韓国人が後漢の言葉を使うのが面白かった。
【ソウル=黒田勝弘】韓国の最有力紙・朝鮮日報が盧武鉉大統領を「鶏肋(けいろく)・大統領」と書いたことに青瓦台(大統領官邸)当局が激怒し、今後、青瓦台当局に対する取材を一切拒否するとの“報復措置”を発表し話題になっている。また論説コラムで盧政権を「税金を出すのが惜しい略奪政権」と批判した東亜日報も同じ処分を受けており、盧政権と反政府系・有力新聞の非難合戦は泥沼状態が続いている。
問題になった「鶏肋」とは鶏のあばら骨のことだが、韓国では昔から「食うほどの肉はついていないが捨てるには惜しい」ということから「役には立たないが捨てるには惜しい物」という意味に使われてきた。元は中国の後漢書に出てくる故事に由来するという。朝鮮日報(28日付)は最近の政局分析記事で与党にも“大統領忌避現象”が見られるとし「盧大統領は今や与党においてさえ『鶏肋』のような存在になったようだ」と皮肉った。
これに対し青瓦台当局は直ちに「国家元首を食べ物に比喩(ひゆ)」するとはケシカランとし、同じ日の東亜日報と併せ「節制のない扇情的な“見出し商売”で大統領と政府を分別なく攻撃する行為は許せない」と激しく非難。両紙に対し、大統領秘書室全体に対する取材の拒否を通告した。青瓦台のこうした措置は初めてという。
韓国ではこのところ、マスコミや街の声は政権末期(次期大統領選は来年12月)を思わせるような政権批判が盛んで、新聞にも大統領を皮肉る露骨なパロディー漫画や小話がよく紹介されている。朝鮮日報は非難に対し「他のメディアも過去に同じ表現を使っているではないか」と反論し、青瓦台当局の取材拒否は言論の自由侵害だと批判している。
(産経新聞) - 7月31日