アメリカは北朝鮮のおかげで儲かったね。
05年9月に始まったアメリカの対北金融制裁。
大きな成果をあげ、北朝鮮は資金不足が深刻になっていきました。
北は中国経由やアメリカ直で制裁解除を何度も求めますが、アメリカ
は無視。
金正日は、最後の手段として、ミサイルをぶっ放したのでした。
目的は、アメリカとの交渉。
交渉の目的は金融制裁解除。
▼金正日は地上最強の営業マン(補足)
前号で、日本政府は北朝鮮のミサイル発射をうけ、MDシステム導入
を前倒ししたという話をしました。
政府によるとMDシステムの地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(P
AC3)を今年度末までに、航空自衛隊第1高射群の本部がある入間
基地(埼玉県)に配備する。
その後、07年度中に同高射群の霞ヶ浦(茨城県)、習志野(千葉県)
、武山(神奈川県)の3基地に1基ずつ配備する。
それから10年度末までには、浜松基地(静岡県)のほか、中部・近畿、
九州の両地域にも順次、配備する方針です。
で、前号書き忘れちゃったんですがね。
7月8日付の読売新聞にこんな記事が載っています。
「SM3が発射直後から大気圏外に出た後までの迎撃を担当し、そこ
で撃ち漏らしたミサイルを、地上に配備したPAC3が大気圏への再突
入時以降に迎撃する仕組みとなっている。PAC3の防護範囲は、半
径(^▽^)(^▽^)→数十キロ←(^▽^)(^▽^)とされる。」
数十キロ。。。
知り合いの政府関係者に聞いてみたら、「そう、それが一番問題なん
です」といってました。
守備範囲が数十キロってことは、日本全国を防衛しようとしたら日本
中ミサイルだらけにしなければならない。
いったいなんぼかかるのやら???
もう一つ。
MDは発展途上の技術だと書きました。
まあ、ウィンドウズ3.1みたいなものとしましょう。
となると、精度の高いバージョンが出るたびに。。。。
う~。
ブッシュも金正日に、「カムサハムニダ!」と電話したいに違いありま
せん。
7月6日。
ブッシュは、金正日が与えてくれたチャンスを逃さず、カナダで営業活
動をしていました。
CNNのインタビューに答えます。
ブッシュさんは「(北朝鮮が発射したミサイルを)撃ち落す用意ができて
いたのか」と質問され、「アメリカに向かって来るなら、国土を守るため
のミサイル防衛システムがある」と語ります。
やさしいよね~~~~。(^▽^)(^▽^)(^▽^)
北朝鮮にかぎっては先制攻撃という話は、一切出てきません。
あらためて問いたい。
「ブッシュさん、それならなぜあなたはイラクを攻めたのですか?」
石油をユーロで売ろうとしたからですよね。
ちなみに、ブッシュと会談したハーパー首相は、「MD参加に関する議
論を再開する準備ができていない」と軽くあしらっています。(^▽^)
正日さんが与えてくれたチャンスをいかせなかったブッシュ。(涙)
しかし、捨てる神あれば、拾う神であります。(^▽^)
7月13日読売。
「北朝鮮から拡散懸念、NATOがミサイル防衛検討加速
【ブリュッセル=林路郎】北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、北大西
洋条約機構(NATO)が「北朝鮮から(欧州の懸念する)中東諸国へ
のミサイル拡散の脅威がさらに高まった」として欧州全体を防衛でき
るミサイル防衛システムの導入について検討を加速させたことが明
らかになった。」
おわかりでしょうか?
極東で北朝鮮がミサイルをぶっ放したことで、ユーラシアの正反対に
ある欧州でMD導入論議が加速されている。
「カムサハムニダ~~~~」(^▽^)(^▽^)(^▽^)
これでブッシュも意気揚々でありましょう。(^▽^)
国連安保理は7月15日、北朝鮮のミサイル発射を非難する決議を全会一致
で採択しました。
決議は、ミサイル発射を「地域とその周辺の平和、安定、安全を危うくする」
とし、北朝鮮に発射再凍結を要求。
国連加盟国には、北朝鮮との間でミサイル関連物資・技術を移転することも、
ミサイル購入もやめるよう求めています。
これに対し、北朝鮮の朴吉淵・国連大使は同日、安保理で、ミサイル発射に
対する安保理決議採択を受け演説。
曰く「決議を全面的に拒否する!」
履行する意思は全くないそうです。
「(安保理は)ギャングのようだ!」
↑
(これを日本語で自分のことを棚に上げるという)
「ミサイル発射を今後も継続する!」
▼結局こっちが最優先
RPEでもボロボロになった覇権国家でも書いているのですが、結局
中東が先、東アジアは後という構図は変わっていません。
日本が北朝鮮で大騒ぎしている間、中東で二つの大問題が進行して
います。
一つはイスラエルとパレスチナ・レバノンが戦争を開始したこと。
これから戦火はシリア・イランへと拡大していく可能性も出てきました。
予定通りの展開です。
もう一つは言うまでもなくイラン問題。
皆さんいつでもこの構図を思い出してください。
・イランには核兵器がない。そして、イラン政府は核兵器を開発すると
は一度もいっていない。
・北朝鮮には核兵器があり、それをアメリカまで届かせるミサイルを開
発している。
イランは北朝鮮と比べれば、全く脅威でもなく悪いこともしていません。
(最近は、イランを「核開発」理由で攻撃するのは、北朝鮮比であまりに
も説得力がないですね。
しかし、都合よく出てきました、次の理由が。
そう、イランはレバノンのヒズボラを支援していると。。。)
「表の理由・大義名分は、「イランがテロリストを支援している」「イランが
核開発をしている」の二つ。」
(ボロボロになった覇権国家236p http://tinyurl.com/dypky
)
7月12日。
国連安保理常任理事国5カ国とドイツは、パリで外相会議を開きました。
で、イラン核問題に関する安保理での協議を再開させ、ウラン濃縮・再
処理関連活動の全面停止を義務づける決議を採択することで合意。
会議終了後の共同声明では、「イランが従わない場合、経済制裁に踏
み切る」方針を示します。
イランはすぐ反応。
アハマディネジャド大統領は13日、「包括的見返り案に対するわれわれ
の返答ははっきりしている。イランは国際的な法と規制に従うが、核技
術を取得するという当然の権利は放棄しない」と語ります。
ここで重要なのは、「核技術」というのは、「核兵器」ではないということ。
7月13日。
ブッシュさんは、ドイツのメルケル首相と会談。
その後記者会見し「イランは、我々を待たせることで核問題を収拾できな
いと認識しなければならない」と述べます。
また「イランには妥当な時間内に、数カ月ではなく数週間(以内に回答す
るように)と伝えた。イランが我々を信用していないことは明らかだ。した
がって我々は国連安保理に付託しようとしている」と語ります。
おわかりでしょうか?
アメリカは北問題を日本にまかせっぱなしにして、イラン問題に一生懸命
なのです。
結局中東問題の方が東アジアより重要。
いろいろと世界は動いていますが、この基本的構図は未だに変更がない
ということですね。
ああ(呻吟)。
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
メルマガの登録は http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
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アメリカは日本を北朝鮮から守る気などないので、日本は目を覚まして
軍備を整えよう。アメリカとは、仲良くしておいて、日本はちゃんと憲法9条を
なんとかして、自分の国は自分で守るんだ。一方で、北朝鮮には、拉致
被害者を全員返して、日本と仲良くなるようにプロポーズを続ける。
北朝鮮は中国を信用していないので、チャンスだ。北朝鮮は、ニセ札や
大麻なんか作るより、普通に工業を発展させればいいのだ。
中国なんかに港を使わせると、北朝鮮全体を中国に乗っ取られるのに、
気が付かないのかな。