アテにならない日米安保 | 日本のお姉さん

アテにならない日米安保

皆さん「いざとなったら日米安保条約がある。アメリカが日本を守ってくれ
る」と思っていませんか?

思い出してみましょう。

7月4日。

北はミサイルを発射。

ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、「われわれは
ミサイル発射を挑発的行為と考える」としたものの、「発射後40秒で落下
したミサイルはアメリカ領土への脅威ではない」と付け加えました。


ちなみにテポドン1号は98年すでに、日本を飛び越えています。

つまり、北朝鮮のミサイルはバッチリ日本に届く。

そして、北は核兵器保有を宣言している。

結論は、「北は核を日本まで届かせることができる」。

それでアメリカは動きましたか?

日本にとっては明白な脅威でも、アメリカにはまだ届かないからどっちで
もいいのです。



「発射後40秒で落下したミサイルはアメリカ領土への脅威ではない」

(06年7月4日-米ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当))



冷戦時代、米ソの陣取合戦があったので、日米安保はある程度有効
でした。

つまり、中国・北朝鮮が共産化された。

今度は日本・韓国が共産化されるかもしれない。

冷戦は世界の覇権をかけた米ソの戦い。

だから、アメリカも日本を共産国から守らなければならなかった。

今は、どっちでもいいのですね。



「米国もまた、冷戦終結後の環境下において日本との関係の再検討を
迫られるだろう。

冷戦下にあって、米国政府は、日本との広範な安全保障関係を維持す
るために、経済摩擦はできるだけ穏便に処理しようとしてきた。

いまや、そうした時期は過ぎ去ったように思われる。」

(冷戦後の日米同盟 フランシス・フクヤマ)



▼災いを転じる


結局アメリカは自国が脅威にさらされないかぎり動いてくれないことがわか
りました。

さらに、中国・ロシアは北朝鮮を反米の先兵として使いたいのですから、ど
うしようもありません。

どうすればいいのでしょうか?

結論は明らかです。

利害が異なる他国を動かす努力はやめ、自国でできることからはじめること。

日本の政治家さんからも多数おたよりをいただいているということで、わずか
な期待をこめて、この号を書きます。




「今が憲法改正のチャンスじゃないですか?」




皆さんも最近お気づきだと思いますが、このままでは日本、竹島も尖閣諸島
も確実に失うことになります。

中国・韓国・北朝鮮がどんどん凶暴になっている(日本に対してのみ)のは、
残念ながら日本が世界に誇る平和憲法にあります。

彼らは、「どんな無礼なことをしても日本は動けない」ことを知っているので
す。

幸い今回の出来事で、世論を納得させるのもいけそうです。



読売新聞が7月6日7日に行った世論調査によると、政府が決定した北朝
鮮に対する制裁措置を「支持する」人は92%、「支持しない」は5%でした。



ついでにもっと大騒ぎして、憲法改正までもっていけばいいでしょう。


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▼世論は作られる


う~。

嫌われるかもしれません。

「北野さん、あなたは前々から悪人だと思ってましたが、やっぱり極悪人
でしたね」

と解除が増えるかもしれません。

しかし、祖国を守るためには必要であろうと思い、決心して書きます。

憲法改正について、「世論はまだそこまでではない。まだ機が熟していない」
という意見も多いでしょう。

しかし世論というのは作るものなのです。

私は事実をいうだけですから、批判メールを書かないようにお願いします。



昔大学の同級生ラタナック君(カンボジア人)が面白い言葉を教えてくれま
した。



「ウソは100回いうとホントになる」(^▽^)



カンボジアの独裁者ポルポトの名言(?)だそうです。

ラタナック君はその時、「いかに女性を口説くか?」という講義を私にしてい
たのですが。。。

まっ、北野は硬派(ウソ)ですから、その手の話には興味なかった(ウソ)ん
ですが。

私はなるほど~と思いました。

こうやってメルマガを出すようになって、世界を眺めてみると、そこにはホン
トのようなウソが満ち溢れています。


例えば、アメリカ人の55%くらいが「フセインは9.11の黒幕だ」と思っているそ
うです。

なぜでしょうか?

それはブッシュや政府高官が演説のたびに、9.11の話のすぐ後に必ずフセ
インの悪口をいったのです。

ウソはいっていません。

ブッシュはフセインが9.11をオーガナイズしたとはいっていないのです。

ただ、9.11・アルカイダ・フセインをいつもセットにして話していた。

それでアメリカ国民の脳みそに、「9.11=アルカイダ=フセイン」という偽りの
構図が形成された。



また、今流行りのウソは、「イランはアメリカにとって最大の脅威だ!」という
もの。

これも繰り返し繰り返し皆が語ることで、国民が洗脳されていきます。

他には、「ロシアが資源を武器として使った」というのもあります。

理由はウクライナが値上げ交渉に応じず、ロシアが今年1月1日から同国へ
のガス供給をストップしたこと。

しかし、ロシアはウクライナに今まで、市場価格の5分の1(!)でガスを供給
していました。

ですから、ロシアの要求は、例えば「原油バレル70ドルを350ドルにします」と
いうような無茶な要求ではありません。

今までバレル14ドルで売っていたのを、他の国と同様70ドル払ってくださいと
う話。

しかも、ガスプロムは値上交渉を10ヶ月も前からつづけていました。

さらにいえば、ロシアはCIS諸国への供給価格(ベラルーシ以外)をウクライ
ナと同時期に引き上げています。

ですから、「ロシアは資源を武器として使った」というのが正しいのか。。。


正確にいうと、「ロシアはウクライナへのガス供給価格を市場価格並にひき
あげるよう10ヶ月前から交渉をつづけていたが、ウクライナが条件に同意し
なかったため、供給を停止した」となります。


ところが、ライスさんやチェイニーさんが、繰り返し繰り返し同じことをいって
いると、世界中の人が「ロシアはなんて危険な国なんだ!」となっちゃうので
す。

これは私がロシアに住んでいるからフォローしているわけではありません。

事実関係をきっちり調べるとこういうことになるのです。

アメリカの例ばかりをあげましたが、それは、この国が世論誘導にもっとも
長けているから。

ロシア・中国・イラン等々は、この方面が甘く、常に悪役に仕立てられていま
す。


▼世論を作る


こういう世論形成技術は一種の洗脳です。

(目的がいい場合は、啓蒙ともいう)

ですから使い方によっては大変危険。

しかし、今は非常事態ということで、将来のために「憲法改正」をプロパガン
ダするべきだと思います。

どうやるかというと。。。


首相以下閣僚の皆さんは、記者会見とか演説の場で、必ず「北朝鮮は日
本に核ミサイルを撃ち込む可能性がある。すると~万人の犠牲者が出る」
と繰り返し繰り返しいいます。(ウソじゃないし。。。)


さらに、アメリカのテレビではことあるごとに、9.11の映像(飛行機がビル
につっこむ)が流されますね。

同じように、日本でもことあることに、ミサイル発射の映像を流しつづける。

(でないと、一般人は北のことなど2週間で忘れてしまいます。皆さんも反
日デモのとき中国に抱いた憤りを忘れちゃったでしょう?)

さらに、北朝鮮に誘拐された人の親族が涙する映像を流しつづける。

脱北者をあらゆるテレビ番組に招待し、全国で講演会を開いてもらい、い
かに金正日がひどい男で、核ミサイルを打つ可能性があるクレイジー独裁
者かを宣伝してもらう。


有名な作家さんを数人やとい、ベストセラーをしかける。

テーマは


1、憲法改正の必要性をとく

例、

「国家の危機~憲法を改正しなければ日本は滅びる!」
「世界の中心で憲法改正を叫ぶ!」
「憲法改正の壁!」
「超憲法改正の壁!」



2、金正日の悪さを宣伝する

例、

「クレイジー独裁者金正日の奇妙な日常生活」
「目撃!~脱北者が語る悪の独裁者金正日の真実」
「北は必ず日本を攻める!~北朝鮮元軍幹部の衝撃告白!」


等々。

これらを計画的に一年くらいつづければ、すっかり世論が形成され、憲法
改正の抵抗はなくなるでしょう。

憲法改正は対北でも重要ですが、問題はその後ろにいる中国です。

アメリカが中国民主化を果たせず没落した場合、フリーハンドになった中
国はどういう方向に進むかわからないのですから。

必ず脅威になるわけではないでしょうが、危険性は十分ありますね。

さらに、領土問題があるところは、確実に中国が抑えることになるでしょ
う。


というわけで、政治家のみなさまご一考ください。


一般の読者の皆さま、なまなましい話ですいませんでした。

「北野は国民を洗脳することを説く極悪人だ!」と思われましたか?

しかし、私がいわなくても、皆さんを洗脳しようとする人はいるのですよ。

たとえば日本の友人と電話で話したら、政府は今毎日、「国家財政が危
機に瀕しているから増税が必要だ!」と洗脳しているといっていました。



「財政赤字でピンチ→増税」



という洗脳。

しかし、別の国ではたとえば

「財政赤字でピンチ→大減税(→消費増→生産増→税収増)」(レーガン)

「財政赤字でピンチ→公務員の削減・支出削減」(サッチャー)

「財政赤字でピンチ→IT革命により世界の資金をアメリカに集中させる」
(クリントン)

等、方法はいろいろあるのですがね。

これも洗脳。(涙)

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