台風の被害は大きかった。
台風4号「ビリス(碧利斯)」によって中国全土で死亡した人の数が22日までに530人に急増した。「地方の行政当局が意図的に過小報告した」と伝えるメディアもあり、民政部は地方政府に対して被害情報を隠蔽しないよう要求する通知を出した。23日付で英字紙チャイナデイリーなどが伝えた。
台風4号による死者は22日の時点で、湖南省で346人、広東省で106人、福建省で43人、広西チワン族自治区で35人となっている。また湖南省では行方不明者が83人に達している。
チャイナデイリーは他メディアを引用する形で「湖南省にある資興市の役人が本来の死者数を大幅に下回る報告をした」「問題の複雑化を招いたりマイナスの影響があったりする統計を公表した場合、報復を受ける危険性があるので、中国の地方役人は往々にして(そうした情報を)隠蔽してまう」と伝えた。
民政部は地方政府に対して被害情報を隠蔽しないよう求める通知を21日付で公式サイトに掲載した。もし報告に偽りがあれば、関係者の責任追及もありうると強い姿勢を打ち出している。
なお温家宝・首相は22日、中国共産党・湖南省委員会の張春賢・書記や同省の周伯華・省長とともに資興市を視察した。(編集担当:菅原大輔)
(サーチナ・中国情報局) - 7月24日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060724-00000003-scn-cn
湖南省では729万人が被害を受け、直接の経済損失は78億元を突破した。特に死亡が多く、災害で死亡した人が346人、行方不明89人に達した。
台風4号が中国南部にもたらしたひどい被害はまだおさまらないが、そのもたらした涼しさはすぐになくなって、全国の多くの省が酷熱に覆われた。中央気象台の20日の予報によると、大部分の省区は35度から37度の高温になり、重慶、湖北省西部、陜西省南部などは38-40度に達する見込み。
陜西省漢中地区では、35度以上の高温の天気が半月近く続き、一部地方では38度を超え、30年来のひどさである。漢中では旱魃被害が蔓延し、トウモロコシ、大豆などの葉が巻き、水田では土が白く乾き、亀裂が現れている。河やダムの水が激減し、人や家畜の飲料水が不足しているところもある。湖北省も同じように厳しい。
「火炉」と呼ばれる重慶の状況も非常に厳しく、飲料水が不足している人口が207万人に達している。20日10時、重慶市気象台は今年の夏になってから11回目の高温イエロー警告を発し、午後5時、巫山の気温は40.1度に達した。中心部の温度も37.3度になった。最高気温が37度を超える日数が1978年以来の最高を記録し、巫山、開県では何日も40度を突破している。
高速道路の入口で勤務している人たちは大汗をかき、毎日緑豆湯を大瓶2本、さらに飲料水を何本も飲むが、一度もトイレへ行かないと言う。そうした勤務地点へ緑豆湯を届ける係員は革靴が熱さで壊れてしまったので、路面の温度を測ってみると62度もあった。
重慶市建設委員会は緊急通知を出し、戸外の高温作業を制限するよう求めた。また、人工降雨の大砲、ロケット砲に臨戦態勢を命じ、雨の種が見つかればすぐに人工降雨を行う予定である。2006/7/22