中国の対日宣伝工作は、日本の地方や大学を狙って行われる。 | 日本のお姉さん

中国の対日宣伝工作は、日本の地方や大学を狙って行われる。

中国の対日宣伝工作  地方や大学へ浸透狙う


 中国が対日宣伝工作で力を入れているのは、政界や言論界だけでない。米軍基地や尖閣諸島を抱える沖縄へのアプローチや東西の有力私大への働きかけも活発化させている。
 ■沖縄

 今月16日、台湾と国境を接する沖縄県与那国島で、防災訓練の一環として実施されるはずだった陸上自衛隊第1空挺団(千葉県船橋市)の隊員によるパラシュート降下が中止された。

 これに先立つ6月28日、与那国町役場に町長を訪ねた八重山地区労働組合協議会の代表は「いたずらに近隣諸国を刺激し、友好的な発展を阻害する」として中止を求める要請文を手渡した。要請文には「明らかに与那国町民への宣撫(せんぶ)工作であり、想定されている中台問題や尖閣問題を視野に入れた瀬踏みだ」と書かれ、関係者によると、町長も同調するかのような発言をしたという。

 陸上自衛隊は「町長からの要請でやめたのではなく、パラシュート訓練は天候に影響されやすいのでやめた。代わりにヘリコプターによる負傷者救出訓練を実施した」(広報室)と説明する。しかし、同じ八重山地方の石垣市は4月、自衛隊が計画していた演奏会開催のための市民会館使用を「混乱が起きるのは好ましくない」と不許可にした。相次ぐ自治体の自衛隊への厳しい対応に中国の影をみる向きもある。

 「中国は戦略的に重要な地域である沖縄で、盛んに『中国人観光客が沖縄の観光業を救う』と宣伝している。他の地域でも同じことを言って浸透をはかっている」

 在京のある外交官はこう指摘する。

 沖縄の本土復帰後、日中友好関係の組織がほとんどなかった沖縄に平成16年、「新しい沖縄と中国の友好交流を推進する会」が発足した。これに呼応する形で、中国は、中国から伝来した沖縄の伝統競漕(きょうそう)「那覇ハーリー」に広東省からチームを派遣するなど急速に交流を深めている。

 沖縄在住のジャーナリスト、恵隆之介氏はこう警鐘を鳴らす。

 「沖縄では戦後、米陸軍第8心理作戦部隊が県民に本土復帰の気持ちが起こらぬよう反日宣伝を徹底した。その影響で、中国に朝貢していた時代が美しく語られている。県民に国家帰属意識が薄いことに中国はつけ込み、ここぞとばかりに浸透している」
産経新聞2006年7月25日