肝炎になっていないかチェック! | 日本のお姉さん

肝炎になっていないかチェック!

肝臓の病気である「肝炎」は、一部にアルコール性のものもあるが、ほとんどがウイルスによって引き起こされる。ウイルス性の肝炎には、A型、B型、C型などの肝炎があり、日本でも特に多いのがB型とC型だ。そのうちでも、最近増加が著しいのがC型肝炎で、その患者数は100万人から200万人もいると推定されている。

この肝炎とは、肝臓の細胞が炎症を起こして傷ついた状態を指す。肝臓は常に人体のために働かなければならないため、多少のダメージがあっても、全体の働きでカバーできるようになっているし、細胞の再生も速い。そのため、肝臓に病変が起きていても症状が現れにくいというわけだ。これが「沈黙の臓器」と呼ばれる所以だ。

肝炎には自覚症状はまったくないわけではなく、全身の倦怠感、嘔吐、黄だんが見られるとされる。だが、急性肝炎と比べるとウイルス性の肝炎の方が症状は軽く、はっきり自覚症状が現れたときには病状が進んでしまっていることも多いという。

肝炎は、慢性化すると「肝硬変」に至る可能性が高い。

肝硬変とは、肝臓の細胞が再生しきれずに繊維状となり、固いこぶの

ようになってしまう状態だ。こうなると、肝臓はもう、もとの働きが

できなくなってしまう。さらに、肝硬変になると肝ガンにつながる

リスクも高い。ガンによる死亡数(厚生労働省 2005年)を見ると、

男性では肺ガン、胃ガンに次いで肝臓ガンは第3位。

女性でも、大腸ガン、肺ガン、胃ガンについで多く、男女合わせると

3万4,000人以上だ。そして、肝ガンになるほとんどの人が、

B型もしくはC型肝炎の患者だったという。

肝臓の状態は健診で早めに発見すべし


厚生労働省によると、次のような人は肝炎ウイルス(C型肝炎ウイルス)

への感染の可能性が一般の人より高く、肝炎ウイルス検査を受けた

方がよいとしている。参考までに掲載しておこう。



過去に健診等で肝機能検査の異常を指摘されたことがあるにも

関わらず、その後肝炎の検査を実施していない人

平成4年(1992年)以前に輸血を受けたことがある人
長期に血液透析を受けている人

輸入もしくは同様の危険性があるとされる非加熱血液凝固因子

製剤を投与されたことがある人

大きな手術を受けたことがある人
臓器手術を受けたことがある人
薬物濫用者、入れ墨(タトゥー)をしている人
ボディピアスをしている人
フィブリノゲン製剤を投与されたことがある人


症状が出にくく、進行すると命に関わることにもなりかねない肝炎。

肝炎の患者数は年々増加する傾向にあり、肝炎から肝ガンになると

いうリスクを回避することは、国民的な課題にもなりつつある。

そこで、ここ数年、各種健康保険や市区町村などで肝炎ウイルス

検査を実施するなど対策に乗り出している。

例えば、中小企業などの社員が加入する政府管掌健康保険では、

35歳、40歳、45歳といったように、節目の年齢の希望者に肝炎

ウイルス検査を実施している。

また、健康保険組合によっては、さらに多様な年齢層に肝炎ウイルス検査を行うこともある。自分が加入している健康保険が行っている肝炎対策をしっかりチェックしておきたいところだ。

当然、早めに発見されれば、肝臓へのダメージも少なくてすむし、治療もしやすくなる。さらに言うならば、医療費も少なくて済むのだ。もはや「自分には関係ない」病気とは言えなくなった肝炎。自分の身を守るのは、自分しかいないのだ。

http://tenshoku.inte.co.jp/msn/news/0534.html