プラド美術館展に行ってきた。 | 日本のお姉さん

プラド美術館展に行ってきた。

大阪市立美術館で行われているプラド美術館展に行ってきた。


プラド美術館はスペインのマドリードにある美術館で、代々の王族が


お金で代価を払って集めた絵画が揃ったすばらしい美術館なのだ。


どこかの国の美術館のように、植民地から奪ってきたものでない。


スペインでは王族や貴族が宮廷に絵描きを雇い、自分や家族の


肖像画や離宮を飾る絵などを描かせていた。


プラド美術館からほんの一部を借りてきたものだが、エル・グレコや


ベラスケス・ムリーリョ・ルーベンス・ゴヤなど、教科書に載っていた


絵がたくさん来ている。これらは本当にほんの一部で、貸してもらえ


なかった絵のなかに観たかった絵がたくさんある。いつかマドリードの


プラド美術館に行きたくなった。なぜかスペインの絵皿なども売っていて


あんまり可愛いので一枚買った。聖書に出てくる事柄を絵にしたものや


ギリシャ神話を絵にしたものもあった。


静物画もあった。エル・グレコの色と形は他の人と比べると昔の人に


しては斬新だった。登場人物の顔がすべて依頼主の顔に似ているのが


不思議。依頼主は嬉しかっただろうな。宮廷の小さな皇妃マルガリータ


の絵は、四角に広がった大きなスカートをはいてポーズをとっている姿の


後ろに、母親や妹や道化師が見学している様子が描きこまれていて


面白い。皇帝カール5世と猟犬の複製画は、横に元になった絵のプリントが


貼ってある。本当は、皇帝カール5世は眠そうな顔なのだが、複製画では


きりっとした男前に描かれている。皇帝は喜んだそうだ。


ゴヤは最初は宮廷のタペストリーの下絵画家だった。タペストリーの


ために描かれた一般の子供たちが遊ぶ絵は、今でも十分通用する


可愛さだ。スペインはだんだん衰えていっている時代だったらしく、王様の


肖像画がなんだが寂しげ、、、。


これらの絵が描かれた後にフランスのナポレオンがスペインを倒しに


来たそうだ。フランス人は、機械のように冷酷にスペイン人を殺したらしい。


ヨーロッパの歴史もあんまり興味が無くて、知らないなと思いながら


美術館を出た。ヨーロッパもいろいろあったのだ。殺したり殺されたり、


繁栄したり没落したりの長い歴史があるのだ。


それでもたくさんの絵画が2006年の今でも残っているのは、すばらしい


ことだ。画家の筆使いを見ていると、この人たちがずっと昔に死んで


しまって今はいないのに、皇帝の家族の肖像画に茶目っ気たっぷりに


いろんな人を登場させたり、後ろのカーテンに質感を持たせようと、


カーテンだけてらてらと光るようにしている様子が、可愛いなと思うのだ。


良くみたら、皇女の顔は光らないようにマットな感じで描かれている。


描いた人の性格がわかるようで、親しみを感じた。いつか、マドリードの


プラド美術館に行きたい。簡単に行けるような気もするし、行けない


ような気もする。


大阪市立美術館は簡単に行けた。階段もトイレも大理石だった。


プラド美術館からホンの一部分でも絵画を借りてきてくれた日本の


皆さま、ありがとう。とっても楽しかった。安い入場料で、こんなに


楽しめて良かったよ。(プラド美術館展は10月まで開催されている。)


公式サイトはこちら。↓
http://event.yomiuri.co.jp/prado/