テポドンは本当はどこに向けられていた? | 日本のお姉さん

テポドンは本当はどこに向けられていた?

防衛庁が近く公表する北朝鮮の弾道ミサイル発射に関する調査報告書の概要が29日、明らかになった。発射された7発のうち、種別を特定していた3発目の2段式「テポドン2号」については「発射は完全な失敗」と断定。約400キロと推定していた飛距離は「落下は沿岸から数十キロの北朝鮮近海」と修正した。残りの6発については2発が「ノドン」、4発が「スカッド」と結論づけた。防衛庁は週内にも公表する。


 報告書は、海上自衛隊のイージス艦がとらえたミサイルの航跡など初期情報に、米軍の地上レーダーなどの追加情報を合わせて解析した結果を防衛庁独自にまとめた。


 北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)から発射されたテポドン2号は、1段目が新型ブースターで、2段目がノドン。当初は新潟県沖北北西約350キロ付近の海域まで約400キロ飛んだとみられていた。しかし、複数データの解析の結果、報告書は「1段目の燃焼は約40秒で終わり、2段目は分離しなかった」と断定し飛距離も修正した。正常に稼働した場合、燃焼時間は3分以上と見られており、完全な失敗と結論づけた。


 一方、目標については防衛庁は「太平洋側に向けた可能性が高い」と見ているが、正常な打ち上げではないことから特定は避けた。


 残り6発はいずれも北朝鮮南東部の旗対嶺(キッテリョン)から北東方向に発射され、400キロ前後の海域に落下したと見ている。しかし、正確な解析に足る十分な航跡が得られていないミサイルもあり、落下地点は特定を避けたうえで「6発とも(直径)数十キロの範囲内に落下した」との分析にとどめる。


 6発の種別は、初速や燃焼パターンからノドン2発、スカッド4発と特定。航跡などの解析の結果、開発中とされる新型IRBM(潜水艦発射中距離ミサイルの改良型)は含まれていないと判断した。スカッドはデータが乏しいこともあって細かい種別の特定には至っておらず、「新型スカッドが含まれていた可能性がある」との表現にとどまる見通しだ。


 打ち上げ順序については、日米情報当局は「手の内を明かすのは得策ではない」としており、公表を見送る。発射意図も見方が分かれており、報告書では断定しない。【古本陽荘】 2006・7・30

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2258414/detail?rd