イスラエル側からのニュース
2006年8月6日(日)
****************************************************
*ツロ市内のロケット砲発射施設など、レバノン南部の各地で激しい戦
  闘があり、国防軍にも1人の戦死者。国防軍はツロに続き、シドン市
  内にも攻撃を予告するチラシを配布している。(H,P,Y)
*ガリラヤには土曜日にも170発のカチューシャロケット砲が着弾。
  国境に近いベドウィンの村では母娘3人が死亡した。(H,P,Y,7)
*ネタニヤに近いハデラにもミサイルが着弾。イスラエル領内で最も遠
  い地点への着弾となった。イラン製の「カイバル1」か。(H,P)
*米国とフランスがレバノンでの停戦を求める安保理決議案で合意。停
  戦に続き、ヒズボラの武装解除を義務づけるもの。(H,P,Y,I,7)
*テルアビブで5千人がレバノンでの停戦を求めるデモ。右派が妨害活
  動を行ったが、大きな混乱は無かった。(H,Y)
*イランがヒズボラに最新型の地対空ミサイルを提供すると、軍事情報
  専門のジェーン社が報道。通常兵器の補給も増強する。(Y)
2006年8月7日(月)
****************************************************
*ガリラヤ北部の兵士集合場所をロケット砲が直撃し12人の兵士が死
  亡。警報が出ていたが、兵士らは避難を怠ったもよう。(P,H,Y,I,7)
*ヒズボラの攻撃で12人のイスラエル兵士が死亡したとのニュースが
  伝わり、自治区では人々がヒズボラの旗やナスララの写真を振り、祝
  賀ムード。商店主らはお菓子を配るなどした。(Y)
*ハイファに着弾したロケット砲で3人が死亡。カナから発射されたた
  め、国防軍はカナのロケット発射拠点を空爆した。(P,H,Y)
*国防軍はベイルート南部やツロなどに空爆を続行中。ヒズボラ施設や
  ロケット砲発射台などが標的となっている。地上戦も激しさを増して
  おり、ヒズボラとの激しい戦闘が続いている。(H,P,Y)
*ロイターのカメラマンが、ベイルート市街の空爆被害写真を捏造した
  ことが判明。同社は写真を撤回した。同じカメラマンはカナ空爆の被
  害写真なども撮影しており、検証が必要だとの指摘も。(P,H,Y)
*アメリカとフランスがまとめた停戦案を、火曜日までに国連安保理で
  決議することを目指すと、米国のライス国務長官。しかし、レバノン
  の国会議長は、この決議案を拒否する考えを示した。(P,H)
*ファタハ系の治安組織幹部が、ガザ北部で暗殺。ハマスの犯行と見ら
  れている。ハマスとファタハの対立はさらに悪化する兆し。(P)
*国防軍がラマラでイスラム聖戦幹部を殺害。しかし、住民は逮捕され
  てから後で処刑されたと話している。(Y)
*ハイファでは反戦紙の事務所にもヒズボラの攻撃で大きな被害。しか
  し、編集長はあくまで「悪いのはイスラエル」と主張した。(Y)
2006年8月8日(火)
****************************************************
*レバノンのシニオラ首相がレバノン軍をレバノン南部に直ちに展開す
  る方針を表明。予備役兵を招集し、1万5千人を配備する。ヒズボラ
  の武装解除につながる動きとして、イスラエルも歓迎か。(H,P,Y)
*ビント・ジベイルの戦闘で国防軍兵士2人が戦死。レバノン南部の各
  地ではヒズボラと国防軍兵士の激しい戦いが続いており、ヒズボラ側
  にも十数人の戦死者が出ている。(P,H,Y,7)
*国防軍は、ヒズボラがロケット砲を発射している地域を全面的に制圧
  する計画を政府に提出。オルマート首相は「国防軍の作戦に制限は無
  い」としながらも、レバノン政府の動きを見定める構え。(H,Y)
*アラブ諸国とイスラエルの修正意見を受け、米国とフランスが安保理
  決議の最終案を調整中。両者の意見の違いは大きく、調整には時間が
  かかる見込みで、決議は木曜にずれ込む可能性も。(H,P,Y)
*国防軍がヒズボラの無人偵察機をハイファ沖で撃墜。一昨年と昨年に
  もヒズボラは無人偵察機をイスラエルに送り込んでいる。(H,P,Y)
*アラブ諸国の外相がレバノンのベイルートに集まり、戦争終結に向け
  て対応を協議。シニオラ首相は各国に支援を訴えた。(P,Y)
*レバノン南部に展開する予定の国際部隊にフランスとマレーシアが軍
  の派遣を表明。日本など多くの国も支援の方針を表明した。(P)
*ラマラのハニエ首相事務所に届いた小包に毒物。事務員が病院に運ば
  れた。ハニエ首相がこの事務所に来ないことはよく知られており、誰
  が何の目的で行った犯行かはまだわかっていない。(Y)
2006年8月10日(木)
****************************************************
*レバノンでの地上作戦拡大を閣議で決定。しかし、国連安保理決議に
  よる停戦に向けた調整が進行しているため、しばらく交渉の推移を見
  守ることになった。(H,Y,P,I)
*レバノン南部では激戦が続いており、国防軍兵士15人が戦死。うち
  9人はヒズボラのミサイルで建物が崩壊し下敷きになった。(H,Y,P)
*昨日も北部には160発のロケット砲が着弾。ヨルダン渓谷のベトシ
  ャンにも4発の長距離ミサイルが着弾した。(H,Y)
*国防軍がジェニンでイスラム聖戦の幹部2人を殺害。(Y,H,P)
*停戦をめぐる国連安保理決議は決議文の内容をめぐって調整が難航。
  決議にはあと2日以上かかると関係者は語った (H,P)
*自治政府のハニエ首相が、自治政府の解散を検討すべきだと各勢力に
  提言。多数の閣僚や議員がイスラエルに拘束される中、統治を続ける
  ことは困難だと語った。(H)
*国防軍が自爆テロに向かっていたパレスチナ人女性2人をナブラス近
  くの検問所で拘束。1人は運転手だったと見られている。(Y)
*国際赤十字のケレンバーガー議長がレバノンとイスラエルを訪問。戦
  争の影響を受ける地域はひどい状態だが、テルアビブやベイルートで
  は海水浴客が浜にあふれ、ビジネス街も普段通りだと語った。(Y,I)
2006年8月11日(金)
****************************************************
*昨日も約170発のロケット砲が北部に着弾。アラブ系市民の母と息
  子が死亡し、もう1人の息子も重傷を負った。(H,P,Y,7)
*国連安保理の決議案で米仏など関係国が合意。国防軍が段階的にレバ
  ノン南部から撤退し、国際部隊の支援を受けたレバノン正規軍が展開
  する。ヒズボラの武装解除は停戦条件から外された。(H,P,Y)
*国防軍は、国連安保理決議案に強い不満を表明。ヒズボラが再びイラ
  ンとシリアから大量の武器支援を受け、軍備を増強して再びイスラエ
  ルを攻撃することは確実なため。(H,P,Y)
*レバノン南部への国際部隊の展開に、レバノンから反対論。国際部隊
  への参加を表明していたフランスでも、自国軍がヒズボラの攻撃を受
  ける可能性が高いとの見方が強まり、反対論が出ている。(P)
*レバノン戦線で国防軍兵士1人が死亡。西部では激しい戦闘があり、
  16人の負傷者が出た。国防軍はベイルート市内にチラシを配布し、
  ヒズボラに手痛い反撃を加えると警告した。(H,P,Y)
*エルサレムにボランティアとして来ていたイタリア人が刺されて死亡。
  テロではないかと見て、警察が捜査を行っている。(H,Y)
*テルアビブで600人が集まり、反戦デモ。アモス・オズ氏ら左翼系
  の文化人も参加し、戦争中止を呼びかけた。(P)
*英国で旅客機10機の同時爆破計画が発覚し、21人が逮捕。(Y,P)
2006年8月13日(日)
****************************************************
*国連安保理でレバノンでの停戦を求める決議。戦争の責任はヒズボラ
  の攻撃だと明記、イスラエル国防軍の撤退とレバノン正規軍の南部展
  開、ヒズボラの武装解除、誘拐兵士の解放を求める内容。(P,H)
*ヒズボラは早速「大勝利」を宣言。レバノンのシニオラ首相は国連決
  議を受け入れる考えを示し、ヒズボラの「健闘」を賞賛した。(P,H,Y)
*イスラエル政府高官は国連決議に満足を表明し、決議を受入れへ。し
  かし、完全な停戦ができるかどうかは予断を許さない。(P,H,Y)
*国防軍は7千人の兵士をレバノン領内に展開させ、4万人は国境に待
  機中。停戦を前に、各地で最後の攻撃を行っている。ヒズボラも北部
  に対して激しい砲撃を行った。(P,Y)
*国内ではオルマート首相の采配に右派と左派から批判が集中。1ヶ月
  にわたる戦争で戦果は何も無かったと見る人が多いため。(P,H)
*ハマスがガザからのカッサムロケット砲の発射を中止か。先週にはロ
  ケット砲の着弾数が大幅に減少した。(H)
*国防軍が4年前に米国製の地下壕破壊爆弾の売込みを断っていたこと
  が判明。この爆弾があれば、戦争に勝てたとの分析も。(P)
*国境から9キロの地域住民10万人が中南部に避難したが、政府の援
  助で避難したのは2万人余り。8万人はまだ現地に残っている。(P)
*旧市街でアラブ人のテロで刺殺されたイタリア人旅行者は、アラブの
  子供たちのための活動を行っていたことが判明。犯人はまだ逃走中で、
  犯行意図はわかっていない。(P)
2006年8月14日(月)
****************************************************
*昨日の閣議で政府が国連安保理の停戦決議受入を承認。 (P,H,Y)
*停戦を前にレバノン南部では激しい戦闘。土曜日には女性兵士を含む
  24人の兵士が戦死し、日曜にも5人が戦死した。イスラエル北部に
  は250発のロケット砲が着弾し、民間人1人が死亡。(P,H,Y)
*ヒズボラのミサイル攻撃で国防軍のヘリコプターが敵地に墜落。乗組
  員の遺体が未回収だと国防軍が発表した。(P,H,Y)
*レバノン南部に展開する国防軍兵士に対する食料などの補給に一部地
  域で遅れ。補給路への攻撃などで輸送が進まないため。(P,H)
*EUのソラナ外相がイスラエルを訪問。ペレツ国防相はソラナ氏に対
  し、国連決議に定められたヒズボラの武装解除と国防軍兵士の釈放を
  実現させるよう支援を求めた。(Y)
*停戦合意では、誘拐された国防軍兵士の返還が義務付けられなかった
  ため、家族や支援者からは失望の声。(Y,P)
*ベイルートの南にある発電所から大量の油が海に流出しているため、
  国連がイスラエルにも援助を要請。流出は国防軍の爆撃が原因との報
  道もあるが、実際の原因はわかっていない。(P)
2006年8月15日(火)
****************************************************
*昨日朝8時で停戦が発効し、全ての空爆や砲撃は停止。北部にも平穏
  が戻った。国防軍は発砲を控えるよう、兵士に命じたが、シリアから
  ヒズボラへの武器補給が発見された場合の対応は未定。(P,H)
*オルマート首相が国会で、ヒズボラは「国の中の独立国」としての地
  位を失ったと語り、今回の戦争の戦果を強調した。(P,H,Y)
*ヒズボラ指導者のナスララは「今は武装解除すべき時ではない」と、
  武装解除を拒否する考えを表明。レバノン政府は武装解除に関するヒ
  ズボラ担当者との協議を中止した。(P,H)
*イスラエルとの和平の可能性は減ったと、シリアのアサド大統領が発
  言。戦争になればゴラン高原を奪還すると語った。(Y,H)
*ハマスとファタハが挙国一致型内閣を結成する交渉が進行中。レバノ
  ンでの戦争が終わり、世界の関心が再びパレスチナに戻る機会を生か
  して、危機に瀕する自治政府の建て直しを図る。(P,H)
*国防軍がイスラエル領内侵入を目指していたヒズボラの無人偵察機2
  機を撃墜。偵察機には爆弾が搭載されていた。(H)
*月曜日の世論調査では、国防軍の作戦は成功だったとの意見が44%、
  失敗だったとの意見が52%だった。(Y)
*米国のFOXニュースの記者2人がガザで誘拐された。主要な武装勢
  力は関与を否定しており、犯行声明は出ていない。(Y)
*ホロコースト否定論にもとづく風刺漫画展がイランで開幕。ムハンマ
  ド風刺画問題への対抗策として、この展覧会が企画された。(H)
[情報源略号表]
 P=エルサレム・ポスト  http://www.jpost.co.il/
 
 H=ハアレツ       http://www.haaretz.com/
 
 7=アルツ7       http://www.israelnationalnews.com/
 
  I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
 
 Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
 
 ( )内の記号が情報源。メディアにより掲載日が異なる場合もあり。
[転載・引用・再配布について]
 教会活動等の非営利目的ならばOKです。ユダヤ人および
 各宗教教派に批判的な文脈での引用はしないで下さい。
============================================================
発行:「シオンとの架け橋」  http://www.zion-jpn.or.jp/
 
編集:石井田直二 naoji@zion-jpn.or.jp