初の土曜日だった。
行き先は決めずに、待ち合わせ場所で会って、そのままJRの改札へ。
「どこに行こうか?」「海にいこか?」「琵琶湖めぐりもいいかも。」
「「途中で降りてもいいんやで。」「冒険やな。」
「琵琶湖は、電車が故障して止まってるらしいで。」
「いや。それはもう解決したゆうて朝のテレビでゆうてたで。」
「ほな、琵琶湖にする?」「わたし、海が見たいねん。」
「じゃあ、どこの海にする?」「明石の方に向かって途中で降りようか。」
「そうしよか。岡山に行って夢路の博物館に行ってもいいな。」
「乗ってから決めよか。」などと二人でしゃべりながら、姫路方面の
電車に乗った。乗った電車が赤穂行きだったので、赤穂に行く事にした。
「赤穂といえば、塩田が有名だから海ぐらいあるやろ。」
「あんた。赤穂と言えば、赤穂浪士が有名なんちゃうん。」
「とにかく行ってみよか。」というわけで、電車に乗って終点の赤穂まで
行ってみた。途中で電車が二つに分かれるので、前の車両に移った。
山の中を走ってしばらくすると播州赤穂駅だった。
http://www2.memenet.or.jp/ako-cci/kanko/index.htm
駅の中に、なにやら観光案内の部屋があるので、中に入り、
地図をゲット。「海が見たいんですけど。」と言うと、
「ちょっと歩いていくには遠いですね。貸し自転車があるので、自転車で
なら直ぐ行けますけど。」と案内のお姉さんが言うので、二人で自転車を
借りる。4時まで200円というので金を払って鍵をもらって、駅の下の
自転車置き場に行って自転車を引き出し、海に向かった。
駅前の道は、まるでできたばかりのようにきれい。
途中で昼ごはんを食べて、どんどん行くと赤穂の城跡があった。
こんなところに住んでいる人々が、お殿様の復讐のために都会に
出かけていったのだ。町全体は小さくて、昔の城下町風。
のんびりとした場所で、いかにも「ふるさと」って感じ。
城跡を右に曲がって川沿いのサイクリングロード風の道をどんどん行く。
橋を渡って、海に向かう橋を渡る。かもめが飛んでいる。橋を渡って右に
曲がると海浜公園だ。塩田の仕組みを展示している場所があるらしい。
公園は無料だ。中に入って塩田の展示場に行こうとするが、
歩いても歩いてもそんな展示場が見当たらない。広すぎる。
友達はあまりの暑さにバテテきて、「もう塩田なんかいいやん。海に
行こうや。」と言うので引き返す。
でも、わたしもあまりの暑さに汗だくになったし、海に行く元気も無くなって
いたので引き返す事に。「帰りの元気も残しておかな、熱射病で倒れる
かもしれんな。」と、言いつつ来た道を引き返す。
橋の上から、おびただしい数のかもめが橋に沿って作られている屋根の
ついた小さな橋の上にずらりと並んでいるのが見えた。
その向こうには海が見えた。
途中の和菓子も出している喫茶店で、番茶のソフトクリームと
白玉と栗が乗っているデザートを食べた。やけにおいしかった。
駅前の道は最近できたのだそうだ。
この道を大きくするのには、いろいろあって10年かかったそうだ。
車も通れないような小さな道だったけど、町おこしのために道幅を広げ
店も建て直したそうだ。昔のままに店をかまえた人もいるにはいるが
ほとんどは新しくしたらしい。昔はもっと店があったが、道が広く
なったことをきかっけに店をたたんだ人もいるそうだ。ちょっと残念。
昔の風情を残してもよかったが、それでは観光客がよりつかないの
だろう。12月には、赤穂浪士の格好をしたパレードが城から出てきて
練り歩くのだそうだ。観光客がたくさんくるのだそうだ。
赤穂はきれいな道路と赤穂の城とこじんまりした町と、海まで続く
広い道があり、ふるさとが無い人はここを自分のふるさとにしたら
いいのではないかと思うほど、のんびりとした町だった。
友達と電車に乗ると京都行きだったので、京都に行くことにした。
京都では、5条の小さな川沿いの道を歩いた。お茶屋さんがたくさん
あって、川の周りには大木が植わっている。川には涼しい風が吹いて
いてところどころに鉄でできた細い橋がかかっている。人間ひとりだけ
通れるような橋だ。そんな橋の上に猫がだらんと足を空中に投げ出し
ながら夕涼みをしている。大木の作る木陰の中に、ひんやりとした風が
通っていく。こんな京都が見たかったので、満足だった。
少し奥に入ると大きな川にでた。グレーのごいさぎが川の真ん中に
立っている。白いさぎもたくさんいる。京都は空が広く見えるから好きだ。
播州赤穂でも空が大きく見えた。12月には赤穂浪士のパレードを見に
行こうかな。秋口に行ってもきれいだろうな。お茶屋さんは春も桜が
咲いてきれいなのだと言っていた。
京都駅に帰る途中で昔の任天堂の会社を見つけた。任天堂は、昔は
トランプを作っていたのだそうだ。
http://www.wisiwig-kyoto.com/directory/2004/12/post_48.html
http://www.geocities.co.jp/Playtown/4007/note_04.html
京都駅では、浴衣を着ている男の子や女の子がたくさんいた。
8月の最初の土曜日は、あちこちで花火大会があるらしい。大阪駅
でも浴衣の人がたくさんいた。
友達は後日、他の人を連れて青春18キップで、琵琶湖一周旅行を
したそうだ。長浜で電車を降りて楽しく過ごしたそうだ。
http://local.yahoo.co.jp/static/place/a125/9536.html
行き先も決めずにどこかに行くのもなかなかいいものだ。
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余談:
プチ旅行を一緒に決行した友達は、子供が30代のおばさんで
年は60代だが、そんな年には見えない。
体力的にもわたしと同じぐらいなので、全然気を使わずにいても
大丈夫.。でも電車の中の冷房が効きすぎで寒くて風邪をひいたと
言っていた。海の近くまで自転車に乗って行って、急に電車に乗った
から、冷えてしまったのかな。
わたしは途中のお茶屋さんのトイレで汗でぼとぼとになったTシャツを
脱いで、カバンに入れてきた新しいTシャツに着替えたので爽やかに
過ごせた。友達はニットだったから、エアコンの風がきつかったのかも。
青春18キップは、まだ一枚余っているそうので使いたかったら売って
くれるそうだ。一人で琵琶湖に行ってこようかな。琵琶湖にある小さな島
まで行ってこようかな。
琵琶湖の葦の間にできた水路を船頭さんがこぐ船に乗って進んでみ
たい。そんな夢を見たことがあるから、一度そういう経験をしてみたい。
夢の中ではわたしは菅笠をかぶった紺色の着物を着た30代の
お侍さんで、船頭も時代劇に出てくるような三角の笠をかぶった
おじいさん。
背の高い葦の生える水路の間を無言で船を滑らせていくんだ。
葦の間を抜ける風の音と船をこぐ櫂の音だけがしている。そんな夢。
夢の中の葦は2メートルぐらいの高さがあった。そんなに葦って背が
高いものなのかな。どこにいけばそんな経験をさせてもらえるのだろう。
大勢の観光客と船に乗っていくのは嫌なんだ。一人でお侍さんの
格好をして、三角の笠をかぶった船頭のおじいさんと、葦の間の水路を
船で通りたいのだ。少し霧が出ていて、ざざあっと風が吹いて葦を
揺らしていたら完璧だ。葦は少し枯れているので、夏ではないな。