ロシア政府は個人の石油会社を破綻に追い込み、国に取りこんでいる。
【モスクワ=内藤泰朗】モスクワの仲裁裁判所は1日、プーチン政権による巨額の追徴課税で経営危機に陥っていたロシアの石油元大手ユコスの破産を正式に決定した。これにより、政権による石油産業の国家支配が一層強化される。しかし、反政権的な姿勢を示していた同社を強引なやり方で破綻(はたん)に追い込み、その資産を国有化した政権側も“負の遺産”を背負う格好となった。
インタファクス通信によると、負債総額は4900億ルーブル(約2兆1000億円)で、ロシア最大規模の企業破綻となった。
ユコス社のホドルコフスキー元社長も脱税などで懲役8年の刑を受け、シベリア送りとなった。欧米諸国は、事件を政治的弾圧だとして批判し、ロシアの民主主義、市場経済への不信を強めた。
ユコスはソ連崩壊後、国営石油会社を統合して発足。同社を買収したホドルコフスキー氏の下で急成長し、ロシアの最優良企業と称賛された。
しかし、大富豪となったホドルコフスキー氏は2003年の下院選で野党を資金面で支援、大統領選出馬にも意欲を見せるなど、プーチン政権と対立した。
このため、政権の怒りを買い、脱税などの「事件」で圧力を受け、これまでに、ロシアの石油生産・輸出の約2割を占めた同社の中核子会社が国営石油ロスネフチに買収された。今回の破産決定で、ユコス本体も清算されることになる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060802-00000007-san-int
ロシアはやっぱり汚い事を平気でする国。
わたしには、そんなイメージが強い。
北方領土、四島まとめて返してくれ。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成18年(2006年)7月27日(木曜日)
ロシア原油の対中国輸出は、まだ鉄道輸送が主力だが
ロスネフツのIPO(新規公開株)になぜ中国は五億ドルも投じたのか?
中国石化が当初予定したロスネフツの株式上場への投資額は30億ドルだった。
プーチン株式会社の主軸「ロスネフツ」の株式取得が目的である。
このロスネフツとは、プーチン大統領の政敵だったホドルコフスキーを冤罪をでっち上げて、その基盤企業だった「ユコス」に追徴課税をかけて倒産に追い込み、するりとペーパカンパニィをつくったプーチンが乗っ取った新興企業のこと。
そのロスネフツが月初にモスクワとロンドンで株式を上場し、120億ドル近くを集めた(六月の中国銀行のIPOが100億ドルだったから、僅か一ヶ月で過去7年間の世界的規模で最大の上場となった)。
さて、ロシアは現在、石油とガスの輸出で経済はうはうはの好景気。
原油価格は上昇すればするほど笑いが止まらない。ちなみに外貨準備高は2432億ドル! (数字は英紙『エコノミスト』、7月22日号)。
中国は周知のように世界中で資源鉱区を漁っているが、ロシアのガスと石油を狙っている経過も明らかである。資源はバイカル湖の水資源までを狙っている。
ロシアのザバイカルスクから中国内蒙古省の満州里へと至る鉄道輸送が、いまのところ運搬手段の主力で、昨年は一日10万バーレル。これは前年比で314%増加。今年は一日15万2000バーレルと輸送料を増やす。このルートの利権が「ロスネフツ」が所有である。
(満州里とロシアの国境は筆者も行ったことがある。ハイラルからバスで二時間。そこからタクシーを飛ばして三十分。国境公園には大きなレリーフでロシア兵が日本兵をやっつけている光景ばっかり)。
一方、東シベリア鉄道の輸送キャパは、一日24万バーレル。これも30万バーレルに増えるが、全部が中国向けではない。
さらにカザフスタンから中国へ向かうパイプライン利権はカザフ政府とロシアの「ルークオイル」が持つ。このルートのガス輸送も、開始されたばかりである。
こういう環境の中で、「ロスネフツ」は世界の有力銀行、メジャーの出資を
受け、マレーシアなどの石油産業、シンガポールのファンドからの出資もう
けて、中国からの買いオファーだった30億ドルを、六分の一でしかない
五億ドルまで減らしたのである。
理由? 背景にあるのはロシアの思惑とは、原油、ガスの買い手を
中国一辺倒ではまずい、とリスクを算定しているからである。
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