中国は石炭液化プロジェクトはいらないそうだ。 | 日本のお姉さん

中国は石炭液化プロジェクトはいらないそうだ。

【中国】発改委:石炭液化プロジェクトを制限、「リスク大」

 国家発展・改革委員会(国家発改委)は石炭液化に関するプロジェクトを新たに許可しない方針を明らかにした。中国では原油価格の上昇に伴い、石炭液化技術の産業化が注目されていたが、発改委は技術的にもリスクが大きいと判断。その他、石炭化学工業全体の過剰投資の問題や環境への負荷も懸念している。

■石油液化プロジェクトの許可を凍結

 発改委は、年産規模300万トン以下の石炭液化プロジェクト、100万トン以下の石炭を原料とするメタノール及びジメチルエーテル生産プロジェクト、60万トン以下のオレフィン系炭化水素生産プロジェクトは、「一般的に許可しない」と通達した。

 若干の含みを残した表現だが、通達の別の部分では「国家の発展ガイドラインが完成するまでの当面の間、オレフィン系炭化水素及び石炭液化プロジェクトに関する審査と許可を停止する」としており、該当するプロジェクトの許可が全面的に停止される可能性がある。

 発改委は、石炭液化及びオレフィン系炭化水素生産に関連するプロジェクトを規制する理由として、技術的に未完成で、大きなリスクが伴うことを挙げた。

 また、メタノール生産プロジェクトに関しては、2005年の中国のメタノール生産量が536万トン、現在建設中のプロジェクトの年産能力がの合計900万トン近くにのぼることを指摘し、「これらが全て稼動した時点でメタノール加工技術や市場開発が追いついていなかった場合、深刻な生産過剰が発生することになる」との懸念を表明した。

■カーバイド等伝統的石炭化工も引き締め

 国家発改委は一方で、カーバイドやコークスなど伝統的な石炭化学工業が深刻な過剰投資の状態にあることを指摘。05年におけるカーバイドの生産能力は実際の生産量の2倍に達し、コークスの生産能力は国内需要を7000万トン以上上回ったとして、現状のまま推移すれば、2010年になっても生産能力は需要をはるかに上回ると予測した。

 また、コークスに関しては、06年の輸出価格が04年の50%程度に落ち込んでいるなど、生産能力の過剰により、値崩れが発生していると指摘した。

 更に、石炭化学工業は環境への負担が大きく、水資源を大量に消費するとして、カーバイドやコークス事業への参入条件を厳格に審査するなどの産業政策を実施すると表明した。(編集担当:如月隼人)


(サーチナ・中国情報局) - 7月19日

http://my.reset.jp/~adachihayao/060720ZH.htm