2006年、上半期に中国で死んだ日本人は44人。 | 日本のお姉さん

2006年、上半期に中国で死んだ日本人は44人。

今年上半期(1~6月)に中国内で事故や病気で死亡した日本人が昨年同期比14人減の44人であることが24日までに明らかになった。NNAが各地の日本の在外公館に照会して分かったもので、邦人による不慮の事故や急病による犠牲者が減少傾向にあることが浮き彫りになった。ただ、治安が比較的悪いとされる華南地方などでは邦人への犯罪被害は増加傾向にあり、中国は依然として安全な場所とはいえない面もある。日ごろの体調管理に加え、不慮の事故・事件に遭わないよう日常から気をつける必要がありそうだ。

 ■最多は上海の18人
 
 同期間中、邦人死者数が最も多かったのは上海総領事館管内の18人だったが、昨年同期比では4人減となった。続いて北京大使館管内も13人で6人減。広州総領事館管内は半減し4人にとどまった。大連出張駐在官事務所は3人で昨年同数だった。一方、中国国内で増加したのは瀋陽総領事館管内の5人で昨年同期比3人の増加となった。
 
 ■相次ぐ脳疾患死
 
 また、大連出張駐在官事務所管内(3人)では、50代の2人の邦人がそれぞれ脳梗塞(こうそく)、脳いっ血で倒れ、搬送先の病院で死亡。残りの1人も転倒後、脳出血で搬送先の病院にて死亡しており、脳関連の疾患により死に至るケースが目立っている。北京でも1人が突然死となっており、日ごろの仕事でのストレスや体調管理が生死を分けるケースもあるようだ。
 
 交通事故で死亡するケースは減っているものの、北京大使館管内の山東省では今年5月、煙台から青島に向かう国道204号線で事故が発生。邦人1人が死亡、1人が負傷している。同国道では昨年6月に3人の邦人が死亡、同12月にも1人が死亡・1人が負傷しており、邦人の死亡事故が相次ぐ路線となっている。5月の事故の前日にはシンガポール人も同路線で交通事故により死亡しており、移動には細心の注意が必要だ。
 
 同大使館では「事故の多くがスピードの出し過ぎが原因。同省内では各都市間の移動で車が主要交通手段になっており、同路線は交通事故の多発地帯となっている」として注意を呼びかけている。
 
 病気や事故による邦人の死亡が減る一方で、広東省を中心とした華南地方では犯罪被害は増加傾向にあるようだ。
 
 ■犯罪被害104人~広州
 
 広州総領事館によると、上半期の邦人の犯罪被害者数は104人に上っている。1~3月期(52人)でみると、前期(2005年10~12月)比で7人の増加となっており、治安の悪化が邦人にも影響していることがうかがえる。
 
 とりわけ、深刻なのが殺人未遂とも受け取られる傷害被害や強盗が確認されていることだ。広東省東莞市の国道で信号停止中の車に4人の男が乗り込み、引きずりだされ金品を強奪、負傷したケースがある。このほか、同市ではタクシー乗車の際に、3人組の男からショルダーバッグを強奪された上、刃物で斬りつけられた事件も報告されている。
 
 治安が比較的良いとされている大連でも犯罪被害件数は前年比6件増加の15件が確認されており、華南地方以外の管内でも邦人被害は増える傾向にあるようだ。ただ、約5万2,000人と最大の邦人数を抱える上海総領事館管内では目立った負傷を伴う強盗犯は確認されておらず、地域によって治安の良しあしには差があるようだ。
 
 ■買春では4人摘発
 
 一方、邦人の買春行為による拘束件数は、上海総領事館管内で確認されている4人だけで、昨年同期比で3件増。ただ、昨年通年では14人が確認されており、摘発件数が今後増加するかどうかは不透明だ。邦人による買春事案について、大連出張駐在官事務所は「邦人による買春はこれまで罰金刑だけで釈放される事例が多かったが、今年3月から施行されている治安管理処罰法で今後は例外なく15日間の行政拘留が科せられる」と指摘。在留邦人に中国での行動に十分留意するよう呼びかけている。

(NNA) - 7月25日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060725-00000002-nna-int